75 / 113
~デ・フォン領域~
僕の保護者はラファス兄一択だ。
しおりを挟む
デ・マームへと到着し、ラファス兄とよく利用してた宿屋へと向かう。
ここデ・マームは、知り合いが多く集まる場所だ。聖騎士団の特殊部隊の兄さん達含む騎士団員達に、世界各地の物を取り扱う商人として有名なファーグ家の商人達、街の一部の子供達とも顔見知りだ。
僕にとってこのデ・マームは、遊び場と言って良いくらいには馴染みのある場所でもある。ラファス兄との旅で、特によく来る場所だったからね。
「僕は聖騎士団本部に顔を出して来るよ。この前僕を助けてくれた隊長達にも、再度お礼を言っとかなきゃだしね」
「僕も行くよ!君の保護者として!」
「来んな」
誰が誰の保護者だって?寝言は寝て言え。僕の保護者はラファス兄一択だ。
因みに母さんは保護者枠でなく家族枠。母さんは元人間だから、赤の血族とはどうしても差が出るんだよ。僕の場合、色合いは赤じゃないけど、紛れもない赤の血族だしね。
そもそも、この“赤”は、色合いではなく血筋の意味合いだ。古代精霊王の血を継ぐ者達=赤なのだ。つまり、精霊では流す事のない赤い血が流れてるって意味合いだから、容姿の色合いは関係ない。精霊人は人間同様赤い血が流れてるって事で、古代精霊の火の長が、容姿も火の属性をと言い出し、他の長は偏らせるなんてと言い合いになった為、第一子は赤、第二子以降は赤以外の属性になったそうだ。だから、もし僕に将来子供が出来たらその第一子は赤、第二子は赤以外になる。
赤の血族を育てるのは当然赤の血族で、父さんのいない僕の保護者は当然ラファス兄になる。
もし、赤の血族の保護者がいなかった場合は精霊達が精霊界にいる古代精霊王に報告するんじゃないかなぁ?そうなったら古代精霊の長達が精霊界から出て来そうだ……。
うん、ラファス兄がいて良かった。
保護者代理だったら、聖騎士団の特殊部隊の兄さん達に頼めばいいだけだし、古代精霊の長達にはご遠慮願おう。まぁ、この兄さんに代理と言えど、保護者をさせるぐらいなら保護者なんていらないから。
「保護者名乗る気なら、僕に勝ってからにしろ」
「そうは言ってもラファールは子供なんだから、保護者いるよね?!」
「いらない。僕聖騎士団の本部は顔パスだから」
「えっ、何その羨ましい話は!何で何で?!」
「複数の聖騎士団員達と知り合いだから。僕の後付いてきたり、僕の名前出して本部に近付いたりしたら不審者として捕まっても知らないから」
「そんな大袈裟な」
「前にあったんだよね~。無断で本部の奥に入ろうとして捕まったからって僕を持ち出した人達が。当然僕の知らない人達だし不審者として捕まったけど、兄さんが捕まったら僕知らない人って言うからね。忠告したのに聞かない方が悪いよね?」
「そっ、そんな!」
「本来部外者は内部に入れないからね。僕は度々協力してるから。メカエンジニアとしても剣士としても。兄さんは聖騎士団に認められる程の腕はないよね」
僕が兄さんをじとっと見てるとアーヤが呆れた声を出す。
「お兄さんにラルの保護者なんて無理に決まってるじゃない。そもそも、実力も資金力もあるラルに、その辺の人が保護者なんかに務まる訳ないわよ」
「保護者ってのは、僕を何からも助け、保護出来る人の事だよ。年齢だけで出来るなんて思わないでね」
因みに、アーヤとセスの保護者は誰が何と言おうとこの僕だ。この兄さんに二人の保護者を名乗らせる気はない。
「じゃあ僕は聖騎士団本部行ってくる」
兄さんを放置して、アーヤとセスに声を掛ける。
「「行ってらっしゃい」」
騎士団本部前に着いて、受付の騎士団員に声を掛ける。
「こんにちは~。特殊部隊の兄さん達に会いたいんだけど、通ってもいい?」
「ラファールじゃないか!いいぞ、通れ通れ」
「わぁ~い、ありがとう~♪」
僕がそのまま奥へと入って行く。
昔は僕一人だと、こんなにあっさり入る事が出来なかったんだよねぇ。
特部のお兄さん達に会わせて下さいって言っても駄目だの一点張りで、用事があっても会わせてもらえない状態だったんだよ。まぁ、アル兄や他の特部の兄さん達がちゃんと受付まで迎えに来てくれたから問題なかったけどね。
特部の小会議室兼休憩室の扉をノックして開ける。
「こんにちは~。今大丈夫?」
ちょっとだけ顔を出して声を掛ける。
「「「ラル!」」」
「いらっしゃいラル」
「大丈夫だ、入って来い」
レノ兄の許可で入室し、その場にいた兄さん達に声を掛ける。
「アル兄レノ兄数日振り~♪レン兄ウィル兄トゥー兄久し振り~♪」
ウィオラル=ティクス様……ウィル兄は東小大陸の王族で召喚士、トゥーサー=スナウザー様……トゥー兄はここデ・マームの東にある砂漠の民で紐使い。
召喚士は名の通り精霊や精獣等と契約を結び使役し召喚する者、紐使いは自身の魔力で紐を自在に操る。
紐使いと言われて弱そうと思う人は多いかもだけど、このトゥー兄、ランクは伝説級で、鉄鋼石を簡単に貫通する強度の紐まで作れるのだ。
ここデ・マームは、知り合いが多く集まる場所だ。聖騎士団の特殊部隊の兄さん達含む騎士団員達に、世界各地の物を取り扱う商人として有名なファーグ家の商人達、街の一部の子供達とも顔見知りだ。
僕にとってこのデ・マームは、遊び場と言って良いくらいには馴染みのある場所でもある。ラファス兄との旅で、特によく来る場所だったからね。
「僕は聖騎士団本部に顔を出して来るよ。この前僕を助けてくれた隊長達にも、再度お礼を言っとかなきゃだしね」
「僕も行くよ!君の保護者として!」
「来んな」
誰が誰の保護者だって?寝言は寝て言え。僕の保護者はラファス兄一択だ。
因みに母さんは保護者枠でなく家族枠。母さんは元人間だから、赤の血族とはどうしても差が出るんだよ。僕の場合、色合いは赤じゃないけど、紛れもない赤の血族だしね。
そもそも、この“赤”は、色合いではなく血筋の意味合いだ。古代精霊王の血を継ぐ者達=赤なのだ。つまり、精霊では流す事のない赤い血が流れてるって意味合いだから、容姿の色合いは関係ない。精霊人は人間同様赤い血が流れてるって事で、古代精霊の火の長が、容姿も火の属性をと言い出し、他の長は偏らせるなんてと言い合いになった為、第一子は赤、第二子以降は赤以外の属性になったそうだ。だから、もし僕に将来子供が出来たらその第一子は赤、第二子は赤以外になる。
赤の血族を育てるのは当然赤の血族で、父さんのいない僕の保護者は当然ラファス兄になる。
もし、赤の血族の保護者がいなかった場合は精霊達が精霊界にいる古代精霊王に報告するんじゃないかなぁ?そうなったら古代精霊の長達が精霊界から出て来そうだ……。
うん、ラファス兄がいて良かった。
保護者代理だったら、聖騎士団の特殊部隊の兄さん達に頼めばいいだけだし、古代精霊の長達にはご遠慮願おう。まぁ、この兄さんに代理と言えど、保護者をさせるぐらいなら保護者なんていらないから。
「保護者名乗る気なら、僕に勝ってからにしろ」
「そうは言ってもラファールは子供なんだから、保護者いるよね?!」
「いらない。僕聖騎士団の本部は顔パスだから」
「えっ、何その羨ましい話は!何で何で?!」
「複数の聖騎士団員達と知り合いだから。僕の後付いてきたり、僕の名前出して本部に近付いたりしたら不審者として捕まっても知らないから」
「そんな大袈裟な」
「前にあったんだよね~。無断で本部の奥に入ろうとして捕まったからって僕を持ち出した人達が。当然僕の知らない人達だし不審者として捕まったけど、兄さんが捕まったら僕知らない人って言うからね。忠告したのに聞かない方が悪いよね?」
「そっ、そんな!」
「本来部外者は内部に入れないからね。僕は度々協力してるから。メカエンジニアとしても剣士としても。兄さんは聖騎士団に認められる程の腕はないよね」
僕が兄さんをじとっと見てるとアーヤが呆れた声を出す。
「お兄さんにラルの保護者なんて無理に決まってるじゃない。そもそも、実力も資金力もあるラルに、その辺の人が保護者なんかに務まる訳ないわよ」
「保護者ってのは、僕を何からも助け、保護出来る人の事だよ。年齢だけで出来るなんて思わないでね」
因みに、アーヤとセスの保護者は誰が何と言おうとこの僕だ。この兄さんに二人の保護者を名乗らせる気はない。
「じゃあ僕は聖騎士団本部行ってくる」
兄さんを放置して、アーヤとセスに声を掛ける。
「「行ってらっしゃい」」
騎士団本部前に着いて、受付の騎士団員に声を掛ける。
「こんにちは~。特殊部隊の兄さん達に会いたいんだけど、通ってもいい?」
「ラファールじゃないか!いいぞ、通れ通れ」
「わぁ~い、ありがとう~♪」
僕がそのまま奥へと入って行く。
昔は僕一人だと、こんなにあっさり入る事が出来なかったんだよねぇ。
特部のお兄さん達に会わせて下さいって言っても駄目だの一点張りで、用事があっても会わせてもらえない状態だったんだよ。まぁ、アル兄や他の特部の兄さん達がちゃんと受付まで迎えに来てくれたから問題なかったけどね。
特部の小会議室兼休憩室の扉をノックして開ける。
「こんにちは~。今大丈夫?」
ちょっとだけ顔を出して声を掛ける。
「「「ラル!」」」
「いらっしゃいラル」
「大丈夫だ、入って来い」
レノ兄の許可で入室し、その場にいた兄さん達に声を掛ける。
「アル兄レノ兄数日振り~♪レン兄ウィル兄トゥー兄久し振り~♪」
ウィオラル=ティクス様……ウィル兄は東小大陸の王族で召喚士、トゥーサー=スナウザー様……トゥー兄はここデ・マームの東にある砂漠の民で紐使い。
召喚士は名の通り精霊や精獣等と契約を結び使役し召喚する者、紐使いは自身の魔力で紐を自在に操る。
紐使いと言われて弱そうと思う人は多いかもだけど、このトゥー兄、ランクは伝説級で、鉄鋼石を簡単に貫通する強度の紐まで作れるのだ。
0
お気に入りに追加
101
あなたにおすすめの小説
【完結】選ばれなかった王女は、手紙を残して消えることにした。
曽根原ツタ
恋愛
「お姉様、私はヴィンス様と愛し合っているの。だから邪魔者は――消えてくれない?」
「分かったわ」
「えっ……」
男が生まれない王家の第一王女ノルティマは、次の女王になるべく全てを犠牲にして教育を受けていた。
毎日奴隷のように働かされた挙句、将来王配として彼女を支えるはずだった婚約者ヴィンスは──妹と想いあっていた。
裏切りを知ったノルティマは、手紙を残して王宮を去ることに。
何もかも諦めて、崖から湖に飛び降りたとき──救いの手を差し伸べる男が現れて……?
★小説家になろう様で先行更新中
好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
多産を見込まれて嫁いだ辺境伯家でしたが旦那様が閨に来ません。どうしたらいいのでしょう?
あとさん♪
恋愛
「俺の愛は、期待しないでくれ」
結婚式当日の晩、つまり初夜に、旦那様は私にそう言いました。
それはそれは苦渋に満ち満ちたお顔で。そして呆然とする私を残して、部屋を出て行った旦那様は、私が寝た後に私の上に伸し掛かって来まして。
不器用な年上旦那さまと割と飄々とした年下妻のじれじれラブ(を、目指しました)
※序盤、主人公が大切にされていない表現が続きます。ご気分を害された場合、速やかにブラウザバックして下さい。ご自分のメンタルはご自分で守って下さい。
※小説家になろうにも掲載しております
ドアマットヒロインはごめん被るので、元凶を蹴落とすことにした
月白ヤトヒコ
ファンタジー
お母様が亡くなった。
それから程なくして――――
お父様が屋敷に見知らぬ母子を連れて来た。
「はじめまして! あなたが、あたしのおねえちゃんになるの?」
にっこりとわたくしを見やるその瞳と髪は、お父様とそっくりな色をしている。
「わ~、おねえちゃんキレイなブローチしてるのね! いいなぁ」
そう、新しい妹? が、言った瞬間・・・
頭の中を、凄まじい情報が巡った。
これ、なんでも奪って行く異母妹と家族に虐げられるドアマット主人公の話じゃね?
ドアマットヒロイン……物語の主人公としての、奪われる人生の、最初の一手。
だから、わたしは・・・よし、とりあえず馬鹿なことを言い出したこのアホをぶん殴っておこう。
ドアマットヒロインはごめん被るので、これからビシバシ躾けてやるか。
ついでに、「政略に使うための駒として娘を必要とし、そのついでに母親を、娘の世話係としてただで扱き使える女として連れて来たものかと」
そう言って、ヒロインのクズ親父と異母妹の母親との間に亀裂を入れることにする。
フハハハハハハハ! これで、異母妹の母親とこの男が仲良くわたしを虐げることはないだろう。ドアマットフラグを一つ折ってやったわっ!
うん? ドアマットヒロインを拾って溺愛するヒーローはどうなったかって?
そんなの知らん。
設定はふわっと。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる