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本編
6 妖精界の入り口と妖精の王
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三人の妖精達は人に化けて、各々お菓子やお菓子作りの道具、材料等を入手する為に、認識阻害の魔法を掛けた馬車を店に横付けし、リリシアーナを馬車の中で待たせたまま、二人が店で買い物し、一人はリリシアーナと一緒に待機する。
大量に買い過ぎるとさすがに目立つので、その分多くの店を回る。
大きな街だし、認識阻害も有るので、店によっては二度三度と入っても、同一の客だと認識されないだろう。
そうして荷馬車の中をお菓子や材料、道具等で埋めていき、道中の食べ物と飲み物を買って街を出て、妖精界の入り口へと向かう。
妖精の王は、妖精界でリリシアーナが来るのを待っていた。
妖精の王や女王は基本、妖精界から出ない。
自身との波長が合い、相性がとても良い者が世界に産み落とされた時に祝福を与えに行く時か、妖精界に属する愛し子の付き添いをする時ぐらいだ。
因みに妖精界は魔素が溢れていて、本来飲食は必要としない。
人間でも、空腹や脱水状態になる事は無く、嗜好として口にする程度。
そして、本や暇潰しになる物や道具の無い妖精界で長い年月を過ごすとなると、人間によっては堪えられない苦痛になる者も居る。
それ故に、人間界に戻る愛し子もいるが、大概の愛し子は人間界に戻っても、馴染む事が出来ない。
妖精界と人間界の時間の流れが違う為、知り合いや家族は既に亡くなられているか、居ても別人のような年月の変わり様に、受け入れ難くなるからだ。
それを理解している妖精の王や女王は、妖精界に足を運んだ愛し子に付き添い、人間界に足を運ぶ事もある。
妖精の王や女王は、愛し子に祝福を与えた時に愛し子との繋がりが出来、どれ程遠く離れていようと、愛し子からの感情を読み取る事が出来るからだ。
それ故、妖精の王や女王にとって、愛し子の幸せが何よりで、住む場所が人間界でも妖精界でも大差無い。
だからこそ、リリシアーナの心配は杞憂でしか無いのだ。
愛し子のリリシアーナが、一時、妖精を拒んでいたのは知っている。
だが、リリシアーナを祝福した妖精の王からすれば、それは些細な事でしか無い。
仮に、父親がリリシアーナの言葉を信じ、フィオナを安らかに眠らせ、リリシアーナが家督を継ぎ、妖精達と距離を置いたまま一生を終えたとしても、構わなかった。
リリシアーナを祝福した妖精の王にとって、リリシアーナが幸せに生きる事が、最大の喜びなのだ。
そんなリリシアーナに絶望を与え捨てた者達に、手を差し伸べる気は更々無いが、妖精達との共存共生を選ばせた事には褒めてやりたい。
「ああ、我が愛しき娘。ここに君を傷付ける者は居ない。ここで存分に心の傷を癒すが良い。私が君を甘やかし、その命が尽きるまで、君を愛し、慈しみ続けよう。だから、そう不安がる事は無い。私がずっと護り続けてみせるから。だから、早くおいで。私がずっと傍に居るから」
大量に買い過ぎるとさすがに目立つので、その分多くの店を回る。
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妖精の王は、妖精界でリリシアーナが来るのを待っていた。
妖精の王や女王は基本、妖精界から出ない。
自身との波長が合い、相性がとても良い者が世界に産み落とされた時に祝福を与えに行く時か、妖精界に属する愛し子の付き添いをする時ぐらいだ。
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そして、本や暇潰しになる物や道具の無い妖精界で長い年月を過ごすとなると、人間によっては堪えられない苦痛になる者も居る。
それ故に、人間界に戻る愛し子もいるが、大概の愛し子は人間界に戻っても、馴染む事が出来ない。
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それを理解している妖精の王や女王は、妖精界に足を運んだ愛し子に付き添い、人間界に足を運ぶ事もある。
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それ故、妖精の王や女王にとって、愛し子の幸せが何よりで、住む場所が人間界でも妖精界でも大差無い。
だからこそ、リリシアーナの心配は杞憂でしか無いのだ。
愛し子のリリシアーナが、一時、妖精を拒んでいたのは知っている。
だが、リリシアーナを祝福した妖精の王からすれば、それは些細な事でしか無い。
仮に、父親がリリシアーナの言葉を信じ、フィオナを安らかに眠らせ、リリシアーナが家督を継ぎ、妖精達と距離を置いたまま一生を終えたとしても、構わなかった。
リリシアーナを祝福した妖精の王にとって、リリシアーナが幸せに生きる事が、最大の喜びなのだ。
そんなリリシアーナに絶望を与え捨てた者達に、手を差し伸べる気は更々無いが、妖精達との共存共生を選ばせた事には褒めてやりたい。
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