4 / 24
第一章
第4話 覚醒
しおりを挟む
私はアイリスに教わりながら魔法陣を書いていきます。
「中央には特性。今回は火を書いてみようか。」
アイリスにもメモ帳とボールペンを渡して、書かれた文字と記号を真似していきます。
「周りには形状や大きさ、発現の方法をできるだけ詳しく書いていくの。」
「それって、目からビームとかできるんですか?」
「目から出すことも可能だけど、目の前に火の玉とか出ちゃったら自分が怖いんじゃないの?」
「そ、そうですね……。」
「ふつうは、右手の人差し指の先とか、右手の掌とかを指定するわ。左右どちらかを決めておかないと自爆しちゃったらイヤでしょ。」
「なるほど。だったら、オッパイなら前を向いていていいかも知れませんね。」
「そりゃあね、アンタのは常に前向きだからいいけど、私のは横向いてる時もあるからムリね。」
「あ、あう……。」
「それに、服が焼けちゃったら丸見えになっちゃうわよ。まあ、私は別に見られてもいいけどさ。」
「み、見られたくない……です。」
オッパイビームも断念です。
「書けるスペースが残っていたら、威力とか範囲とか距離を書いてやればいいわ。この筆なら、いくらでも細かく書けそうよね。」
「はい、師匠!」
「それから、試し打ちをする時は、必ず外でやること。できれば町の外がいいわね。家が燃えちゃったら困るでしょ。」
「あははっ、町が消し飛んじゃったりして……。」
「……それに近い事故が起きたこともあるの。」
「まっ、マジですか!」
私たちは町の外に出ました。
「今回は、右手人差し指の先から出すので、まずは右手の人差し指を対象に向ける。」
私はアイリスさんの真似をして、ピストル状にした右手を前方の木に向けた。
「次に、書いた魔法円の外周に左手の親指をあてて魔力を流すんだけど、特に意識する必要はないの。魔法円が勝手に魔力を吸っていくから。」
「うっ、私に魔力なんてあるのかな……。」
「まあ、胸の大きさに比例するって説もあるからね。だから男の魔法使いっていないし。」
「むう……。」
アイリスが魔法円を発動すると、右手の指先から30センチほどの火の玉が発射され、木の表面を焦がした。
「練習だから威力を抑えて書いたけど、本番ならこの程度の木は吹き飛ばせるわよ。」
「はい!私もやってみます。」
私は気合を入れて叫んだ。
「ファイヤー!」
軽く何かを奪われた感じがして、指先から火の玉が飛んでいきます。……ヒョロヒョロと……。
「魔法円を書いた人が文字や記号の意味を理解していないと、こういうふうに効果が小さくなっちゃうのよ。」
「うっ……。」
「だから、優れた魔道具師は、自分だけ理解している文字や記号を多用するの。」
「自分だけの文字……。」
「そう。そんな魔道具師の中でも飛びぬけた才能をもった人は”マギ・デザイナー”と呼ばれているわ。」
「マギ……デザイナー……、カッコイイです!」
「じゃ、あんたの文字で書いた方をやってみよっか。」
「じゃ、いきます!」
ギュイン ドン!ドン!ドン!ドン!
「わっ!」
驚いた私は魔法陣から指を離した。
「な……なんですかこれ……。」
「優れたマギ・デザイナーの中でも、ごくわずかなトップの人が作る魔法円……魔法陣は、発動する時に魔法陣自体が具現化するって聞くわ……。」
「それが、さっき指先で見えた青緑色の魔法陣……ですか?」
「多分……そうだと思う。」
「でも、いきなり4発出ましたけど……。」
「発動が早いんじゃないかな。」
「当たった部分が爆発しましたけど……。」
「……それだけ、威力があるってこと……かな……。」
「どうしましょうか……。」
「火事にならなくてよかったわ……。」
「そうですね……。」
【あとがき】
なんか、それっぽくなってきました……。
「中央には特性。今回は火を書いてみようか。」
アイリスにもメモ帳とボールペンを渡して、書かれた文字と記号を真似していきます。
「周りには形状や大きさ、発現の方法をできるだけ詳しく書いていくの。」
「それって、目からビームとかできるんですか?」
「目から出すことも可能だけど、目の前に火の玉とか出ちゃったら自分が怖いんじゃないの?」
「そ、そうですね……。」
「ふつうは、右手の人差し指の先とか、右手の掌とかを指定するわ。左右どちらかを決めておかないと自爆しちゃったらイヤでしょ。」
「なるほど。だったら、オッパイなら前を向いていていいかも知れませんね。」
「そりゃあね、アンタのは常に前向きだからいいけど、私のは横向いてる時もあるからムリね。」
「あ、あう……。」
「それに、服が焼けちゃったら丸見えになっちゃうわよ。まあ、私は別に見られてもいいけどさ。」
「み、見られたくない……です。」
オッパイビームも断念です。
「書けるスペースが残っていたら、威力とか範囲とか距離を書いてやればいいわ。この筆なら、いくらでも細かく書けそうよね。」
「はい、師匠!」
「それから、試し打ちをする時は、必ず外でやること。できれば町の外がいいわね。家が燃えちゃったら困るでしょ。」
「あははっ、町が消し飛んじゃったりして……。」
「……それに近い事故が起きたこともあるの。」
「まっ、マジですか!」
私たちは町の外に出ました。
「今回は、右手人差し指の先から出すので、まずは右手の人差し指を対象に向ける。」
私はアイリスさんの真似をして、ピストル状にした右手を前方の木に向けた。
「次に、書いた魔法円の外周に左手の親指をあてて魔力を流すんだけど、特に意識する必要はないの。魔法円が勝手に魔力を吸っていくから。」
「うっ、私に魔力なんてあるのかな……。」
「まあ、胸の大きさに比例するって説もあるからね。だから男の魔法使いっていないし。」
「むう……。」
アイリスが魔法円を発動すると、右手の指先から30センチほどの火の玉が発射され、木の表面を焦がした。
「練習だから威力を抑えて書いたけど、本番ならこの程度の木は吹き飛ばせるわよ。」
「はい!私もやってみます。」
私は気合を入れて叫んだ。
「ファイヤー!」
軽く何かを奪われた感じがして、指先から火の玉が飛んでいきます。……ヒョロヒョロと……。
「魔法円を書いた人が文字や記号の意味を理解していないと、こういうふうに効果が小さくなっちゃうのよ。」
「うっ……。」
「だから、優れた魔道具師は、自分だけ理解している文字や記号を多用するの。」
「自分だけの文字……。」
「そう。そんな魔道具師の中でも飛びぬけた才能をもった人は”マギ・デザイナー”と呼ばれているわ。」
「マギ……デザイナー……、カッコイイです!」
「じゃ、あんたの文字で書いた方をやってみよっか。」
「じゃ、いきます!」
ギュイン ドン!ドン!ドン!ドン!
「わっ!」
驚いた私は魔法陣から指を離した。
「な……なんですかこれ……。」
「優れたマギ・デザイナーの中でも、ごくわずかなトップの人が作る魔法円……魔法陣は、発動する時に魔法陣自体が具現化するって聞くわ……。」
「それが、さっき指先で見えた青緑色の魔法陣……ですか?」
「多分……そうだと思う。」
「でも、いきなり4発出ましたけど……。」
「発動が早いんじゃないかな。」
「当たった部分が爆発しましたけど……。」
「……それだけ、威力があるってこと……かな……。」
「どうしましょうか……。」
「火事にならなくてよかったわ……。」
「そうですね……。」
【あとがき】
なんか、それっぽくなってきました……。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~
みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】
事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。
神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。
作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。
「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。
※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。

異世界へ五人の落ち人~聖女候補とされてしまいます~
かずきりり
ファンタジー
望んで異世界へと来たわけではない。
望んで召喚などしたわけでもない。
ただ、落ちただけ。
異世界から落ちて来た落ち人。
それは人知を超えた神力を体内に宿し、神からの「贈り人」とされる。
望まれていないけれど、偶々手に入る力を国は欲する。
だからこそ、より強い力を持つ者に聖女という称号を渡すわけだけれど……
中に男が混じっている!?
帰りたいと、それだけを望む者も居る。
護衛騎士という名の監視もつけられて……
でも、私はもう大切な人は作らない。
どうせ、無くしてしまうのだから。
異世界に落ちた五人。
五人が五人共、色々な思わくもあり……
だけれど、私はただ流れに流され……
ひっそり静かに生きていきたい 神様に同情されて異世界へ。頼みの綱はアイテムボックス
於田縫紀
ファンタジー
雨宿りで立ち寄った神社の神様に境遇を同情され、私は異世界へと転移。
場所は山の中で周囲に村等の気配はない。あるのは木と草と崖、土と空気だけ。でもこれでいい。私は他人が怖いから。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる