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第二章 養成所
チーターの話
しおりを挟む「精霊の……いや、精霊に近い状態まで行けるなら……
そうか、チーターだ!」
「「「えっ?」」」
「いや、それだけじゃない、猛獣との共存もできるのか!
絶滅寸前の動物を……救える?
ああ、そうか、誰かが……そうやって、救ったのか!」
「理解できたみたいですね」
「ああ、ああ……すげえよ」
「泣かないで下さいよ」
「だっ、だってよ……
モンスターテイムって……スライムをペットにしてどうすんだって思ってた……」
「まあ、それはそれで面白いんですけどね」
「……チーター……のこと、知ってる……の?」
「ああ、……チーターは、何千年か前に、絶滅寸前まで、減少した。
残ったわずかな個体が、近親で繁殖した結果、遺伝子異常を引き起こした。
人間が関与して、血の縁が遠い個体と繁殖させてやらないと、絶滅するのは目に見えていた。
かと言って、野生の個体を人間の中に置くと、繁殖しなくなってしまうことが分かった。
チーターは、人間に慣れる、珍しい大型ネコ科だ。
それを、テイムして……繁殖させた……とんでもない奴が……いたんですね」
「素晴らしいです。
100点差し上げますね。
ヒメちゃんまで泣かないで下さいよ」
「だって……今まで、誰かに話しても……わかってもらえなくて……」
「そうですよね。
でも、大丈夫。今の話で、半分くらいは理解してくれたみたいよ。
さあ、話を戻しましょう。
Bの動物型モンスターには、自然発生型と、人の手によってモンスター化されたものとがいます。
B1,動物型モンスター(自然発生型)
B2,動物型モンスター(人工発生型)
今、タケル君が言ったように、それは目的をもって創られます。
種族の維持であったり、人間との共存ですね。
でも、中にはそれをこころよく思わない人たちもいます。
神への冒涜とか、人間が至上だと考える人たちです。
中には、ゴーレムを排斥しようと呼びかける人たちもいます」
「先生、ゴーレムはとんでもなく強いって聞いたんですが、そんな人達は退治しちゃえば良いじゃないですか」
「うふふっ、退治ですか」
「先生、セリフと顔があってないです。
悪い顔してますよ」
「今、一般的に提供されているすべてのゴーレムは、サーバーというもので、1000年前から情報を共有しています」
「1000年前から・・・ですか?」
「はい。そのベースは、モア様という偉大な魔功技師が作り、ほとんど変わっていません。
変わったのは、マトリクスが増えた事くらいでしょうか。
当初から、絶対的な約束事があり、それが破られる事はありません。
人を傷つけない。人を殺さないです」
「嘘だ!」
俺は、レモンちゃんに人差し指を突き付けた。
意図したわけではない、人差し指は弾力のあるところをポヨンと押してしまった。
その瞬間、俺の人差し指はあり得ない方向に曲がった……
「い……痛いです……」
「勘違いしないでくださいね。お仕置きと、傷つけることは違いますからね」
「い……今のは、事故です……」
「注意しましょうね。先生も事故で生徒を失いたくないですから」
コクコクと頷くしかなかった。
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