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第一章

冒険者になるんだ

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シラン姉さんによる冒険者としての初期教育が続く。

「ステータスって頭の中で唱えると、視界の左上に赤いアイコンが表示されるでしょ。
そこに意識を集中してみて」

「わっ、なんか出た!」

「それがあなたのステータスよ」

実は、この3日間くらいで、ナビのマリアからレクチャーを受けていた。
俺のステータス画面は複数の窓が存在する。
本当のステータス画面と、偽装ステータス画面、他人やモンスターのステータス画面などがある。

「分からない項目があったら、そこに意識を集中すれば詳細が表示されるわ」

これも、俺の場合はマリアが解説してくれる。

「次にパーティーの組み方ね。
パーティーを組むには、相手の体に触って、パーティーアイコンを意識するの。
意識するのは、ふつうポイントって表現するわ」

シラン姉さんが俺の手を取ると、メインのステータス画面右上にPの文字が青いアイコンで現れた。

「アイコンが点滅している時は、パーティーに誘われているって事。
点滅している時に、アイコンをポイントすれば同意とみなされてパーティーが組まれるわ。
そうすると、アイコンは赤に変わるわ」

「パーティーのメリットは?」

「回復系や補助系のメンバーにも、同じように経験値が入るわ」

『それと、こうやってクチにしなくても会話ができるわ』

『へえ、便利だね』

「じゃあ、これからモンスター討伐の実地訓練に行くわよ」

「えっ、待ってよ。ジョブとジョブスキルのセットをやらないと」

「ジョブの表示出てるの?」

「うん。白戦士と白狩人が出てる。」

「へえ。討伐もしていないのにジョブが表示されるって珍しいわね。
ポイントすればアクティブになるわよ」

「わかった」

「まさか、ジョブスキルも出てるの?」

「ないみたい」

「じゃあ、どっちかをセットしなさい。
それから、ジョブを切り替えると装備は空白状態だから注意しなさいよ」

「えっ、どういうこと?」

「ジョブ毎に、収納空間がある感じかな。
だから、一度セットすれば大丈夫だし、初めてセットするジョブは今の状態で保管されるの。
逆に、初めて切り替えるときは、スッポンポンよ」

「それって、ハプニングポロリとかいうやつ?」

「どこで覚えたの、そんな言葉。
でも、そのとおりよ。
…もう、一緒にお風呂入るのやめたほうがいいのかな…」

「そ、そんなの寂しいよ。
お姉ちゃんの肌、白くってとっても綺麗だから…」

ゴキン!拳骨で殴られた。

「人前で変なこと言わないでよね」

「分かった」
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