60 / 125
第5章 地獄変
地獄の54丁目 お邪魔します
しおりを挟む
最近では観光感覚で地獄に度々訪れている俺も、自身が意外に思うほど訪ねていなかった場所があった。
魔王城、つまりデボラの居城である。
アルカディア・ボックスを運営する上で必要かと言われれば疑問符を配置せざるを得ないが、このたび二度も告白を受けた身として正式にご招待いただく運びとなった。これじゃ、まるで既定路線の始発駅を出発したところではないかと危惧していたが、構えずに一度遊びに来てほしいと言われたので、来た次第である。
魔王城は当然ながら(?)地獄の中心に近くにあり、それでいて数々の刑場や天変地異とは無縁の場所にある。彼らの移動手段は専ら魔法陣による転送なので、どこからどれだけ離れていようと関係ないのだ。それでも何某かの侵入に備えて、切り立った崖と跳ね橋はセットになっている。
魔王城と言うからには雷雲で覆われていて稲光の一つも欲しいところではあるが、実際は人間界でいうところの欧州の古城のような佇まいである。ここには身の回りの世話をするスタッフや執事なども常駐していて、デボラの生活をサポートしているそうだ。
と、一気に説明口調で片づけたが、実際に目にすると大層荘厳で、巨大で、主の案内が無ければ腰が引けて入門すら躊躇われるほどだ。
「生き死に含めて人間を招待したのは初めてだ。光栄に思え、キーチロー」
「お、お邪魔しまーす……」
城壁に囲まれた門をくぐると細い通路になっており、人が二人通るのがやっと。だが必要以上に密着してくるデボラとなら十分に余裕を持って通ることが出来る。
「ここは、代々の魔王様が住んでいたところってこと?」
「何度か建て替えはしているようだがな。代々の趣味が混ざり合って地獄らしいカオスになっておる」
なるほど。入口から続く回廊に飾られていた絵や銅像が東洋西洋入り混じった無秩序の極みだったのもそういう訳か。
「さあ、ここが我の私室だ」
「え、こういう時ってまず客間とか応接室に通さない?」
「そうか? 我はキーチローの部屋にずっと出入りしていたはずだが?」
「あれは客間でリビングでダイニングでキッチンなの。全部入りなの。しがないサラリーマンの一室と比べちゃだめなの」
「そういうものか」
それに、魔王であるとはいえいきなり女性の部屋に入るというのも気が引ける。いらぬ心配だとは思うが。
「では、客間へ案内してしかる後に我の部屋へ連れ込もう」
「なんか漏れてますよ」
「べーつに、キーチローにその気がないのだからいいだろう?」
その気ってどの気だよ。
「罪な男だとは思うが許せ」
「その罪、地獄で償わせてやる」
地獄の魔王が言うとシャレにならん。落ちる先は血の池か針の山か。そして案内された客間は絢爛豪奢……というには何か惜しい、地獄のセンスで彩られていた。一見、貴族が座っていそうな偉そうな椅子の肘掛けにはどこのモンスターを狩ってきたのか、極太の骨があしらわれ、座ると真向かいには山羊の頭が飾られており、事あるごとに山羊さんと目が合う。
「なんか……別の意味で落ち着かない……」
「せっかくうちに来たんだ。『大吟醸グリフォンの涙』で一杯やっていくか?」
「お酒で酔わせてどうする気?」
体をくねらせて不愉快にも程がある仕草をするがデボラには無視された。
「ちなみに人間界で言うところのアルコール度数は99だな」
「地獄の飲み物じゃなくても死ぬわ。ほんとにどうする気なんだ」
「死んだら自動的に我の僕であろう?」
どうする気かは理解したが、俺とてまだ死ぬ気はない。普通にお酒飲みたいし美味しいものも食べたい。女子とイチャイチャなんて欲求が無いわけでもない。いや、カッコつけてゴメン。めちゃくちゃある。
「ところで、ここには両親と住んでるのかい?」
「ここには居ないな。別のところに住んでおる」
「いやー、両親に紹介フェーズまで進んじゃったらどうしようかと思った」
「ははは、人間を紹介したらたちまち閻魔の列の順番待ちだな。母様はともかく父様が何をしでかすかわからん」
両親が来たらそれこそ僕Aを演じ切るしかないな。いや、演じるも何も今現在、ほぼそういう関係だ。まだ恋人同士になったわけではない!
「頼む。まず、人間として生きる道を残してくれ」
「ふふん。我はな、キーチローが人間と付き合い、結婚し、子供が生まれても祝福してやれるぞ? どうせ、長くてあと80年ほどの話だ。アルカディア・ボックスで遊んでいたらあっという間だ。その代わり天寿を全うした後は覚悟しろよ? 天界には渡さん。愛し尽くしてやる」
情熱的に恐ろしいことを言われた気がするが……。まあ、何事も無ければ後数十年はあるだろうし、デボラがその気ならこっちも気兼ねなく人間の生を全うしよう。
「ところで、ヒクイドリのベスタの話、覚えているか?」
忘れようもない。家族が攫われて今も旦那さんと朗報を待ち続けているはずだ。俺は少し身を乗り出して話を聞く体勢を作った。
「何か進展が?」
「進展というほどではないのだがな」
デボラは嬉しそうとも苦しそうともつかない顔をして話を続けた。
「ドラメレク一派とは別に、地獄の生き物専門で捕らえたり殺したりして回っている集団がいるらしい」
「酷い話だ」
「悪魔の中には快楽が食事になっている輩もいるからな。胸糞悪い話だが、一概に否定も出来ん。地球の食物連鎖では地獄の生き方は測れないと考えておいてくれ」
理解は出来るが納得は出来ないなんて昔誰かが言ってた気がするな。俺の気分はまさにそれだ。
「集団というところまでは分かったって事だな」
「ああ、地獄でも闇に包まれた集団だ。だが、分かったのはそっちのルートから色々取引を増やしている人物が最近になって現れたと。その中にヒクイドリも含まれていたとか」
「もしかしたら……」
「ああ。その中にベスタの家族やアグニの仲間がいるかもしれん」
ベスタとアグニの為にも是非取り返したいところだが……。デボラもここに来てようやく少しでもヒクイドリの情報に巡り合えたのが嬉しかったのか、先ほどより顔が和らいでいた。
「また、忙しくなりそうだぞ、キーチロー」
「俺に何が出来るか分からんけどお安い御用だ!」
「ところで、我の部屋には来んのか? 色々見せたいものがあるんだが」
忘れてたけど、今必要かね? それ。
魔王城、つまりデボラの居城である。
アルカディア・ボックスを運営する上で必要かと言われれば疑問符を配置せざるを得ないが、このたび二度も告白を受けた身として正式にご招待いただく運びとなった。これじゃ、まるで既定路線の始発駅を出発したところではないかと危惧していたが、構えずに一度遊びに来てほしいと言われたので、来た次第である。
魔王城は当然ながら(?)地獄の中心に近くにあり、それでいて数々の刑場や天変地異とは無縁の場所にある。彼らの移動手段は専ら魔法陣による転送なので、どこからどれだけ離れていようと関係ないのだ。それでも何某かの侵入に備えて、切り立った崖と跳ね橋はセットになっている。
魔王城と言うからには雷雲で覆われていて稲光の一つも欲しいところではあるが、実際は人間界でいうところの欧州の古城のような佇まいである。ここには身の回りの世話をするスタッフや執事なども常駐していて、デボラの生活をサポートしているそうだ。
と、一気に説明口調で片づけたが、実際に目にすると大層荘厳で、巨大で、主の案内が無ければ腰が引けて入門すら躊躇われるほどだ。
「生き死に含めて人間を招待したのは初めてだ。光栄に思え、キーチロー」
「お、お邪魔しまーす……」
城壁に囲まれた門をくぐると細い通路になっており、人が二人通るのがやっと。だが必要以上に密着してくるデボラとなら十分に余裕を持って通ることが出来る。
「ここは、代々の魔王様が住んでいたところってこと?」
「何度か建て替えはしているようだがな。代々の趣味が混ざり合って地獄らしいカオスになっておる」
なるほど。入口から続く回廊に飾られていた絵や銅像が東洋西洋入り混じった無秩序の極みだったのもそういう訳か。
「さあ、ここが我の私室だ」
「え、こういう時ってまず客間とか応接室に通さない?」
「そうか? 我はキーチローの部屋にずっと出入りしていたはずだが?」
「あれは客間でリビングでダイニングでキッチンなの。全部入りなの。しがないサラリーマンの一室と比べちゃだめなの」
「そういうものか」
それに、魔王であるとはいえいきなり女性の部屋に入るというのも気が引ける。いらぬ心配だとは思うが。
「では、客間へ案内してしかる後に我の部屋へ連れ込もう」
「なんか漏れてますよ」
「べーつに、キーチローにその気がないのだからいいだろう?」
その気ってどの気だよ。
「罪な男だとは思うが許せ」
「その罪、地獄で償わせてやる」
地獄の魔王が言うとシャレにならん。落ちる先は血の池か針の山か。そして案内された客間は絢爛豪奢……というには何か惜しい、地獄のセンスで彩られていた。一見、貴族が座っていそうな偉そうな椅子の肘掛けにはどこのモンスターを狩ってきたのか、極太の骨があしらわれ、座ると真向かいには山羊の頭が飾られており、事あるごとに山羊さんと目が合う。
「なんか……別の意味で落ち着かない……」
「せっかくうちに来たんだ。『大吟醸グリフォンの涙』で一杯やっていくか?」
「お酒で酔わせてどうする気?」
体をくねらせて不愉快にも程がある仕草をするがデボラには無視された。
「ちなみに人間界で言うところのアルコール度数は99だな」
「地獄の飲み物じゃなくても死ぬわ。ほんとにどうする気なんだ」
「死んだら自動的に我の僕であろう?」
どうする気かは理解したが、俺とてまだ死ぬ気はない。普通にお酒飲みたいし美味しいものも食べたい。女子とイチャイチャなんて欲求が無いわけでもない。いや、カッコつけてゴメン。めちゃくちゃある。
「ところで、ここには両親と住んでるのかい?」
「ここには居ないな。別のところに住んでおる」
「いやー、両親に紹介フェーズまで進んじゃったらどうしようかと思った」
「ははは、人間を紹介したらたちまち閻魔の列の順番待ちだな。母様はともかく父様が何をしでかすかわからん」
両親が来たらそれこそ僕Aを演じ切るしかないな。いや、演じるも何も今現在、ほぼそういう関係だ。まだ恋人同士になったわけではない!
「頼む。まず、人間として生きる道を残してくれ」
「ふふん。我はな、キーチローが人間と付き合い、結婚し、子供が生まれても祝福してやれるぞ? どうせ、長くてあと80年ほどの話だ。アルカディア・ボックスで遊んでいたらあっという間だ。その代わり天寿を全うした後は覚悟しろよ? 天界には渡さん。愛し尽くしてやる」
情熱的に恐ろしいことを言われた気がするが……。まあ、何事も無ければ後数十年はあるだろうし、デボラがその気ならこっちも気兼ねなく人間の生を全うしよう。
「ところで、ヒクイドリのベスタの話、覚えているか?」
忘れようもない。家族が攫われて今も旦那さんと朗報を待ち続けているはずだ。俺は少し身を乗り出して話を聞く体勢を作った。
「何か進展が?」
「進展というほどではないのだがな」
デボラは嬉しそうとも苦しそうともつかない顔をして話を続けた。
「ドラメレク一派とは別に、地獄の生き物専門で捕らえたり殺したりして回っている集団がいるらしい」
「酷い話だ」
「悪魔の中には快楽が食事になっている輩もいるからな。胸糞悪い話だが、一概に否定も出来ん。地球の食物連鎖では地獄の生き方は測れないと考えておいてくれ」
理解は出来るが納得は出来ないなんて昔誰かが言ってた気がするな。俺の気分はまさにそれだ。
「集団というところまでは分かったって事だな」
「ああ、地獄でも闇に包まれた集団だ。だが、分かったのはそっちのルートから色々取引を増やしている人物が最近になって現れたと。その中にヒクイドリも含まれていたとか」
「もしかしたら……」
「ああ。その中にベスタの家族やアグニの仲間がいるかもしれん」
ベスタとアグニの為にも是非取り返したいところだが……。デボラもここに来てようやく少しでもヒクイドリの情報に巡り合えたのが嬉しかったのか、先ほどより顔が和らいでいた。
「また、忙しくなりそうだぞ、キーチロー」
「俺に何が出来るか分からんけどお安い御用だ!」
「ところで、我の部屋には来んのか? 色々見せたいものがあるんだが」
忘れてたけど、今必要かね? それ。
0
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説
S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった
ミズノみすぎ
ファンタジー
「黒騎士ゼクード・フォルス。君を竜狩り精鋭部隊【ドラゴンキラー隊】の隊長に任命する」
15歳の春。
念願のS級騎士になった俺は、いきなり国王様からそんな命令を下された。
「隊長とか面倒くさいんですけど」
S級騎士はモテるって聞いたからなったけど、隊長とかそんな重いポジションは……
「部下は美女揃いだぞ?」
「やらせていただきます!」
こうして俺は仕方なく隊長となった。
渡された部隊名簿を見ると隊員は俺を含めた女騎士3人の計4人構成となっていた。
女騎士二人は17歳。
もう一人の女騎士は19歳(俺の担任の先生)。
「あの……みんな年上なんですが」
「だが美人揃いだぞ?」
「がんばります!」
とは言ったものの。
俺のような若輩者の部下にされて、彼女たちに文句はないのだろうか?
と思っていた翌日の朝。
実家の玄関を部下となる女騎士が叩いてきた!
★のマークがついた話数にはイラストや4コマなどが後書きに記載されています。
※2023年11月25日に書籍が発売!
イラストレーターはiltusa先生です!
※コミカライズも進行中!
この世界にダンジョンが現れたようです ~チートな武器とスキルと魔法と従魔と仲間達と共に世界最強となる~
仮実谷 望
ファンタジー
主人公の増宮拓朗(ましみやたくろう)は20歳のニートである。
祖父母の家に居候している中、毎日の日課の自宅の蔵の確認を行う過程で謎の黒い穴を見つける。
試にその黒い穴に入ると謎の空間に到達する。
拓朗はその空間がダンジョンだと確信して興奮した。
さっそく蔵にある武器と防具で装備を整えてダンジョンに入ることになるのだが……
暫くするとこの世界には異変が起きていた。
謎の怪物が現れて人を襲っているなどの目撃例が出ているようだ。
謎の黒い穴に入った若者が行方不明になったなどの事例も出ている。
そのころ拓朗は知ってか知らずか着実にレベルを上げて世界最強の探索者になっていた。
その後モンスターが街に現れるようになったら、狐の仮面を被りモンスターを退治しないといけないと奮起する。
その過程で他にもダンジョンで女子高生と出会いダンジョンの攻略を進め成長していく。
様々な登場人物が織りなす群像劇です。
主人公以外の視点も書くのでそこをご了承ください。
その後、七星家の七星ナナナと虹咲家の虹咲ナナカとの出会いが拓朗を成長させるきっかけになる。
ユキトとの出会いの中、拓朗は成長する。
タクロウは立派なヒーローとして覚醒する。
その後どんな敵が来ようとも敵を押しのける。倒す。そんな無敵のヒーロー稲荷仮面が活躍するヒーロー路線物も描いていきたいです。
邪神降臨~言い伝えの最凶の邪神が現れたので世界は終わり。え、その邪神俺なの…?~
きょろ
ファンタジー
村が魔物に襲われ、戦闘力“1”の主人公は最下級のゴブリンに殴られ死亡した。
しかし、地獄で最強の「氣」をマスターした彼は、地獄より現世へと復活。
地獄での十万年の修行は現世での僅か十秒程度。
晴れて伝説の“最凶の邪神”として復活した主人公は、唯一無二の「氣」の力で世界を収める――。
幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)
生まれる世界を間違えた俺は女神様に異世界召喚されました【リメイク版】
雪乃カナ
ファンタジー
世界が退屈でしかなかった1人の少年〝稗月倖真〟──彼は生まれつきチート級の身体能力と力を持っていた。だが同時に生まれた現代世界ではその力を持て余す退屈な日々を送っていた。
そんなある日いつものように孤児院の自室で起床し「退屈だな」と、呟いたその瞬間、突如現れた〝光の渦〟に吸い込まれてしまう!
気づくと辺りは白く光る見た事の無い部屋に!?
するとそこに女神アルテナが現れて「取り敢えず異世界で魔王を倒してきてもらえませんか♪」と頼まれる。
だが、異世界に着くと前途多難なことばかり、思わず「おい、アルテナ、聞いてないぞ!」と、叫びたくなるような事態も発覚したり──
でも、何はともあれ、女神様に異世界召喚されることになり、生まれた世界では持て余したチート級の力を使い、異世界へと魔王を倒しに行く主人公の、異世界ファンタジー物語!!
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
異世界でリサイクルショップ!俺の高価買取り!
理太郎
ファンタジー
坂木 新はリサイクルショップの店員だ。
ある日、買い取りで査定に不満を持った客に恨みを持たれてしまう。
仕事帰りに襲われて、気が付くと見知らぬ世界のベッドの上だった。
無能と蔑まれた七男、前世は史上最強の魔法使いだった!?
青空一夏
ファンタジー
ケアニー辺境伯爵家の七男カイルは、生まれつき魔法を使えず、家族から蔑まれて育った。しかし、ある日彼の前世の記憶が蘇る――その正体は、かつて世界を支配した史上最強の大魔法使いアーサー。戸惑いながらも、カイルはアーサーの知識と力を身につけていき、次第に自らの道を切り拓く。
魔法を操れぬはずの少年が最強の魔法を駆使し、自分を信じてくれる商店街の仲間のために立ち上げる。やがてそれは貴族社会すら揺るがす存在へと成長していくのだった。こちらは無自覚モテモテの最強青年になっていく、ケアニー辺境伯爵家の七男カイルの物語。
※こちらは「異世界ファンタジー × ラブコメ」要素を兼ね備えた作品です。メインは「異世界ファンタジー」ですが、恋愛要素やコメディ要素も兼ねた「ラブコメ寄りの異世界ファンタジー」になっています。カイルは複数の女性にもてますが、主人公が最終的には選ぶのは一人の女性です。一夫多妻のようなハーレム系の結末ではありませんので、女性の方にも共感できる内容になっています。異世界ファンタジーで男性主人公なので男性向けとしましたが、男女関係なく楽しめる内容を心がけて書いていきたいです。よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる