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第四章
服従
しおりを挟む「命令に従わないようですね。
テイムに失敗したんじゃないですか?
それなら、うちのテイマーにもチャンスがありますね」
「そうだ!オウムシをおいて、さっさと帰れ!」
壁際のオブジェとなった金髪が叫んでいる。
「タケルさん……」
ドームは間違いなくテイムした。
ステータスも確認できる。
そうなると、原因はこいつらにある。
全員のステータスを確認すると、アクティブになっているスキルに”服従”というのを発見した。
当然、強奪でスキルを奪っておき、術者はマヒと毒と石化を付与した氷の針を打ち込んでおく。
術者が立ったまま意識を失うのと同時に、ドームが犬のようにクルクルと回りだした。
尻尾があれば、グルングルンと回しているところだろう。
『あいつら敵……倒していいか?』
ドームがそう聞いてくる。
「ドームも大丈夫みたいだから、帰ろうか」
面倒な感じがしたので、声に出して告げたのだが、許してもらえないらしい。
「アル、逃がすな!こいつ、他にもレアっぽいモンスターを持っているぞ!
ゴーレムを使え!そのガキは始末しろ!」
ゴーレムという言葉に、モアがピクっと反応する。
「坊主、悪いが隊長の命令なんで、おとなしく一人で帰ってくれないかな。
俺も、殺人は好きじゃないんだ」
アルの言葉が終わると同時に、2体のゴーレムが通路をふさいだ。
「タケル、その二人は改竄されているけど私たちの作ったゴーレムなの。
手足や頭はどうなってもいいから、ボディーは無傷で捕獲してくれるかな。
セレナ!遠隔による解析と同期を急いで!」
「やっています。
二人とも初期型の汎用機。
カナートの崩落に巻き込まれて行方不明と報告されたものです」
「タケル、聞いた通りよ。
二人の記憶を解析すれば、何があったか分かるから、さっき言ったようにボディーだけは破壊しないようにお願い。
人間の方は、頭の二人だけ残っていれば他はどうなってもいいわ」
「了解……
だけど、そんな手加減しながら抑えられる相手なのか?」
「タケルのパラメータなら大丈夫よ」
「何をごちゃごちゃと言っているのかな?
投降の意思はないものと判断するしかないのかね。
ミトラ、ミスラ、そのガキを排除しろ。
殺してもかまわん」
俺は、ゴーレムが動き出す前に指示を出した。
「ダイヤチームは人間の方を頼む。
ハートチームとクラブチームは右側のゴーレムを、スペードチームは左側のゴーレムを無力化する」
「おう!」 「はい!」 「了解!」
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