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~ライトフォーマー周辺~
昔話に華が咲く?
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「僕はラファール。ラファール=フォーゼ。お兄さん達の名前は何て言うの?」
僕の言葉に定期便馬車の護衛をしてた騎士の兄さん達が、名乗ってない事に気付く。
「済みません。名乗り忘れてました。私はユーファン。ユーファン=フラーク」
「俺はゼルツだ。ゼルツ=ラファン」
「ガンガル=フィズ」
「ヴァルス=バーンな」
(ユーファン兄は深緑の髪に青緑の瞳で眼鏡あり、ゼルツ兄は藍色の髪に赤紫の瞳、ガンガル兄は黒髪にダークグリーンの瞳でヴァルス兄は赤茶の髪にオレンジの瞳か。よし、覚えた。多分)
因みにウィルヴァルおじさんは金髪に琥珀の瞳だ。
兄さん達の顔を一人一人見て名前を呼ぶ。
「ユーファン兄にゼルツ兄、ガンガル兄とヴァルス兄、だね。じゃあ明日からの道中頑張ろうね!そういえば、皆武器は剣で良いの?今なら得意武器の申告あれば、僕も入手して教えられるけど……ユーファン兄とガンガル兄は得意武器、剣じゃないよね?」
「えっ、見ただけで分かるんですか?」
「癖、出てるか?」
「何となく重心とかがズレてるっぽい?ユーファン兄は暗器?ガンガル兄は今はないっぽいけど普段は背中に掛ける物かな?」
僕の言葉に呆然とする四人。
(ああ、一応他の二人の騎士も知ってるんだな)
「あははっ、何この子、恐ぇわぁ~!」
笑いながら言うゼルツ兄。顔と言葉が合ってない。ウィルヴァルおじさんは相変わらずニヤニヤしてる。
「良い機会だ。この道中、ラファールにしっかり教えてもらうぞ!ラファール、ビシバシ鍛えてくれ!」
「僕これでも未熟なんだけどなぁ~」
「おいおい、お前ん所の基準で考えんな?お前は巨鳥のディール、帝王リ・ガングァを一人で倒せる実力者だろ。しかもあれ、7才でだったか?」
ウィルヴァルおじさんの言葉に固まる四人。この世界でリ・ガングァは、ドラゴンと同じぐらい有名で、強い魔物だ。リ・ガングァは毒羽根を飛ばし炎を吐き出す、言わば小型の鳥型ドラゴンだ。
ただ、小型と言っても一個体は10~15メーゼ(※メーゼ=mなので10~15m)以上あり、翼を広げたら30メーゼ以上になるぐらいの大きさだ。その上こっちの魔法をその大きな翼で吹きと飛ばしたり巨体に似合わぬ俊敏さで避けたりする特性を持ち、かなり厄介な魔物だ。
その性格は獰猛で、ディールの中でも出合いたくない魔物の上位に君臨する魔物で、見付けたら即討伐隊を組み、最低でも15人以上のパーティーを組めと言われる凶悪魔物だったりする。
「ほっ……本当ですか?隊長……」
ユーファン兄がウィルヴァルおじさんに恐る恐る聞いている。
「俺ぁ見たぞ。このラファールが、他でもない俺の騎士任命式に貰った騎士の剣で、一人リ・ガングァをぶっ倒した所をなぁ」
「はあ?隊長の剣で?!」
「騎士の剣……」
「おいおい、マジでか?!」
ゼルツ兄、ガンガル兄、ヴァルス兄の順に声をあげ、ユーファン兄が疑問を口にする。
何せ騎士の剣は魔法剣でもなく、極々普通の一般の剣で、そこらの一般の剣より見映えが良いってだけの剣だ。実戦向きではあるが、あくまで下級や中級クラスまでの実戦向きだ。リ・ガングァのような強くてでかい魔物向きじゃない。
「……何故、隊長の剣で?」
「ああ、それな、ラファールの兄貴が『魔力剣だから勝てただ何だと後々下らん言い掛かりを付けられると面倒だ。騎士の剣でも勝てる事を証明してやる。誰かラファールに貸す気のある奴はいないか?』って言ってきたから、じゃあ俺のでどうだとなった訳さ!」
貸す方も無謀だよなと心の声が聞こえそうだ。普通なら確実に折れたり曲がったりするからね。
「その頃ウィルヴァルおじさんはまだ隊長じゃなかったけどね。他の騎士達は騎士の命を貸せるかって言ってたけど、証人になった他の十数名の騎士達は元気?ウィルヴァルおじさん以外あんま見ないんだけど?」
「ああ、半数近くはあの後辞めたなぁ。騎士でいる自信を無くしたとか言ってな。まぁ自分より小っこい子供に実力の違い見せ付けられたからって辞めるような奴ぁ遅かれ早かれ辞めただろうよ。因みに俺の剣は、リ・ガングァを倒しても折れなかった剣って事で替えてくれって奴が何人もいたが、当然替えてなんぞやるもんか!俺を羨む前に貸さなかった自分の落ち度を嘆けってんだ」
フフンッと胸を張るウィルバルおじさん。退治したのは僕だけどね。
ユーファン兄が真面目な顔で僕と向き直り、頭を下げる。
「私は剣と、暗器では遠距離型投擲ナイフ、仕掛け針、魔銃弾銃です。剣以外も鍛えていただける物がありましたら鍛練を宜しくお願いします」
「俺は剣と二刀流小太刀、時々弓を扱う。俺も剣含めて出来る物の指導を頼む」
「承ります♪大丈夫、僕剣以外の武器も一通り全部叩き込まれたからね」
「「「「一通り……」」」」
「相変わらずお前の兄ちゃん凄ぇなぁ……。お前に教えたの、あの兄ちゃんだろ?」
「うん、勿論!僕の兄さんは僕の大好きな自慢の兄さんさ♪」
「教わって身に付いたラファールも凄いけどなぁ」
「ありがとう。兄さんは僕の目標だからね♪」
ラファス兄は父さんがスパルタだったから、リ・ガングァを5才で倒したらしいんだよね。
僕の言葉に定期便馬車の護衛をしてた騎士の兄さん達が、名乗ってない事に気付く。
「済みません。名乗り忘れてました。私はユーファン。ユーファン=フラーク」
「俺はゼルツだ。ゼルツ=ラファン」
「ガンガル=フィズ」
「ヴァルス=バーンな」
(ユーファン兄は深緑の髪に青緑の瞳で眼鏡あり、ゼルツ兄は藍色の髪に赤紫の瞳、ガンガル兄は黒髪にダークグリーンの瞳でヴァルス兄は赤茶の髪にオレンジの瞳か。よし、覚えた。多分)
因みにウィルヴァルおじさんは金髪に琥珀の瞳だ。
兄さん達の顔を一人一人見て名前を呼ぶ。
「ユーファン兄にゼルツ兄、ガンガル兄とヴァルス兄、だね。じゃあ明日からの道中頑張ろうね!そういえば、皆武器は剣で良いの?今なら得意武器の申告あれば、僕も入手して教えられるけど……ユーファン兄とガンガル兄は得意武器、剣じゃないよね?」
「えっ、見ただけで分かるんですか?」
「癖、出てるか?」
「何となく重心とかがズレてるっぽい?ユーファン兄は暗器?ガンガル兄は今はないっぽいけど普段は背中に掛ける物かな?」
僕の言葉に呆然とする四人。
(ああ、一応他の二人の騎士も知ってるんだな)
「あははっ、何この子、恐ぇわぁ~!」
笑いながら言うゼルツ兄。顔と言葉が合ってない。ウィルヴァルおじさんは相変わらずニヤニヤしてる。
「良い機会だ。この道中、ラファールにしっかり教えてもらうぞ!ラファール、ビシバシ鍛えてくれ!」
「僕これでも未熟なんだけどなぁ~」
「おいおい、お前ん所の基準で考えんな?お前は巨鳥のディール、帝王リ・ガングァを一人で倒せる実力者だろ。しかもあれ、7才でだったか?」
ウィルヴァルおじさんの言葉に固まる四人。この世界でリ・ガングァは、ドラゴンと同じぐらい有名で、強い魔物だ。リ・ガングァは毒羽根を飛ばし炎を吐き出す、言わば小型の鳥型ドラゴンだ。
ただ、小型と言っても一個体は10~15メーゼ(※メーゼ=mなので10~15m)以上あり、翼を広げたら30メーゼ以上になるぐらいの大きさだ。その上こっちの魔法をその大きな翼で吹きと飛ばしたり巨体に似合わぬ俊敏さで避けたりする特性を持ち、かなり厄介な魔物だ。
その性格は獰猛で、ディールの中でも出合いたくない魔物の上位に君臨する魔物で、見付けたら即討伐隊を組み、最低でも15人以上のパーティーを組めと言われる凶悪魔物だったりする。
「ほっ……本当ですか?隊長……」
ユーファン兄がウィルヴァルおじさんに恐る恐る聞いている。
「俺ぁ見たぞ。このラファールが、他でもない俺の騎士任命式に貰った騎士の剣で、一人リ・ガングァをぶっ倒した所をなぁ」
「はあ?隊長の剣で?!」
「騎士の剣……」
「おいおい、マジでか?!」
ゼルツ兄、ガンガル兄、ヴァルス兄の順に声をあげ、ユーファン兄が疑問を口にする。
何せ騎士の剣は魔法剣でもなく、極々普通の一般の剣で、そこらの一般の剣より見映えが良いってだけの剣だ。実戦向きではあるが、あくまで下級や中級クラスまでの実戦向きだ。リ・ガングァのような強くてでかい魔物向きじゃない。
「……何故、隊長の剣で?」
「ああ、それな、ラファールの兄貴が『魔力剣だから勝てただ何だと後々下らん言い掛かりを付けられると面倒だ。騎士の剣でも勝てる事を証明してやる。誰かラファールに貸す気のある奴はいないか?』って言ってきたから、じゃあ俺のでどうだとなった訳さ!」
貸す方も無謀だよなと心の声が聞こえそうだ。普通なら確実に折れたり曲がったりするからね。
「その頃ウィルヴァルおじさんはまだ隊長じゃなかったけどね。他の騎士達は騎士の命を貸せるかって言ってたけど、証人になった他の十数名の騎士達は元気?ウィルヴァルおじさん以外あんま見ないんだけど?」
「ああ、半数近くはあの後辞めたなぁ。騎士でいる自信を無くしたとか言ってな。まぁ自分より小っこい子供に実力の違い見せ付けられたからって辞めるような奴ぁ遅かれ早かれ辞めただろうよ。因みに俺の剣は、リ・ガングァを倒しても折れなかった剣って事で替えてくれって奴が何人もいたが、当然替えてなんぞやるもんか!俺を羨む前に貸さなかった自分の落ち度を嘆けってんだ」
フフンッと胸を張るウィルバルおじさん。退治したのは僕だけどね。
ユーファン兄が真面目な顔で僕と向き直り、頭を下げる。
「私は剣と、暗器では遠距離型投擲ナイフ、仕掛け針、魔銃弾銃です。剣以外も鍛えていただける物がありましたら鍛練を宜しくお願いします」
「俺は剣と二刀流小太刀、時々弓を扱う。俺も剣含めて出来る物の指導を頼む」
「承ります♪大丈夫、僕剣以外の武器も一通り全部叩き込まれたからね」
「「「「一通り……」」」」
「相変わらずお前の兄ちゃん凄ぇなぁ……。お前に教えたの、あの兄ちゃんだろ?」
「うん、勿論!僕の兄さんは僕の大好きな自慢の兄さんさ♪」
「教わって身に付いたラファールも凄いけどなぁ」
「ありがとう。兄さんは僕の目標だからね♪」
ラファス兄は父さんがスパルタだったから、リ・ガングァを5才で倒したらしいんだよね。
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