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第8章 天界編
地獄の100丁目 衝撃の天界②
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――やってしまった。
やってしまった、が、やってしまったものは仕方ない。足元で白目をむいているこの男の事は一旦おいておこう。そして、非常に気が進まないが悲鳴の元へ急ごう。正直、こうなってしまった以上は生きてようが死んでようがどっちだっていいが中で死なれるのは寝覚めが悪い。まだ生きてるのなら助けてやろう。
俺は最悪な咆哮の方向へ駈け出した。本当の本当に最悪なのは、曇天とかいうしょうもない組織の末端の生死などではない。竜の母子の健康状態だ。これ次第ではこの組織はおろか、俺達まで竜王の逆鱗に触れる。文字通り逆鱗だ。俺とデボラの首じゃ済まないだろう。
「ひぃっ、ひぃぃぃぃぃ、たす、助けてぇぇぇぇ」
曇天の隊員は生きていた。竜からどうにか逃げてきたご様子だ。あの鋭い鉤爪によるものだろうか。男の背中に極太の引っ掻かき傷――いや、切り裂かれたような傷が三本キレイに並んでいた。重傷だが、今から応急処置を行えば助かるだろう。
「何をした?」
その応急処置を行えば助かりそうな隊員は震え、怯えながら訳の分からない弁解を始めた。
「こ、この施設で危険な生き物が飼育されていないか調査しただけだ! 頼む! 助けてくれぇ」
「近づくなと、警告はしてあったよな?」
「て、徹底的に洗えと、う、上からの命令で……」
「で、何をした?」
「りゅ、竜の腹を触った……! 本当にそれだけ! たったそれだけで……」
応急処置を行えば、助かりそうな隊員。に、応急処置をするべきか、報復措置を取るべきか、迷った。そして、どうやら話はこれまでの様だ。
「キーチローぉぉぉぉっ、そやつの首を寄越せぇぇぇぇ!!」
竜王の孫とその旦那が同時に目の前に降り立った。
「私の! 私のお腹に触った!!」
正直、足元のやつの首ぐらいなら刎ねて差し出したい気持ちだが……。
「申し訳ありません。再三注意したのですが、このような事態を引き起こした責任はこちらにもあります。どうか、どうかこの場は収めていただけませんでしょうか」
「ぐるぅぅぅぅぅぅぅ、ここは安全な場所だと聞いていたからこそ妻の出産の場所に選んだのだぞ!!」
「申し訳ありません。天界からの査察の一団がここまで愚かだとは……」
刹那、竜王の孫に切りかかろうとしたクロードを寸前で蹴り飛ばした。
「どけ! 犯罪者! 我々に手を出した者がどうなるかわからせてやる!!」
「一言一句違わずそのままこっちのセリフだ! 馬鹿野郎!!」
続けざま、ニムバスも駆け付けた。さすがにいきなり切りかかるようなことは無かったが、こいつもいつ手出ししてくるかわからない。
「キーチロー! 竜の夫妻は無事か!?」
デボラも遅れて駆け付ける。
「大層お怒りだ! おい! 隊長さん! そこの隊員はすぐに治療すれば助かる! さっさと連れて行け!!」
「首をよこせぇぇぇぇぇ!!」
「早く!!!」
俺の叫びに呼応して、クロードに連れて行けと命じるニムバス。
「竜よ。今回の件の責任者はこの三人です」
「では、そこの男、首を置いていけ!」
「断る。たかが隊員一名の命や、まして竜一匹の命とは替えられん首だ」
よし分かった。こいつはこの場で消そう。
「待て! ニムバス! 貴様それでも責任者か!!」
「このような危険な生物を飼育し、繁殖しているとは天界への重大な挑発である!!」
「馬鹿な!! 貴様は地獄がどういうところかわかっておらんのか!? 花畑に囲まれた温かい池に罪人を沈めているとでも思っているのか!!」
「この施設は今より天界の使者、曇天が管理下に置く!」
目的は分かった。仮初めの理由も。ならばこちらは対抗するしかない。と俺が思うよりも早くデボラはニムバスに殴りかかっていた。
「ならば曇天、覚悟を決めよ! 地獄の魔王、デボラ=ディアボロスが排除する!」
「正体を現したな! 特殊案件処理部隊、曇天! 貴様らを捕縛する!」
正体を現したのはどっちなんだか。俺はとにかく竜王の孫が被害を受けないよう細心の注意を以って行動を観察していた。
「おい、デボラよ。我々を無視するな!」
「お主は妻を守れ。今はそれ以外考えるな」
「なんだと?」
旦那の怒りの矛先がデボラにも伝染する。だが、デボラは一歩も引かない。
「解ってくれ」
デボラからも凄まじい怒気と魔力が放出され、台風のように風が巻き起こる。
「キーチロー、夫妻を守っていてくれ。よいな?」
「了解」
ただし、俺の優先順位はデボラが一番上だ。竜王夫妻とその子供ももちろん大事だが、それ以上はない。
「さて、ドラメレクとその一派を軽く抑えた我々にお前は敵うと思うか?」
「何も、闘うだけが能力ではないさ。例えば」
デボラが手のひらを押し上げるように掲げると、土の壁がニムバスを覆っていく。
「こんなもので!」
ニムバスは土を砕くが、砕いた土がさらにニムバスを覆う。土遊びをしているニムバスに俺も少々遊び心で足に草の根を絡ませた。
「小賢しい! 集合だ! 曇天! 集合せよ!」
「アル、キャラウェイ殿とカブタン、ダママ、ヴォルをここに」
『畏まりました、デボラ様』
ほぼ総力戦になりそうだが、コレはもう腹を括った方が良いな。
「デボラ、雑魚は俺がまとめて片付ける。コイツでな!!」
俺はもはや相棒とも呼べるムシ網とムシカゴを召還し、槍のようにクルクル回すとニムバスに向けて威嚇した。
「ふざけているのか?」
「ふざけてなんかいるもんか。こいつと共に地獄での苦難は大抵乗り切ってきたんだ」
まあ、傍から見たらふざけているようにしか見えないだろうが。そうこうしているうちに曇天の隊員達が集まってきた。男女総勢二十名ってところか。まぁ、数も質量もこの網とカゴの前には無意味。せいぜいこの性能に驚くがいい!
「オラッ! 曇天の皆さん! 名もなきモブはご帰宅の時間ですよ!」
挑発に乗った隊員は五人。これだと性能がバレてからが戦い辛そうなので普通に肉弾戦。棒術の要領で振り回し、柄の部分で鳩尾を突く。頭を殴る。薙ぎ払う。飛び掛かってきた五人には元の位置にお戻りいただき、なるべく大人数を釣るよう挑発する。
「天界で何の修行をしてきたのやら。まとめてかかってこい!」
今度は十人飛び掛かってくる。今度こそ……と思ったが、三人が竜の下へ向かったのでそちらを対処。個々の能力もさることながら安い挑発には乗ってこないし、動きは統率されているしで、非常にやりにくい。
「キーチロー、我等は自らの周りの埃ぐらい自分ではらえるぞ!!」
そう言うと竜の旦那は隊員たちに向かって口から火球を放った。すんでのところで躱す隊員達だったが服の一部が焦げてボロボロになっている。
「あの、できれば殺し合いとかは見たくないので、できれば任せてもらえませんか」
「我等はただ掃除をするだけだ。手向かう者には容赦せん」
早めに片付けないとマズイ。事後処理の為にも双方の被害を最低限にしないとそれこそ危険施設の汚名は避けられない。
「という事ですが、我々は清掃員も兼ねてるんでね」
