103 / 125
第8章 天界編
地獄の96丁目 驚きの天界①
しおりを挟む
翌朝、会社は有休を取った。自分の体の事を思うと不用意に参加しない方がいいのかとも考えたが、隠し立てしたところで、どうせ隠しきれることでもないし、そもそも復活に関しては天界も了承済みで行ったことだ。地獄の事業に参加している部分については多少弱いか。ともかく、敵対の意思は無いことを示していくのが大事なポイントだな。
時刻は8時58分。予定では9時から査察スタートとなっていたが、早めに集合して出迎える準備を整えた。天界と言えどもアルカディア・ボックスに直接入ることは出来ないので、一旦は俺の部屋に来てもらうことになった。ココでの出迎えは俺とデボラ。他の職員は中で整列済み。魔物たちは基本、自由行動だが、ダママはチラリと見た感じ、同じところをカクカクの動きで行ったり来たりしていた。無理もないが不自然だ。
そして、9時。長針と秒針が重なると同時に、曇天の隊長とその部下らしき人が現れた。
「今日の査察を担当する天界庶務部、特殊案件処理課、“曇天”のニムバスだ」
「……同じく、“曇天”のクロードです。宜しくお願いします」
「地獄の魔王、デボラ=ディアボロスである。宜しく頼む」
「時間がもったいない。今日の査察は30分。きっかり30分だ。では行こう」
やってきたのは男性二人組。先に名乗った人が隊長だろう。査察官というからかっちりしたスーツでのお堅い役人でも来るのかと思いきや、大変に動きやすそうな白の装束で内側には黒い帷子のようなものを着込んでいる。総じていえば色こそ白いものの忍者。より悪く印象付けるなら暗殺者とでも言おうか。先ほどの紹介にあった“処理”がそういう意味だと納得できる雰囲気。
ニムバスと名乗った隊長は頭を剃っているのか、お坊さんのようなツルツル頭。精悍な顔つきに太い眉、口の周りにはキッチリ手入れされた髭。無駄のない筋肉で、立ち居振る舞いからも相当な手練れだと推察できる。見た目には40代前半に見えるが、天界の加齢事情はよく分からないので適当な事は言わない。
クロードと名乗った方は、長髪を後ろで結わえていた。こちらも隙の無い動きだが、どうにもいやらしい。スケベそうな、という意味ではなく人を値踏みするような目つきにずっと片側だけ上がった口角。何やら心に一物ありそうで、第一印象は“嫌い”だ。人間でいえば30代に見える。
「では、この箱に向かって『中へ』と念じてください」
俺が案内すると、二人は箱庭へと吸い込まれていった。初めて人が箱庭に入るところを見たかもしれない。こんな風に飛んでいくんだ。
「我等も行こう、キーチロー」
「ああ」
俺達が中に入ると二人はすでに職員と言葉を交わしていた。曇天の二人はローズのセンサーには今のところ反応が無いようだ。さすがに弁えている……か?
「さて、残り25分しかないので、急がせてもらう。まずは中の広さを教えてくれ」
「5万バアルですわ。人間界の基準で北海道程の面積に相当します」
細かい説明はベルとローズが担当。
「5万か……。さすがに25分では回り切れんな」
「隊長、問題は生き物です。何やら強力な気配が2、3匹」
「ああ。ベルさん、でしたかな? 生き物、勝手に見させてもらうが宜しいか?」
「ええ、どうぞ。中の生き物は全て安全です」
「じゃあ、クロード、お前はあっちを頼む。俺はこっちの2匹を」
「御意」
返事をすると同時にクロードは音もなく駆け出していた。一応、俺はこのいけ好かない方を追う。こっちは確かカブタンの住処だ。
「ん? おや、私結構本気で走ったのですが。あなた何者です?」
マズイ。同行するつもりで付いていったが、早くも存在を訝しまれている。
「しょ、職員の一人です。この中を日夜走り回っておりまして。足腰には自信が」
「あの地獄の……いや、ここでそれはややこしいか。凶悪な鍛錬と同等の脚力を得るとは。どういう施設なのでしょう」
クロードはため息にも似た浅い息を吐いた。
「何の変哲もない繁殖施設ですよ。ハハハ」
「ほう、何の変哲もない施設の一般職員が特殊訓練を受けた天界の職員と。なにやら侮辱めいて聞こえますがまあ、いいでしょう」
相変わらず、人の事をじろじろと見てくる。それも決して愉快とは言えない目つきで。困った人だ。
「さて、問題の生物一匹目ですかな?」
クロードはカブタンを見つけると手をあごに添え、マジマジと観察している。
「ふーん、蜂の様だがキラービーとは別系統。地獄の生物なのに襲ってくる様子無し。この生物は何という種類ですか?」
「ヘルワームです」
「ん? もう一度お願いします」
「ヘルワームですね」
「私の知るヘルワームとは形状から何から全く違うのですが、本当にヘルワームで合ってますか?」
正直、全く別種の生き物ですと答えて終わりにしたいところだが、そうは問屋が卸さないんだろうな。
「特殊環境に適応するために少々形状が変質したようで」
「少々……ね」
マズイ。元々好意的ではなさそうな方がますます疑惑の目を向けている。隊長の方は大丈夫だろうか。ココは一旦本当のことを織り交ぜてみよう。
「クロードさんはつい先日まで魔王を名乗っていたドラメレクという男をご存じで?」
「ええ、まあ。うちの職員が捕らえました」
「あの男の配下とと遭遇した時に強いストレスを受けたようで、対抗策を得るべく、このような形に変態した模様です」
「確かに攻撃的なデザインですね。元の芋虫のような姿は跡形もない」
クロードはまたしてもあごに手を添え、何やら考え事をしている。
「……わかりました。とりあえず見たまま聞いたままを隊長に報告させてもらいます。判断は現時点で保留です」
よかった。今のところまともに応対してもらえている。変な言いがかりでもつけてくるかと思ったが意外な反応だ。
「では、戻りましょう」
クロードはまたしても音もなく来た道を戻りだした。どうしよう。簡単についていくとプライドを刺激するだろうか。
「キーチロー。一応喋らんかったけど大丈夫そうか?」
「ああ、多分。俺達の方でちゃんと説明するからカブタンは心配しないで」
「ほな、俺らはあっちでエサ食べてるわ。なんかあったら連絡してや」
「おっけー。んじゃ」
カブタンに手を振ると、俺はクロードを追いかけた。
時刻は8時58分。予定では9時から査察スタートとなっていたが、早めに集合して出迎える準備を整えた。天界と言えどもアルカディア・ボックスに直接入ることは出来ないので、一旦は俺の部屋に来てもらうことになった。ココでの出迎えは俺とデボラ。他の職員は中で整列済み。魔物たちは基本、自由行動だが、ダママはチラリと見た感じ、同じところをカクカクの動きで行ったり来たりしていた。無理もないが不自然だ。
そして、9時。長針と秒針が重なると同時に、曇天の隊長とその部下らしき人が現れた。
「今日の査察を担当する天界庶務部、特殊案件処理課、“曇天”のニムバスだ」
「……同じく、“曇天”のクロードです。宜しくお願いします」
「地獄の魔王、デボラ=ディアボロスである。宜しく頼む」
「時間がもったいない。今日の査察は30分。きっかり30分だ。では行こう」
やってきたのは男性二人組。先に名乗った人が隊長だろう。査察官というからかっちりしたスーツでのお堅い役人でも来るのかと思いきや、大変に動きやすそうな白の装束で内側には黒い帷子のようなものを着込んでいる。総じていえば色こそ白いものの忍者。より悪く印象付けるなら暗殺者とでも言おうか。先ほどの紹介にあった“処理”がそういう意味だと納得できる雰囲気。
ニムバスと名乗った隊長は頭を剃っているのか、お坊さんのようなツルツル頭。精悍な顔つきに太い眉、口の周りにはキッチリ手入れされた髭。無駄のない筋肉で、立ち居振る舞いからも相当な手練れだと推察できる。見た目には40代前半に見えるが、天界の加齢事情はよく分からないので適当な事は言わない。
クロードと名乗った方は、長髪を後ろで結わえていた。こちらも隙の無い動きだが、どうにもいやらしい。スケベそうな、という意味ではなく人を値踏みするような目つきにずっと片側だけ上がった口角。何やら心に一物ありそうで、第一印象は“嫌い”だ。人間でいえば30代に見える。
「では、この箱に向かって『中へ』と念じてください」
俺が案内すると、二人は箱庭へと吸い込まれていった。初めて人が箱庭に入るところを見たかもしれない。こんな風に飛んでいくんだ。
「我等も行こう、キーチロー」
「ああ」
俺達が中に入ると二人はすでに職員と言葉を交わしていた。曇天の二人はローズのセンサーには今のところ反応が無いようだ。さすがに弁えている……か?
