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カルラの言葉に頷くティファ。
守護者達は、ティファが頷くとは思ってもいなかった為、驚く。
「妹さんの了承も取れたんだし、良いわよね?」
カルラが笑顔で提案と言う名の決定を下す。
「お嬢……なに考えてるのさ?」
「ちょっとね。知りたい事があって」
「どういう事か説明して頂けますか?カルラさん」
カルラの言葉にザアイが問う。
「どう、とは?あたし聞いたわよね?同席する?って。その時、勿論って答えたのはザアイさんでしょ?そもそもあたし、一人で食事するなんて一言も言ってないわよ?」
不穏な空気に女性達は固唾を呑む。
「お前、俺達を売ったな」
「だから、人聞きの悪い事言わないで。女の子達と食事する事の何が悪いの?売ったって言うけど、あたしもティファも一緒にいるのよ?オススメのお店を教えてもらいはしたけど、お金や物を貰ったりなんかしてないわ。嫌なら帰れば?ティファはあたしと食事して帰るわよね?」
カルラが話をティファに振ると、ティファはカルラの言葉に再度頷く。
カルラに害意は無いし、絶対に嫌な思いはさせないと言ったカルラを心底信頼しているからだ。
(そもそも私が知りたいのは、守護者達がティファ以外の人にどう対応するのか、だもの)
「いつも通り、対応してあげたら良いじゃない。誰とも関わらないなんて出来ないんだから。ティファはあたしが面倒見るし」
「お前なぁ~~~!!」
守護者達に構わずイスにティファを座らせ、その横を陣取るカルラ。
「一人煩いけど気にしないでね。エンヤさんはいつも、誰にでもこうだから。ザアイさんは紳士だし、ヒューリーさんは気さくだから、遠慮せず話し掛けて大丈夫よ。あたしとだって普通に喋ってくれるんだから。あ、シーラさん。ここのオススメって何?」
「そっ、そうね!オススメは乳製品を使った物や、お肉料理ね。ここは酪農家と協同経営してるから、新鮮なお肉や乳製品が売りなのよ。野菜もたっぷり使用してるし、男女共人気のあるお店で、お値段もリーズナブルだから何でも頼んで頂戴!態々来てもらったんだから、あなた達の分は私達が払うわ!」
「それはダメよ、シーラさん。あたしはそんなつもりで来たんじゃ無いし、エンヤさんの言う売ったって事になりかねないもの。あたしは明日の朝に街を出なくちゃなんだけど、どうやら彼等もそうみたいだから、奢られたらお礼も出来ない。彼等だって女の子に払わせる気はないんじゃないかな?」
「えっ、もう行っちゃうの?!そんなぁ~……」
彼女達はショックを受けているが、カルラにとってはどうでもいい。彼女達はカルラが去る事にショックを受けているのではなく、彼等が去るからショックを受けているのだ。そんな相手に借りを作る気は全くないカルラだった。
守護者達は、ティファが頷くとは思ってもいなかった為、驚く。
「妹さんの了承も取れたんだし、良いわよね?」
カルラが笑顔で提案と言う名の決定を下す。
「お嬢……なに考えてるのさ?」
「ちょっとね。知りたい事があって」
「どういう事か説明して頂けますか?カルラさん」
カルラの言葉にザアイが問う。
「どう、とは?あたし聞いたわよね?同席する?って。その時、勿論って答えたのはザアイさんでしょ?そもそもあたし、一人で食事するなんて一言も言ってないわよ?」
不穏な空気に女性達は固唾を呑む。
「お前、俺達を売ったな」
「だから、人聞きの悪い事言わないで。女の子達と食事する事の何が悪いの?売ったって言うけど、あたしもティファも一緒にいるのよ?オススメのお店を教えてもらいはしたけど、お金や物を貰ったりなんかしてないわ。嫌なら帰れば?ティファはあたしと食事して帰るわよね?」
カルラが話をティファに振ると、ティファはカルラの言葉に再度頷く。
カルラに害意は無いし、絶対に嫌な思いはさせないと言ったカルラを心底信頼しているからだ。
(そもそも私が知りたいのは、守護者達がティファ以外の人にどう対応するのか、だもの)
「いつも通り、対応してあげたら良いじゃない。誰とも関わらないなんて出来ないんだから。ティファはあたしが面倒見るし」
「お前なぁ~~~!!」
守護者達に構わずイスにティファを座らせ、その横を陣取るカルラ。
「一人煩いけど気にしないでね。エンヤさんはいつも、誰にでもこうだから。ザアイさんは紳士だし、ヒューリーさんは気さくだから、遠慮せず話し掛けて大丈夫よ。あたしとだって普通に喋ってくれるんだから。あ、シーラさん。ここのオススメって何?」
「そっ、そうね!オススメは乳製品を使った物や、お肉料理ね。ここは酪農家と協同経営してるから、新鮮なお肉や乳製品が売りなのよ。野菜もたっぷり使用してるし、男女共人気のあるお店で、お値段もリーズナブルだから何でも頼んで頂戴!態々来てもらったんだから、あなた達の分は私達が払うわ!」
「それはダメよ、シーラさん。あたしはそんなつもりで来たんじゃ無いし、エンヤさんの言う売ったって事になりかねないもの。あたしは明日の朝に街を出なくちゃなんだけど、どうやら彼等もそうみたいだから、奢られたらお礼も出来ない。彼等だって女の子に払わせる気はないんじゃないかな?」
「えっ、もう行っちゃうの?!そんなぁ~……」
彼女達はショックを受けているが、カルラにとってはどうでもいい。彼女達はカルラが去る事にショックを受けているのではなく、彼等が去るからショックを受けているのだ。そんな相手に借りを作る気は全くないカルラだった。
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