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第一章
第4話 覚醒
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私はアイリスに教わりながら魔法陣を書いていきます。
「中央には特性。今回は火を書いてみようか。」
アイリスにもメモ帳とボールペンを渡して、書かれた文字と記号を真似していきます。
「周りには形状や大きさ、発現の方法をできるだけ詳しく書いていくの。」
「それって、目からビームとかできるんですか?」
「目から出すことも可能だけど、目の前に火の玉とか出ちゃったら自分が怖いんじゃないの?」
「そ、そうですね……。」
「ふつうは、右手の人差し指の先とか、右手の掌とかを指定するわ。左右どちらかを決めておかないと自爆しちゃったらイヤでしょ。」
「なるほど。だったら、オッパイなら前を向いていていいかも知れませんね。」
「そりゃあね、アンタのは常に前向きだからいいけど、私のは横向いてる時もあるからムリね。」
「あ、あう……。」
「それに、服が焼けちゃったら丸見えになっちゃうわよ。まあ、私は別に見られてもいいけどさ。」
「み、見られたくない……です。」
オッパイビームも断念です。
「書けるスペースが残っていたら、威力とか範囲とか距離を書いてやればいいわ。この筆なら、いくらでも細かく書けそうよね。」
「はい、師匠!」
「それから、試し打ちをする時は、必ず外でやること。できれば町の外がいいわね。家が燃えちゃったら困るでしょ。」
「あははっ、町が消し飛んじゃったりして……。」
「……それに近い事故が起きたこともあるの。」
「まっ、マジですか!」
私たちは町の外に出ました。
「今回は、右手人差し指の先から出すので、まずは右手の人差し指を対象に向ける。」
私はアイリスさんの真似をして、ピストル状にした右手を前方の木に向けた。
「次に、書いた魔法円の外周に左手の親指をあてて魔力を流すんだけど、特に意識する必要はないの。魔法円が勝手に魔力を吸っていくから。」
「うっ、私に魔力なんてあるのかな……。」
「まあ、胸の大きさに比例するって説もあるからね。だから男の魔法使いっていないし。」
「むう……。」
アイリスが魔法円を発動すると、右手の指先から30センチほどの火の玉が発射され、木の表面を焦がした。
「練習だから威力を抑えて書いたけど、本番ならこの程度の木は吹き飛ばせるわよ。」
「はい!私もやってみます。」
私は気合を入れて叫んだ。
「ファイヤー!」
軽く何かを奪われた感じがして、指先から火の玉が飛んでいきます。……ヒョロヒョロと……。
「魔法円を書いた人が文字や記号の意味を理解していないと、こういうふうに効果が小さくなっちゃうのよ。」
「うっ……。」
「だから、優れた魔道具師は、自分だけ理解している文字や記号を多用するの。」
「自分だけの文字……。」
「そう。そんな魔道具師の中でも飛びぬけた才能をもった人は”マギ・デザイナー”と呼ばれているわ。」
「マギ……デザイナー……、カッコイイです!」
「じゃ、あんたの文字で書いた方をやってみよっか。」
「じゃ、いきます!」
ギュイン ドン!ドン!ドン!ドン!
「わっ!」
驚いた私は魔法陣から指を離した。
「な……なんですかこれ……。」
「優れたマギ・デザイナーの中でも、ごくわずかなトップの人が作る魔法円……魔法陣は、発動する時に魔法陣自体が具現化するって聞くわ……。」
「それが、さっき指先で見えた青緑色の魔法陣……ですか?」
「多分……そうだと思う。」
「でも、いきなり4発出ましたけど……。」
「発動が早いんじゃないかな。」
「当たった部分が爆発しましたけど……。」
「……それだけ、威力があるってこと……かな……。」
「どうしましょうか……。」
「火事にならなくてよかったわ……。」
「そうですね……。」
【あとがき】
なんか、それっぽくなってきました……。
「中央には特性。今回は火を書いてみようか。」
アイリスにもメモ帳とボールペンを渡して、書かれた文字と記号を真似していきます。
「周りには形状や大きさ、発現の方法をできるだけ詳しく書いていくの。」
「それって、目からビームとかできるんですか?」
「目から出すことも可能だけど、目の前に火の玉とか出ちゃったら自分が怖いんじゃないの?」
「そ、そうですね……。」
「ふつうは、右手の人差し指の先とか、右手の掌とかを指定するわ。左右どちらかを決めておかないと自爆しちゃったらイヤでしょ。」
「なるほど。だったら、オッパイなら前を向いていていいかも知れませんね。」
「そりゃあね、アンタのは常に前向きだからいいけど、私のは横向いてる時もあるからムリね。」
「あ、あう……。」
「それに、服が焼けちゃったら丸見えになっちゃうわよ。まあ、私は別に見られてもいいけどさ。」
「み、見られたくない……です。」
オッパイビームも断念です。
「書けるスペースが残っていたら、威力とか範囲とか距離を書いてやればいいわ。この筆なら、いくらでも細かく書けそうよね。」
「はい、師匠!」
「それから、試し打ちをする時は、必ず外でやること。できれば町の外がいいわね。家が燃えちゃったら困るでしょ。」
「あははっ、町が消し飛んじゃったりして……。」
「……それに近い事故が起きたこともあるの。」
「まっ、マジですか!」
私たちは町の外に出ました。
「今回は、右手人差し指の先から出すので、まずは右手の人差し指を対象に向ける。」
私はアイリスさんの真似をして、ピストル状にした右手を前方の木に向けた。
「次に、書いた魔法円の外周に左手の親指をあてて魔力を流すんだけど、特に意識する必要はないの。魔法円が勝手に魔力を吸っていくから。」
「うっ、私に魔力なんてあるのかな……。」
「まあ、胸の大きさに比例するって説もあるからね。だから男の魔法使いっていないし。」
「むう……。」
アイリスが魔法円を発動すると、右手の指先から30センチほどの火の玉が発射され、木の表面を焦がした。
「練習だから威力を抑えて書いたけど、本番ならこの程度の木は吹き飛ばせるわよ。」
「はい!私もやってみます。」
私は気合を入れて叫んだ。
「ファイヤー!」
軽く何かを奪われた感じがして、指先から火の玉が飛んでいきます。……ヒョロヒョロと……。
「魔法円を書いた人が文字や記号の意味を理解していないと、こういうふうに効果が小さくなっちゃうのよ。」
「うっ……。」
「だから、優れた魔道具師は、自分だけ理解している文字や記号を多用するの。」
「自分だけの文字……。」
「そう。そんな魔道具師の中でも飛びぬけた才能をもった人は”マギ・デザイナー”と呼ばれているわ。」
「マギ……デザイナー……、カッコイイです!」
「じゃ、あんたの文字で書いた方をやってみよっか。」
「じゃ、いきます!」
ギュイン ドン!ドン!ドン!ドン!
「わっ!」
驚いた私は魔法陣から指を離した。
「な……なんですかこれ……。」
「優れたマギ・デザイナーの中でも、ごくわずかなトップの人が作る魔法円……魔法陣は、発動する時に魔法陣自体が具現化するって聞くわ……。」
「それが、さっき指先で見えた青緑色の魔法陣……ですか?」
「多分……そうだと思う。」
「でも、いきなり4発出ましたけど……。」
「発動が早いんじゃないかな。」
「当たった部分が爆発しましたけど……。」
「……それだけ、威力があるってこと……かな……。」
「どうしましょうか……。」
「火事にならなくてよかったわ……。」
「そうですね……。」
【あとがき】
なんか、それっぽくなってきました……。
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