「さて、残り25分しかないので、急がせてもらう。まずは中の広さを教えてくれ」
「5万バアルですわ。人間界の基準で北海道程の面積に相当します」
細かい説明はベルとローズが担当。
「5万か……。さすがに25分では回り切れんな」
「隊長、問題は生き物です。何やら強力な気配が2、3匹」
「ああ。ベルさん、でしたかな? 生き物、勝手に見させてもらうが宜しいか?」
「ええ、どうぞ。中の生き物は全て安全です」
「じゃあ、クロード、お前はあっちを頼む。俺はこっちの2匹を」
「御意」
返事をすると同時にクロードは音もなく駆け出していた。一応、俺はこのいけ好かない方を追う。こっちは確かカブタンの住処だ。
「ん? おや、私結構本気で走ったのですが。あなた何者です?」
マズイ。同行するつもりで付いていったが、早くも存在を訝しまれている。
「しょ、職員の一人です。この中を日夜走り回っておりまして。足腰には自信が」
「あの地獄の……いや、ここでそれはややこしいか。凶悪な鍛錬と同等の脚力を得るとは。どういう施設なのでしょう」
クロードはため息にも似た浅い息を吐いた。
「何の変哲もない繁殖施設ですよ。ハハハ」
「ほう、何の変哲もない施設の一般職員が特殊訓練を受けた天界の職員と。なにやら侮辱めいて聞こえますがまあ、いいでしょう」
相変わらず、人の事をじろじろと見てくる。それも決して愉快とは言えない目つきで。困った人だ。
「さて、問題の生物一匹目ですかな?」
クロードはカブタンを見つけると手をあごに添え、マジマジと観察している。
「ふーん、蜂の様だがキラービーとは別系統。地獄の生物なのに襲ってくる様子無し。この生物は何という種類ですか?」
「ヘルワームです」
「ん? もう一度お願いします」
「ヘルワームですね」
「私の知るヘルワームとは形状から何から全く違うのですが、本当にヘルワームで合ってますか?」
正直、全く別種の生き物ですと答えて終わりにしたいところだが、そうは問屋が卸さないんだろうな。
「特殊環境に適応するために少々形状が変質したようで」
「少々……ね」
マズイ。元々好意的ではなさそうな方がますます疑惑の目を向けている。隊長の方は大丈夫だろうか。ココは一旦本当のことを織り交ぜてみよう。
「クロードさんはつい先日まで魔王を名乗っていたドラメレクという男をご存じで?」
「ええ、まあ。うちの職員が捕らえました」
「あの男の配下とと遭遇した時に強いストレスを受けたようで、対抗策を得るべく、このような形に変態した模様です」
「確かに攻撃的なデザインですね。元の芋虫のような姿は跡形もない」
クロードはまたしてもあごに手を添え、何やら考え事をしている。
「……わかりました。とりあえず見たまま聞いたままを隊長に報告させてもらいます。判断は現時点で保留です」
よかった。今のところまともに応対してもらえている。変な言いがかりでもつけてくるかと思ったが意外な反応だ。
「では、戻りましょう」
クロードはまたしても音もなく来た道を戻りだした。どうしよう。簡単についていくとプライドを刺激するだろうか。
「キーチロー。一応喋らんかったけど大丈夫そうか?」
「ああ、多分。俺達の方でちゃんと説明するからカブタンは心配しないで」
「ほな、俺らはあっちでエサ食べてるわ。なんかあったら連絡してや」
「おっけー。んじゃ」
カブタンに手を振ると、俺はクロードを追いかけた。
0
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説

邪神降臨~言い伝えの最凶の邪神が現れたので世界は終わり。え、その邪神俺なの…?~
きょろ
ファンタジー
村が魔物に襲われ、戦闘力“1”の主人公は最下級のゴブリンに殴られ死亡した。
しかし、地獄で最強の「氣」をマスターした彼は、地獄より現世へと復活。
地獄での十万年の修行は現世での僅か十秒程度。
晴れて伝説の“最凶の邪神”として復活した主人公は、唯一無二の「氣」の力で世界を収める――。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。
そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。
【カクヨムにも投稿してます】
装備製作系チートで異世界を自由に生きていきます
tera
ファンタジー
※まだまだまだまだ更新継続中!
※書籍の詳細はteraのツイッターまで!@tera_father
※第1巻〜7巻まで好評発売中!コミックス1巻も発売中!
※書影など、公開中!
ある日、秋野冬至は異世界召喚に巻き込まれてしまった。
勇者召喚に巻き込まれた結果、チートの恩恵は無しだった。
スキルも何もない秋野冬至は一般人として生きていくことになる。
途方に暮れていた秋野冬至だが、手に持っていたアイテムの詳細が見えたり、インベントリが使えたりすることに気づく。
なんと、召喚前にやっていたゲームシステムをそっくりそのまま持っていたのだった。
その世界で秋野冬至にだけドロップアイテムとして誰かが倒した魔物の素材が拾え、お金も拾え、さらに秋野冬至だけが自由に装備を強化したり、錬金したり、ゲームのいいとこ取りみたいな事をできてしまう。
小さな大魔法使いの自分探しの旅 親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします
藤なごみ
ファンタジー
※2024年10月下旬に、第2巻刊行予定です
2024年6月中旬に第一巻が発売されます
2024年6月16日出荷、19日販売となります
発売に伴い、題名を「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、元気いっぱいに無自覚チートで街の人を笑顔にします~」→「小さな大魔法使いの自分探しの旅~親に見捨てられたけど、無自覚チートで街の人を笑顔にします~」
中世ヨーロッパに似ているようで少し違う世界。
数少ないですが魔法使いがが存在し、様々な魔導具も生産され、人々の生活を支えています。
また、未開発の土地も多く、数多くの冒険者が活動しています
この世界のとある地域では、シェルフィード王国とタターランド帝国という二つの国が争いを続けています
戦争を行る理由は様ながら長年戦争をしては停戦を繰り返していて、今は辛うじて平和な時が訪れています
そんな世界の田舎で、男の子は産まれました
男の子の両親は浪費家で、親の資産を一気に食いつぶしてしまい、あろうことかお金を得るために両親は行商人に幼い男の子を売ってしまいました
男の子は行商人に連れていかれながら街道を進んでいくが、ここで行商人一行が盗賊に襲われます
そして盗賊により行商人一行が殺害される中、男の子にも命の危険が迫ります
絶体絶命の中、男の子の中に眠っていた力が目覚めて……
この物語は、男の子が各地を旅しながら自分というものを探すものです
各地で出会う人との繋がりを通じて、男の子は少しずつ成長していきます
そして、自分の中にある魔法の力と向かいながら、色々な事を覚えていきます
カクヨム様と小説家になろう様にも投稿しております

妹が真の聖女だったので、偽りの聖女である私は追放されました。でも、聖女の役目はものすごく退屈だったので、最高に嬉しいです【完結】
小平ニコ
ファンタジー
「お姉様、よくも私から夢を奪ってくれたわね。絶対に許さない」
私の妹――シャノーラはそう言うと、計略を巡らし、私から聖女の座を奪った。……でも、私は最高に良い気分だった。だって私、もともと聖女なんかになりたくなかったから。
退職金を貰い、大喜びで国を出た私は、『真の聖女』として国を守る立場になったシャノーラのことを思った。……あの子、聖女になって、一日の休みもなく国を守るのがどれだけ大変なことか、ちゃんと分かってるのかしら?
案の定、シャノーラはよく理解していなかった。
聖女として役目を果たしていくのが、とてつもなく困難な道であることを……
平凡なサラリーマンが異世界に行ったら魔術師になりました~科学者に投資したら異世界への扉が開発されたので、スローライフを満喫しようと思います~
金色のクレヨン@釣りするWeb作家
ファンタジー
夏井カナタはどこにでもいるような平凡なサラリーマン。
そんな彼が資金援助した研究者が異世界に通じる装置=扉の開発に成功して、援助の見返りとして異世界に行けることになった。
カナタは準備のために会社を辞めて、異世界の言語を学んだりして準備を進める。
やがて、扉を通過して異世界に着いたカナタは魔術学校に興味をもって入学する。
魔術の適性があったカナタはエルフに弟子入りして、魔術師として成長を遂げる。
これは文化も風習も違う異世界で戦ったり、旅をしたりする男の物語。
エルフやドワーフが出てきたり、国同士の争いやモンスターとの戦いがあったりします。
第二章からシリアスな展開、やや残酷な描写が増えていきます。
旅と冒険、バトル、成長などの要素がメインです。
ノベルピア、カクヨム、小説家になろうにも掲載

「宮廷魔術師の娘の癖に無能すぎる」と婚約破棄され親には出来損ないと言われたが、厄介払いと嫁に出された家はいいところだった
今川幸乃
ファンタジー
魔術の名門オールストン公爵家に生まれたレイラは、武門の名門と呼ばれたオーガスト公爵家の跡取りブランドと婚約させられた。
しかしレイラは魔法をうまく使うことも出来ず、ブランドに一方的に婚約破棄されてしまう。
それを聞いた宮廷魔術師の父はブランドではなくレイラに「出来損ないめ」と激怒し、まるで厄介払いのようにレイノルズ侯爵家という微妙な家に嫁に出されてしまう。夫のロルスは魔術には何の興味もなく、最初は仲も微妙だった。
一方ブランドはベラという魔法がうまい令嬢と婚約し、やはり婚約破棄して良かったと思うのだった。
しかしレイラが魔法を全然使えないのはオールストン家で毎日飲まされていた魔力増加薬が体質に合わず、魔力が暴走してしまうせいだった。
加えて毎日毎晩ずっと勉強や訓練をさせられて常に体調が悪かったことも原因だった。
レイノルズ家でのんびり過ごしていたレイラはやがて自分の真の力に気づいていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる