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第5章

アメフラッシャー

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「ねえ、カーリーさん」

「何でしょう、ミヤイール様」

「あなたが活躍できる場所は、多分タケル君の隣じゃないと思うのよ」

「おっしゃる意味が……」

「私と結婚しましょう」

「……やっぱり、あのフトンには錯乱とかの副作用があるんですね」

「そうじゃなくて、考えてもみなさい。
タケルはヒメと結婚するのよ」

「はい。承知しております」

「あなたがどれだけ優れていても、正妻はヒメなのよ。
あなたは、No.2にしかなれないの」

「私の全ては、ご主人様のモノ。
ご主人様も、一生離さないと約束してくださいました」

「ああ、どうしてもダメなのね……
ヒメはどうなの?
結婚相手に、既に愛人がいるのよ」

「うふふっ、タケルさんと結婚すると、もれなくスーパーメイドさんが付いてくるんですよ。
お料理も教えてもらえるし、マッサージもおぼえられます。
何か問題がありますか?」

「な……無さそうですね……」

「ところで、アメフラッシャーなんですが、どうやって連れて来られたんですか?」

「アメフラッシャー?」

「えっと、フトン君とか呼んでいたあれです」

「ああ、パイパンのことね」

「パイパン?」

「ええ。白くてツルツルしたものをパイパンと言うのよ」

いや、女の子が使う言葉じゃない気がする……

「その、パイパンは海底火山の迷宮から連れてきたんですよね?」

「そうよ。
ははぁ、パイパンが欲しいのね。
でもダメ、あげないわよ」

「ええ、分かっています。
だから、自分で採りにいけないかなって……」

「難しいわよ。私だって成功はあれ一体だけだもの。
私の成功で、みんなマネしたみたいだけど、結局数を減らしただけで成功例は聞かないわね」

「数が少ないんですか……」

「そうなの。今は50体くらいしか残っていないわ。
だから、入り口を閉鎖して増えるのを待っている状態よ。
年間の入場許可者は20人で、一人一体だけ捕獲を許可されるの。
30年先まで予約でいっぱいよ。」

「……んっ……ふう、アメフラッシャーね。数ならいるわよ。ただ、大きさはせいぜい30cmよ。
タケル、あなたのスキルでなんとかできないの?」

「えっ、あっ、ニケさんですか。
……そうですね。
吸収と巨大化あたりを組み合わせれば良いかもしれませんね。
仲間にして、知識を上げてやれば自分で考えそうですし、とりあえず数がいるならテイムしに行きますかね。」
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