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カルラが部屋で一人になると、あまり間を置かずに扉がノックされる。
「はい?」
扉を開けるとティファがいた。カルラが声を掛ける前に、男達が隣部屋から出てくる。
「ティファ!」
「ちょっ、ティファ待って!」
隣はティファ達の部屋だ。多分、音や気配でカルラが帰ったのに気付いたのだろうティファが、カルラの部屋にやって来たのだろう。
カルラとしては大歓迎だが、後ろの男達はいらない。
守護者とはいえ、ずっと張り付かれてしんどくないのだろうか?
「いらっしゃいティファ。どうぞ入って」
嬉しそうに笑うティファはとっても可愛い。
「?何かスッゴく良い匂い……。お嬢の部屋からする?」
ヒューリーの呟きに、ティファが首を縦にブンブン振る。
「食べ物買って来たの?もしかして、やっぱりあれだけじゃ足りなかった?」
「いいえ充分よ。これは今直ぐ食べる為じゃないし、ティファに渡す物もあるから。そう言う訳で、少しの間、ティファを借りるわよ」
ティファを部屋に入れて、扉を閉めようとするカルラだが、そこに待ったが掛かる。
「待って待って!ティファを一人にする訳にはーー」
「あたしがいるから一人じゃないでしょ」
「お前なんか信用出来るか」
エンヤが忌々しそうに言うので、カルラもここぞとばかりに言ってやる。
「ティファに似合いそうな服や下着も買ってきたの。それを見たがるなんて、やっぱり変態……」
「誰がだ!」
「あー、えっとね、お嬢……」
「あたしがティファに何かするなら、そもそもティファはあたしになつかないんじゃないの?女の子には女の子同士の時間も欲しがるものでしょ。男ばかりに囲まれてたら当然ね。それともあなた達は、ティファを信用してない訳?家族だからって、干渉し過ぎじゃない?監視されてるみたいで可哀想よ」
「お前に何が分かる!」
「分かる訳ないわ。事情も何も知らないんだから。でも、ティファはあたしより小さいのよ。圧迫感のある男三人に囲まれ続けるより、たまには息抜き出来た方が精神的にも楽なんじゃないの?」
(まぁ守護者だから、傍にいるのが当たり前って思っているんでしょうけど、たまたま出会った子供相手にそんな事は言えないわよね。相手が大人だろうと言えない事だし。でも、だからこそ、その異常性に本人達は気付かないのよ。客観的に見て変よ。三人もの男が小さな女の子を常に守り、他人を近付けさせないなんて)
「はい?」
扉を開けるとティファがいた。カルラが声を掛ける前に、男達が隣部屋から出てくる。
「ティファ!」
「ちょっ、ティファ待って!」
隣はティファ達の部屋だ。多分、音や気配でカルラが帰ったのに気付いたのだろうティファが、カルラの部屋にやって来たのだろう。
カルラとしては大歓迎だが、後ろの男達はいらない。
守護者とはいえ、ずっと張り付かれてしんどくないのだろうか?
「いらっしゃいティファ。どうぞ入って」
嬉しそうに笑うティファはとっても可愛い。
「?何かスッゴく良い匂い……。お嬢の部屋からする?」
ヒューリーの呟きに、ティファが首を縦にブンブン振る。
「食べ物買って来たの?もしかして、やっぱりあれだけじゃ足りなかった?」
「いいえ充分よ。これは今直ぐ食べる為じゃないし、ティファに渡す物もあるから。そう言う訳で、少しの間、ティファを借りるわよ」
ティファを部屋に入れて、扉を閉めようとするカルラだが、そこに待ったが掛かる。
「待って待って!ティファを一人にする訳にはーー」
「あたしがいるから一人じゃないでしょ」
「お前なんか信用出来るか」
エンヤが忌々しそうに言うので、カルラもここぞとばかりに言ってやる。
「ティファに似合いそうな服や下着も買ってきたの。それを見たがるなんて、やっぱり変態……」
「誰がだ!」
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