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第5章

帰還命令

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「安心しろ。エサは人間ではない。
魔力だけでも生存は可能なようだが、ヒトの老廃物なんかも好むため、絶えず体に密着させておくと美容効果も見込まれる。
魔力量は多くないが、一通りの魔法は教えてあるので、戦闘服としても優秀だと思う」

「うーん、ひょっとして背後からの攻撃にも対応できるって事ですか」

「そのくらいは何の問題もない。
この全身タイツ状態で温度調節もできるし、欠損部位の代行も可能だ」

「あっ!」

「性別を胡麻化すことも楽勝だし、触手を使えば両手が塞がっていてもかゆいところがかける」

「あっ!せ・・・先生、胸を揉みながら、脇腹をくすぐるのは・・・やめてください・・・」

「人間の形態での手足の使い方は教えてある。
元の自分の手を思い出して形を整え、細かな制御をしてみろ。
手が動くようになったら、足を作って歩くことに挑戦だ。
手足が回復するまでの1週間を、ベッドで寝て過ごすのもよし。
食堂へ行って好きなものを食べるのもよし。
自分で選択しろ」

「先生!オチンチン……」

パカーンといい音が響いた。
「誰かが、そういうくだらないことをするんじゃないかとは思っていた」

「いたたたっ……そうじゃなくて、男性みたいにオシッコすることもできますね」

「外に出さなくても、吸収してくれるぞ。大きい方もな……」

「嫌です!オシッコくらいは妥協しますけど、大きい方はトイレに行きます……
でも……そうか、パンツを降ろす必要もないんだ!
カーリー!量産して売りに出そう!」

「バカ言ってないで、本題に入ろう。
MRSで何があった」

コアとスフィが視線をあわせる。
コアが軽く視線を下げたことで、二人の間に確認・合意が生まれる。

「初めに申し上げておきますが、あくまでも私たち3人の判断によるものです。
第三者による関与はありませんので……」

年上であるスフィが語りだした。

◇ ◇ ◇

「レオ、部長から中間報告をしろとの指示が来ているわ。
議会に同席して報告するんだってさ」

「うえぇッ……そういうのは、部長がやってくれるんじゃなかったのかよ……」

「うん、その筈だけど……カーリーとイシュタルも含めて、全員一時帰国して議会に出席しろって」

「えっ、それってタケル君も同行しろって事ですよね。
教会にも話を通さないといけませんし……
部長、根回ししてくれたのかな?」

「そうね。個人的な話ならともかく、教会長へ正式に申し入れもしくは通達が必要だって事くらい部長なら理解している筈よね」

「部長”なら”……ねぇ……、スフィ、手紙の匂いと筆跡は?」

「部長のものに間違いないわ。ただ……そうね、相当緊張して書いたみたい」

「そうなると、その手紙は部長の本意ではないと判断できる」
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