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第二章 養成所
迷宮封鎖
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「じゃあ、ファイおいで。
ライムもお願いね。
えっと、一番近い子でいいかな?」
「キュ」
「ああ、あっちの子がいいんだ」
目的地の手前でファイを先行させる。
少し待っていたら、2匹で戻ってきた。
「野生状態で意思は通じるのかな?」
「キュイ」
「今、同期するそうです」
「同期って?」
「覚えた事なんかを、共有できるみたいですね」
幻想的な光景だった。
2匹が明滅を繰り返し、らせん状に重なり、やがて元に戻る。
「えっと、僕がやっても仕方ないので、どちらか魔力を供給して意識をつないでください」
「では、私がやろう」
オレンジ色……コアさんかな……が前足で触れる。
「ほう、本当に会話ができるな。
人間に害意はないのか。
……ここに住むだけでいいんだ。
なるほど、武器を持った人間は怖い……
同行するのは良いが、仲間の安全を確保してほしい……か。
よかろう、お前が戻るまで、このフロアは閉鎖する。
ああ、いいぞ。私は休憩所で待っている」
「スフィ、このフロアに3パーティーいるから、事情を話して退去してもらおう」
「了解した。
タケル、背中に乗れ。
この姿で突然現れてもモンスター扱いされるだけだし、装備なしの裸で出たら変態扱いされる。
おまえが同行して説明しろ」
「説明は休憩所ですればいいだろう。とりあえず休憩所に引き上げてもらうよう説得してくれればいい」
3パーティーは、とりあえず話を聞くという事で、休憩所に戻ってくれた。
「討伐中のところ、まことに申し訳ございません。
MRS所属のモンスターレッドリスト調査班長のレオと申します」
MRSと明かされた事で、一瞬ざわつく。
「実は、おそらく皆さんの目的であるスターサファイアですが、本日テイムに成功した者がおります」
「てっ、あのレアモンをテイムしただと!」
「そうです。それも、前回討伐に成功した、こちらのタケル氏による偉業です」
タケルって、ガキじゃねえか、何であいつだけ……
「皆さんも、不審に思われるでしょう。ところが、彼には我ら精霊を上回る探知能力がありました」
「いや、いきなりそれを信じろと言われても無理ですよ」
「ところが、彼にはこのフロアにあと6匹のスターファイアが生存している事が分かっており、先ほど私の仲間が同行して接触に成功しました」
「本当に6匹もいるのか?」
「私に、その真偽を問われても、お答えしようもありませんが、その交渉により彼らが人間に怯えずにここで暮らしたいと望んでいることが判明いたしました」
「えっ、交渉って……」 「まさか……」
「そうです。彼らは知生体であり、精霊となる可能性を持っています。
よって、私はMRS代表の代行権限を行使し、当フロアの閉鎖を行います」
ライムもお願いね。
えっと、一番近い子でいいかな?」
「キュ」
「ああ、あっちの子がいいんだ」
目的地の手前でファイを先行させる。
少し待っていたら、2匹で戻ってきた。
「野生状態で意思は通じるのかな?」
「キュイ」
「今、同期するそうです」
「同期って?」
「覚えた事なんかを、共有できるみたいですね」
幻想的な光景だった。
2匹が明滅を繰り返し、らせん状に重なり、やがて元に戻る。
「えっと、僕がやっても仕方ないので、どちらか魔力を供給して意識をつないでください」
「では、私がやろう」
オレンジ色……コアさんかな……が前足で触れる。
「ほう、本当に会話ができるな。
人間に害意はないのか。
……ここに住むだけでいいんだ。
なるほど、武器を持った人間は怖い……
同行するのは良いが、仲間の安全を確保してほしい……か。
よかろう、お前が戻るまで、このフロアは閉鎖する。
ああ、いいぞ。私は休憩所で待っている」
「スフィ、このフロアに3パーティーいるから、事情を話して退去してもらおう」
「了解した。
タケル、背中に乗れ。
この姿で突然現れてもモンスター扱いされるだけだし、装備なしの裸で出たら変態扱いされる。
おまえが同行して説明しろ」
「説明は休憩所ですればいいだろう。とりあえず休憩所に引き上げてもらうよう説得してくれればいい」
3パーティーは、とりあえず話を聞くという事で、休憩所に戻ってくれた。
「討伐中のところ、まことに申し訳ございません。
MRS所属のモンスターレッドリスト調査班長のレオと申します」
MRSと明かされた事で、一瞬ざわつく。
「実は、おそらく皆さんの目的であるスターサファイアですが、本日テイムに成功した者がおります」
「てっ、あのレアモンをテイムしただと!」
「そうです。それも、前回討伐に成功した、こちらのタケル氏による偉業です」
タケルって、ガキじゃねえか、何であいつだけ……
「皆さんも、不審に思われるでしょう。ところが、彼には我ら精霊を上回る探知能力がありました」
「いや、いきなりそれを信じろと言われても無理ですよ」
「ところが、彼にはこのフロアにあと6匹のスターファイアが生存している事が分かっており、先ほど私の仲間が同行して接触に成功しました」
「本当に6匹もいるのか?」
「私に、その真偽を問われても、お答えしようもありませんが、その交渉により彼らが人間に怯えずにここで暮らしたいと望んでいることが判明いたしました」
「えっ、交渉って……」 「まさか……」
「そうです。彼らは知生体であり、精霊となる可能性を持っています。
よって、私はMRS代表の代行権限を行使し、当フロアの閉鎖を行います」
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