3秒の強奪者 モンスターから奪ったスキルで魔王を倒す

モモん

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第四章 

マーメイドのミャイさん

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「えっ、探査ってせいぜい100mくらいじゃないの?」

「別に信じてもらわなくても結構ですが、どうしますか?
この先に進むとなると、それなりの装備が必要ですよ。
それよりも、その縦穴から出て、地上から水脈を追跡したほうが良さそうなきがしますけど」

「いや、それには及ばない。
君たちへの依頼はここまでだ。一旦戻ろう」

「わかりました。ペルシャからの依頼は完了ということで、あとはこちらで独自に確認します」

「ああ、この先は国外だから、気が済むまでやってもらって構わない。
ミャイ、モンスター除けの結界を敷設してくれ」

「はい。
ですが、根本的な解決には至っていないのに、終わらせてしまってよいのですか?」

「ミャイ、私たちは指示された事だけを完了すれば良いのだ。
その先を判断するのは、教会の幹部たちだよ」

「そうですか……残念です」

そういうと、ミャイは修道服を脱ぎ始めた。
下には、黒のビキニを着ていた。

「教会の考え方には賛同できたのですが、これ以上あなたのような上司に仕えるのは、我慢できません。
この場で教会の職は離任させていただきます」

「そんな勝手が許されると思っているのか!」

「ええ、指示された事は完了したのですから、任務放棄にはあたらないと思います。
報告はお任せしますが、マーメイド族としては、この追跡調査の方が重要と判断いたします。
教会長へも、そのあたりは自己判断を優先すると伝えてありますので、問題ないと思います」

「ミャイさんって、マーメイドなの?」

「ええ。水の関係ですから、マーメイド族としての立場を優先します。
皆さんに同行させてくださいね。
一旦、縦穴から地上に出たほうが良さそうですね」

「教会長は元冒険者だと言っていませんでした?」

「ええ、それは事実です。
ここの冒険者ギルドに所属して、水脈の異常を調査していたんです。
そこを教会から専任でやってはどうかとスカウトされただけですから」

「後ろの簀の子は、彼一人になってしまいますが……
ああ、上に出てからガンマに送らせましょう」

セレナは簀の子を収納にしまい、俺はメタルスパイダーのクモっちを出した。
縦穴は、そこまで大きくはないので、ミャイさん達はクモっちに乗ってもらう。
こうして大人のマーメイドが仲間に加わった。

チャグナの方もそれ以上言葉はなかった。
与えられた仕事以外は興味ないとのことだった。

「お二人はパーティーを組んでいたんじゃないんですか?」

ミャイさんに聞いたところ、冒険者としてパーティーを組んでいたわけでは無いらしい。
教会所属の荒事チームが二人だけだった。
それだけの事で、彼の方が年長であり、この職の経験が長いことで責任者になっているが、教会から指示された事以外は手を出さない。
今回の指示も、”国内”におけるモンスター発生原因の究明と、可能であれば発生源の除去というものであり、国外に発生原因があるのなら自分たちの役目ではないという事だ。
だから、モンスター除けの結界敷設を施してしまえば、任務完了となる……
以前にも、似たようなことがあり、ミャイさんは不満だったらしい。
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