796 / 803
後日談
17 (レオン視点)
しおりを挟む
レオンは周囲に助言を求めるが、周囲の大人達はレオンに冷たかった。
まぁ、それも仕方無いだろう。
何せ、周囲の大人達は、レオンにエリオールとの顔合わせをしろと、エリオールがディーランに滞在しだした最初の頃に何度も忠告していたのだから。
因みに、エリオールがディーランに滞在して、一月程が経っていた。
元々レオンは再教育中だったので、自由に使える時間は殆ど無く、学院の長期休暇に入った所で、スケジュールは詰め込まれていて、睡眠や食事等の時間を抜けば、週に一時間程の自由時間が取れれば良い方だろう。
そうして出来た時間も、レオンは読書や予習復習、ジェフとの雑談と言う名の勉強等に費やす事が多い。
無意識だろうが、レオンは失恋の傷を少しでも軽減、もしくは忘れる為に、自由な時間を埋めていた部分も有るのだろう。
エドワルドとリラが結婚して、半年も経っていない時期なのだ。
とは言え、相手は人妻。その伴侶は王弟の叔父。
その上二人は、義務や政略等の絡まない、相思相愛の溺愛婚。
嫌と言う程思い知ったのは、結婚式でのイチャイチャと、聖堂での説教だ。
レオンに限らず誰であろうと、邪魔する者は容赦無く潰される事は目に見えている。
完膚なきまでの敗北で、叶わぬ恋だと理解しているし、レオンは王太子だから、いずれは相手が必要で、その為に大人達が相手を選び、薦めてくるのも理解は出来る。
「ただ、それでも、もう少し先の話だと思っていたし、そんなに直ぐに、理想の相手や好感の持てる相手が現れるなんて、思ってもいなかったんだ……」
机に突っ伏し、ジェフにぼやくレオン。
「馬鹿ですか貴方は。貴方にとって相性の良い相手でなければ、態々他国から連れて来る事は無いし、時間を掛ければ掛けた分だけ、優良物件は他に取られて居なくなりますよ。実際エリオール姫は、他の領域だろうと大国だろうと、充分王妃として成り得る力量の持ち主です。その姫と顔合わせすらせず、何らかのやり取りもせずに一月も放置していたのだから、振られても仕方が無い案件ですよ。まさか、振られる筈は無い、なんて妙な自信を抱いていませんよね?エリオール姫は今まで貴方に近付こうとした貴族令嬢とは違いますし、選ぶ権利は彼女にも有ります。そこの所を確りと理解して下さいね」
ジェフの、身を切り刻むような冷たい視線と言葉に、レオンは当然言い返せない。
「ジェフはショーン国の事はどれだけ知ってるの?」
「一般常識程度には」
騙されてはいけない。
ジェフの言う一般常識とは、エヴァンス家基準で有り、普通の貴族の一般常識とは別物だ。
その事を散々理解させられてるレオンは、ジェフに冷たい視線を向けられながらも、ジェフに助言を求める事にした。
まぁ、それも仕方無いだろう。
何せ、周囲の大人達は、レオンにエリオールとの顔合わせをしろと、エリオールがディーランに滞在しだした最初の頃に何度も忠告していたのだから。
因みに、エリオールがディーランに滞在して、一月程が経っていた。
元々レオンは再教育中だったので、自由に使える時間は殆ど無く、学院の長期休暇に入った所で、スケジュールは詰め込まれていて、睡眠や食事等の時間を抜けば、週に一時間程の自由時間が取れれば良い方だろう。
そうして出来た時間も、レオンは読書や予習復習、ジェフとの雑談と言う名の勉強等に費やす事が多い。
無意識だろうが、レオンは失恋の傷を少しでも軽減、もしくは忘れる為に、自由な時間を埋めていた部分も有るのだろう。
エドワルドとリラが結婚して、半年も経っていない時期なのだ。
とは言え、相手は人妻。その伴侶は王弟の叔父。
その上二人は、義務や政略等の絡まない、相思相愛の溺愛婚。
嫌と言う程思い知ったのは、結婚式でのイチャイチャと、聖堂での説教だ。
レオンに限らず誰であろうと、邪魔する者は容赦無く潰される事は目に見えている。
完膚なきまでの敗北で、叶わぬ恋だと理解しているし、レオンは王太子だから、いずれは相手が必要で、その為に大人達が相手を選び、薦めてくるのも理解は出来る。
「ただ、それでも、もう少し先の話だと思っていたし、そんなに直ぐに、理想の相手や好感の持てる相手が現れるなんて、思ってもいなかったんだ……」
机に突っ伏し、ジェフにぼやくレオン。
「馬鹿ですか貴方は。貴方にとって相性の良い相手でなければ、態々他国から連れて来る事は無いし、時間を掛ければ掛けた分だけ、優良物件は他に取られて居なくなりますよ。実際エリオール姫は、他の領域だろうと大国だろうと、充分王妃として成り得る力量の持ち主です。その姫と顔合わせすらせず、何らかのやり取りもせずに一月も放置していたのだから、振られても仕方が無い案件ですよ。まさか、振られる筈は無い、なんて妙な自信を抱いていませんよね?エリオール姫は今まで貴方に近付こうとした貴族令嬢とは違いますし、選ぶ権利は彼女にも有ります。そこの所を確りと理解して下さいね」
ジェフの、身を切り刻むような冷たい視線と言葉に、レオンは当然言い返せない。
「ジェフはショーン国の事はどれだけ知ってるの?」
「一般常識程度には」
騙されてはいけない。
ジェフの言う一般常識とは、エヴァンス家基準で有り、普通の貴族の一般常識とは別物だ。
その事を散々理解させられてるレオンは、ジェフに冷たい視線を向けられながらも、ジェフに助言を求める事にした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9,204
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる