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村を出て、暫く進んでいると、川が流れていて、その横の道を歩くのだが、川に魚の影が見え隠れするので、カルラが魚を取ろうと提案する。
「魚なんて、どうやって取る気だ?道具なんか持って無いぞ」
偉そうに言うエンヤに、カルラは冷たい視線を投げ付ける。
「無かったら、作れば良いでしょ?それに、種類によっては、手掴みで取れる魚もいるのよ?まぁ、手掴みは難しいから、不器用そうなエンヤさんにしろだなんて言わないけど、道具を作る事ぐらいは覚えなさいよね。持ち歩くと幅を取るから、その場に置いてけば良いだけだし、何度も作ってりゃ、その内上手く作れるわよきっと。ティファに美味しい物を食べさせたけりゃ、それぐらいしなさいよ」
本当にポンコツなんだからと言いたげに、カルラはエンヤを見返す。
「俺は不器用じゃない!ザアイと一緒にするな!」
「作れなかったら元も子も無いんじゃない?てか、料理を黒焦げにする人を器用だなんて言わないと思うけど?」
「本っ当、ああ言えばこう言うガキだなぁ!」
「悔しかったら常識を学びなさいよ。もっとも手遅れ気味だろうけど。ほらこれ、あなた達も取りなさい!」
カルラはティファの手を一時的に離し、籠として編む為に細くてしなやかな蔓を、刃物を取り出し切っていく。
ティファはカルラのする事に、興味津々だ。
そんなティファを見て、カルラはティファにも声を掛ける。
「ティファも作ってみる?」
そんなカルラの言葉にティファは目をキラキラさせて、勢い良く頷き続ける。
それはもう、首が痛くならないか?と思う程に。
「おい?!ティファに刃物を持たす気か?!」
「煩い!一々口を挟むんじゃないわよ!ティファぐらいの子なら、使い方さえ学べば問題無いけど、今回はまだ触らせる気はないし、切り出すのはあなた達がやれって言ってんでしょう?!口を動かす暇が有るなら手を動かしなさいよ!」
エンヤは一々絡んで来るので、カルラからすれば、鬱陶しい事この上無い。
(戦闘能力は高いかも知れないけれど、私にとっては足手纏いにしかならないわ!!!)
今まで一人で旅をして来たカルラにとって、この守護者達はポンコツ過ぎる。
さすが美形と言いたい所のカルラだろうが、ティファの生活向上の為には、このポンコツ美形達を何とか使える物にしなくては、ティファが可哀想な事になる!と、必死で我慢しているのだが、それを理解して無い元凶が、カルラに勝てもしない癖に、事もあろうに喧嘩を吹っ掛けて来るのだ。
カルラが暴言を吐くのは当然だろう。
(本当、あの馬鹿女共に、鎖に繋いで引き渡してやりたいわ!!)
カルラは村にいた女達に、彼等のポンコツ具合を見せてやりたくなった。
「魚なんて、どうやって取る気だ?道具なんか持って無いぞ」
偉そうに言うエンヤに、カルラは冷たい視線を投げ付ける。
「無かったら、作れば良いでしょ?それに、種類によっては、手掴みで取れる魚もいるのよ?まぁ、手掴みは難しいから、不器用そうなエンヤさんにしろだなんて言わないけど、道具を作る事ぐらいは覚えなさいよね。持ち歩くと幅を取るから、その場に置いてけば良いだけだし、何度も作ってりゃ、その内上手く作れるわよきっと。ティファに美味しい物を食べさせたけりゃ、それぐらいしなさいよ」
本当にポンコツなんだからと言いたげに、カルラはエンヤを見返す。
「俺は不器用じゃない!ザアイと一緒にするな!」
「作れなかったら元も子も無いんじゃない?てか、料理を黒焦げにする人を器用だなんて言わないと思うけど?」
「本っ当、ああ言えばこう言うガキだなぁ!」
「悔しかったら常識を学びなさいよ。もっとも手遅れ気味だろうけど。ほらこれ、あなた達も取りなさい!」
カルラはティファの手を一時的に離し、籠として編む為に細くてしなやかな蔓を、刃物を取り出し切っていく。
ティファはカルラのする事に、興味津々だ。
そんなティファを見て、カルラはティファにも声を掛ける。
「ティファも作ってみる?」
そんなカルラの言葉にティファは目をキラキラさせて、勢い良く頷き続ける。
それはもう、首が痛くならないか?と思う程に。
「おい?!ティファに刃物を持たす気か?!」
「煩い!一々口を挟むんじゃないわよ!ティファぐらいの子なら、使い方さえ学べば問題無いけど、今回はまだ触らせる気はないし、切り出すのはあなた達がやれって言ってんでしょう?!口を動かす暇が有るなら手を動かしなさいよ!」
エンヤは一々絡んで来るので、カルラからすれば、鬱陶しい事この上無い。
(戦闘能力は高いかも知れないけれど、私にとっては足手纏いにしかならないわ!!!)
今まで一人で旅をして来たカルラにとって、この守護者達はポンコツ過ぎる。
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カルラが暴言を吐くのは当然だろう。
(本当、あの馬鹿女共に、鎖に繋いで引き渡してやりたいわ!!)
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