ゆっくりと竜夫妻の前に移動し、デボラとニムバスを巻き込まない位置に調整する。
「今だ!!」
俺は巨大化させたムシ網を横薙ぎし、隊員のほとんどをムシカゴに収めることに成功した。
やってしまった、が、やってしまったものは仕方ない。足元で白目をむいているこの男の事は一旦おいておこう。そして、非常に気が進まないが悲鳴の元へ急ごう。正直、こうなってしまった以上は生きてようが死んでようがどっちだっていいが中で死なれるのは寝覚めが悪い。まだ生きてるのなら助けてやろう。
俺は最悪な咆哮の方向へ駈け出した。本当の本当に最悪なのは、曇天とかいうしょうもない組織の末端の生死などではない。竜の母子の健康状態だ。これ次第ではこの組織はおろか、俺達まで竜王の逆鱗に触れる。文字通り逆鱗だ。俺とデボラの首じゃ済まないだろう。
「ひぃっ、ひぃぃぃぃぃ、たす、助けてぇぇぇぇ」
曇天の隊員は生きていた。竜からどうにか逃げてきたご様子だ。あの鋭い鉤爪によるものだろうか。男の背中に極太の引っ掻かき傷――いや、切り裂かれたような傷が三本キレイに並んでいた。重傷だが、今から応急処置を行えば助かるだろう。
「何をした?」
その応急処置を行えば助かりそうな隊員は震え、怯えながら訳の分からない弁解を始めた。
「こ、この施設で危険な生き物が飼育されていないか調査しただけだ! 頼む! 助けてくれぇ」
「近づくなと、警告はしてあったよな?」
「て、徹底的に洗えと、う、上からの命令で……」
「で、何をした?」
「りゅ、竜の腹を触った……! 本当にそれだけ! たったそれだけで……」
応急処置を行えば、助かりそうな隊員。に、応急処置をするべきか、報復措置を取るべきか、迷った。そして、どうやら話はこれまでの様だ。
「キーチローぉぉぉぉっ、そやつの首を寄越せぇぇぇぇ!!」
竜王の孫とその旦那が同時に目の前に降り立った。
「私の! 私のお腹に触った!!」
正直、足元のやつの首ぐらいなら刎ねて差し出したい気持ちだが……。
「申し訳ありません。再三注意したのですが、このような事態を引き起こした責任はこちらにもあります。どうか、どうかこの場は収めていただけませんでしょうか」
「ぐるぅぅぅぅぅぅぅ、ここは安全な場所だと聞いていたからこそ妻の出産の場所に選んだのだぞ!!」
「申し訳ありません。天界からの査察の一団がここまで愚かだとは……」
刹那、竜王の孫に切りかかろうとしたクロードを寸前で蹴り飛ばした。
「どけ! 犯罪者! 我々に手を出した者がどうなるかわからせてやる!!」
「一言一句違わずそのままこっちのセリフだ! 馬鹿野郎!!」
続けざま、ニムバスも駆け付けた。さすがにいきなり切りかかるようなことは無かったが、こいつもいつ手出ししてくるかわからない。
「キーチロー! 竜の夫妻は無事か!?」
デボラも遅れて駆け付ける。
「大層お怒りだ! おい! 隊長さん! そこの隊員はすぐに治療すれば助かる! さっさと連れて行け!!」
「首をよこせぇぇぇぇぇ!!」
「早く!!!」
俺の叫びに呼応して、クロードに連れて行けと命じるニムバス。
「竜よ。今回の件の責任者はこの三人です」
「では、そこの男、首を置いていけ!」
「断る。たかが隊員一名の命や、まして竜一匹の命とは替えられん首だ」
よし分かった。こいつはこの場で消そう。
「待て! ニムバス! 貴様それでも責任者か!!」
「このような危険な生物を飼育し、繁殖しているとは天界への重大な挑発である!!」
「馬鹿な!! 貴様は地獄がどういうところかわかっておらんのか!? 花畑に囲まれた温かい池に罪人を沈めているとでも思っているのか!!」
「この施設は今より天界の使者、曇天が管理下に置く!」
目的は分かった。仮初めの理由も。ならばこちらは対抗するしかない。と俺が思うよりも早くデボラはニムバスに殴りかかっていた。
「ならば曇天、覚悟を決めよ! 地獄の魔王、デボラ=ディアボロスが排除する!」
「正体を現したな! 特殊案件処理部隊、曇天! 貴様らを捕縛する!」
正体を現したのはどっちなんだか。俺はとにかく竜王の孫が被害を受けないよう細心の注意を以って行動を観察していた。
「おい、デボラよ。我々を無視するな!」
「お主は妻を守れ。今はそれ以外考えるな」
「なんだと?」
旦那の怒りの矛先がデボラにも伝染する。だが、デボラは一歩も引かない。
「解ってくれ」
デボラからも凄まじい怒気と魔力が放出され、台風のように風が巻き起こる。
「キーチロー、夫妻を守っていてくれ。よいな?」
「了解」
ただし、俺の優先順位はデボラが一番上だ。竜王夫妻とその子供ももちろん大事だが、それ以上はない。
「さて、ドラメレクとその一派を軽く抑えた我々にお前は敵うと思うか?」
「何も、闘うだけが能力ではないさ。例えば」
デボラが手のひらを押し上げるように掲げると、土の壁がニムバスを覆っていく。
「こんなもので!」
ニムバスは土を砕くが、砕いた土がさらにニムバスを覆う。土遊びをしているニムバスに俺も少々遊び心で足に草の根を絡ませた。
「小賢しい! 集合だ! 曇天! 集合せよ!」
「アル、キャラウェイ殿とカブタン、ダママ、ヴォルをここに」
『畏まりました、デボラ様』
ほぼ総力戦になりそうだが、コレはもう腹を括った方が良いな。
「デボラ、雑魚は俺がまとめて片付ける。コイツでな!!」
俺はもはや相棒とも呼べるムシ網とムシカゴを召還し、槍のようにクルクル回すとニムバスに向けて威嚇した。
「ふざけているのか?」
「ふざけてなんかいるもんか。こいつと共に地獄での苦難は大抵乗り切ってきたんだ」
まあ、傍から見たらふざけているようにしか見えないだろうが。そうこうしているうちに曇天の隊員達が集まってきた。男女総勢二十名ってところか。まぁ、数も質量もこの網とカゴの前には無意味。せいぜいこの性能に驚くがいい!
「オラッ! 曇天の皆さん! 名もなきモブはご帰宅の時間ですよ!」
挑発に乗った隊員は五人。これだと性能がバレてからが戦い辛そうなので普通に肉弾戦。棒術の要領で振り回し、柄の部分で鳩尾を突く。頭を殴る。薙ぎ払う。飛び掛かってきた五人には元の位置にお戻りいただき、なるべく大人数を釣るよう挑発する。
「天界で何の修行をしてきたのやら。まとめてかかってこい!」
今度は十人飛び掛かってくる。今度こそ……と思ったが、三人が竜の下へ向かったのでそちらを対処。個々の能力もさることながら安い挑発には乗ってこないし、動きは統率されているしで、非常にやりにくい。
「キーチロー、我等は自らの周りの埃ぐらい自分ではらえるぞ!!」
そう言うと竜の旦那は隊員たちに向かって口から火球を放った。すんでのところで躱す隊員達だったが服の一部が焦げてボロボロになっている。
「あの、できれば殺し合いとかは見たくないので、できれば任せてもらえませんか」
「我等はただ掃除をするだけだ。手向かう者には容赦せん」
早めに片付けないとマズイ。事後処理の為にも双方の被害を最低限にしないとそれこそ危険施設の汚名は避けられない。
「という事ですが、我々は清掃員も兼ねてるんでね」
ゆっくりと竜夫妻の前に移動し、デボラとニムバスを巻き込まない位置に調整する。
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