4 / 116
3
しおりを挟む
「ちょっと待って。そのままじゃ、折角綺麗な髪が汚れちゃう」
直に座ろうとした美少女を止め、カルラは自分が着ていたゆったりめの上着を脱いで、自分の隣に広げて彼女の髪が汚れないように敷く。
ここは部屋といっても地下にあり、床は剥き出しの土なのだ。
「この上に座って。後、その髪少し弄っても良いかな?下ろしたままだと汚れちゃうから」
美少女は無表情のまま、ただ静かに頷きカルラの上着の上へと座る。
(この子、多分神子気質だ。今まで神子気質の人に会った事ないから断言は出来ないけど、何となくそんな気がする。だけど、そんな子が、どうしてこんな所に?)
神子は普通、外に出ない。建物内で一生を過ごす事も珍しくない程だ。外へ出る時は必ず守護者と呼ばれる護衛が付き纏う筈なのだが。
時折、真眼を持ちながらも気付かれずに一般人として過ごす者もいる。
カルラは真眼ではないものの、それに近い特殊魔力の能力を持っている。だからこそ、少女の神子気質に気付けたのだ。
本来真眼は、同じ神子同士でなければ気付く事すら出来ないものだ。カルラの特殊能力はとんでもなく高く、同じ能力を持つ魔力持ちでもカルラ程の能力者は一人としていない。
(他人の髪を弄るのなんて何年振りだろ)
「せめて荷物があればなぁ……」
カルラの荷物は、ここに連れてこられる時に没収された。大した物は入ってないが、それでも旅には欠かせない物ばかりだ。その中にクシもゴムも入ってる。それがあれば、もう少し綺麗に仕上げれただろうに。
カルラは自分の髪を纏めている幅の広いリボンとゴムを取り、少女の髪を真ん中から分けて左右をきっちり編み上げていく。
手持ちのゴムは一つしかないので、左右に編み上げた髪を下方で一つに纏める。
ただ髪をそのまま下ろしているよりは、編み込んだ分、髪が短くなる。
それに、これなら地面に付いても払いやすい。
「よし、出来た。下ろした状態も可愛いけど、こっちも可愛い」
少女に笑い掛けると、今まで無表情だった少女がにっこりと笑い返してきた。
その笑顔はまさに花。そう思っていると、カルラの外見年齢と同じぐらいの少女が声を荒立ててきた。
直に座ろうとした美少女を止め、カルラは自分が着ていたゆったりめの上着を脱いで、自分の隣に広げて彼女の髪が汚れないように敷く。
ここは部屋といっても地下にあり、床は剥き出しの土なのだ。
「この上に座って。後、その髪少し弄っても良いかな?下ろしたままだと汚れちゃうから」
美少女は無表情のまま、ただ静かに頷きカルラの上着の上へと座る。
(この子、多分神子気質だ。今まで神子気質の人に会った事ないから断言は出来ないけど、何となくそんな気がする。だけど、そんな子が、どうしてこんな所に?)
神子は普通、外に出ない。建物内で一生を過ごす事も珍しくない程だ。外へ出る時は必ず守護者と呼ばれる護衛が付き纏う筈なのだが。
時折、真眼を持ちながらも気付かれずに一般人として過ごす者もいる。
カルラは真眼ではないものの、それに近い特殊魔力の能力を持っている。だからこそ、少女の神子気質に気付けたのだ。
本来真眼は、同じ神子同士でなければ気付く事すら出来ないものだ。カルラの特殊能力はとんでもなく高く、同じ能力を持つ魔力持ちでもカルラ程の能力者は一人としていない。
(他人の髪を弄るのなんて何年振りだろ)
「せめて荷物があればなぁ……」
カルラの荷物は、ここに連れてこられる時に没収された。大した物は入ってないが、それでも旅には欠かせない物ばかりだ。その中にクシもゴムも入ってる。それがあれば、もう少し綺麗に仕上げれただろうに。
カルラは自分の髪を纏めている幅の広いリボンとゴムを取り、少女の髪を真ん中から分けて左右をきっちり編み上げていく。
手持ちのゴムは一つしかないので、左右に編み上げた髪を下方で一つに纏める。
ただ髪をそのまま下ろしているよりは、編み込んだ分、髪が短くなる。
それに、これなら地面に付いても払いやすい。
「よし、出来た。下ろした状態も可愛いけど、こっちも可愛い」
少女に笑い掛けると、今まで無表情だった少女がにっこりと笑い返してきた。
その笑顔はまさに花。そう思っていると、カルラの外見年齢と同じぐらいの少女が声を荒立ててきた。
0
お気に入りに追加
132
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
好色一代勇者 〜ナンパ師勇者は、ハッタリと機転で窮地を切り抜ける!〜(アルファポリス版)
朽縄咲良
ファンタジー
【HJ小説大賞2020後期1次選考通過作品(ノベルアッププラスにて)】
バルサ王国首都チュプリの夜の街を闊歩する、自称「天下無敵の色事師」ジャスミンが、自分の下半身の不始末から招いたピンチ。その危地を救ってくれたラバッテリア教の大教主に誘われ、神殿の下働きとして身を隠す。
それと同じ頃、バルサ王国東端のダリア山では、最近メキメキと発展し、王国の平和を脅かすダリア傭兵団と、王国最強のワイマーレ騎士団が激突する。
ワイマーレ騎士団の圧勝かと思われたその時、ダリア傭兵団団長シュダと、謎の老女が戦場に現れ――。
ジャスミンは、口先とハッタリと機転で、一筋縄ではいかない状況を飄々と渡り歩いていく――!
天下無敵の色事師ジャスミン。
新米神官パーム。
傭兵ヒース。
ダリア傭兵団団長シュダ。
銀の死神ゼラ。
復讐者アザレア。
…………
様々な人物が、徐々に絡まり、収束する……
壮大(?)なハイファンタジー!
*表紙イラストは、澄石アラン様から頂きました! ありがとうございます!
・小説家になろう、ノベルアッププラスにも掲載しております(一部加筆・補筆あり)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる