出会いと別れと復讐と

カザハナ

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「そんな事、お前に言う必要はない」


 真眼持ちと守護者だと名乗りたくないのだろう、エンヤがカルラを睨み付ける。

 だが、そう返してきそうだと何となく予想をしていたカルラからすれば、その答えは願ったり。


「仲良くなりたいって言う割りには、随分一方的なんじゃない?こっちにはたくさん質問してくる癖に、あたしの質問には答える気がないなんて、嫌われて当然だと思うけど?」

「エンヤ……」


 ヒューリーが恨みがましい声でエンヤを睨むが、カルラはついでとばかりに念を押す。


「まぁどうせ、次の村か街でお別れだもの。あたしも答える必要はないわよね」


 カルラが言い切ったその時、ザアイがここぞとばかりに声を出す。


「その事ですが、もう少し、ご一緒出来ませんか?」

「無理ね。あなた達三人と一緒にいても、何の得にもならないもの」


 カルラの横でティファが、不安そうに見上げてくる。まるで捨てられた仔犬のように。

 (かっ……可愛い!超絶可愛いっっ!!!でも駄目よ!ティファは可愛くても他の三人は鬼門なんだからっ!!厄介者のお荷物が三人もいるのよ、面倒事に巻き込まれるのが目に見えてるわ!)

 内心悶えまくってるカルラだが、表情には出さず、視線を感じながらもなるべく目に入れないように気を付ける。

 カルラにとって、ティファはお荷物だという概念はない。元来世話好きで面倒見も良く、弟を心底溺愛してた程だ。

 そのカルラが弟に似た性質を持つティファを邪険に扱う筈がない。

 だが、それを知らないエンヤは、過去にティファを邪険に扱った女性達とカルラを同一視する。

 いずれカルラも他の女達同様、ティファの心を踏みにじると。

 ティファを邪険に扱った女性達は、彼等に好意を寄せ、ティファを一番に考える事に妬みや逆恨みを抱いていったり、邪魔だと判断したからこそ、邪険に扱っていったのだが、そういった事に鈍い男達は自分達が原因だなんてこれっぽっちも気付いていない。

 守護者にとって、真眼持ちは異性相手よりも大事な存在だ。だからこそ、真眼持ちが第一優先になるのだが、守護者が美形の異性達となれば、成り代わりたいと羨みたがる者達が大勢いてもおかしくない。

 旅をし出してからはその関係性も隠しているのだから尚更だ。

 美形を鬼門と言い切り関わり合いになりたくないカルラにとっては、そういった女性達と比べられても迷惑なのだが、エンヤからすればティファ以外の女は皆同じといった所だろう。


*****

 ※お待たせして申し訳ありません。体調不良や不幸事等、二月近く更新が空いてました。体調が万全でない為更新が掛かるかもですが、今後とも宜しくお願いします。
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