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後日談

17 (レオン視点)

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 レオンは周囲に助言を求めるが、周囲の大人達はレオンに冷たかった。

 まぁ、それも仕方無いだろう。

 何せ、周囲の大人達は、レオンにエリオールとの顔合わせをしろと、エリオールがディーランに滞在しだした最初の頃に何度も忠告していたのだから。

 因みに、エリオールがディーランに滞在して、一月程が経っていた。

 元々レオンは再教育中だったので、自由に使える時間は殆ど無く、学院の長期休暇に入った所で、スケジュールは詰め込まれていて、睡眠や食事等の時間を抜けば、週に一時間程の自由時間が取れれば良い方だろう。

 そうして出来た時間も、レオンは読書や予習復習、ジェフとの雑談と言う名の勉強等に費やす事が多い。

 無意識だろうが、レオンは失恋の傷を少しでも軽減、もしくは忘れる為に、自由な時間を埋めていた部分も有るのだろう。

 エドワルドとリラが結婚して、半年も経っていない時期なのだ。

 とは言え、相手は人妻。その伴侶は王弟の叔父。

 その上二人は、義務や政略等の絡まない、相思相愛の溺愛婚。

 嫌と言う程思い知ったのは、結婚式でのイチャイチャと、聖堂での説教だ。

 レオンに限らず誰であろうと、邪魔する者は容赦無く潰される事は目に見えている。

 完膚なきまでの敗北で、叶わぬ恋だと理解しているし、レオンは王太子だから、いずれは相手が必要で、その為に大人達が相手を選び、薦めてくるのも理解は出来る。


「ただ、それでも、もう少し先の話だと思っていたし、そんなに直ぐに、理想の相手や好感の持てる相手が現れるなんて、思ってもいなかったんだ……」


 机に突っ伏し、ジェフにぼやくレオン。


「馬鹿ですか貴方は。貴方にとって相性の良い相手でなければ、態々他国から連れて来る事は無いし、時間を掛ければ掛けた分だけ、優良物件は他に取られて居なくなりますよ。実際エリオール姫は、他の領域だろうと大国だろうと、充分王妃として成り得る力量の持ち主です。その姫と顔合わせすらせず、何らかのやり取りもせずに一月も放置していたのだから、振られても仕方が無い案件ですよ。まさか、振られる筈は無い、なんて妙な自信を抱いていませんよね?エリオール姫は今まで貴方に近付こうとした貴族令嬢とは違いますし、選ぶ権利は彼女にも有ります。そこの所を確りと理解して下さいね」


 ジェフの、身を切り刻むような冷たい視線と言葉に、レオンは当然言い返せない。


「ジェフはショーン国の事はどれだけ知ってるの?」

「一般常識程度には」


 騙されてはいけない。

 ジェフの言う一般常識とは、エヴァンス家基準で有り、普通の貴族の一般常識とは別物だ。

 その事を散々理解させられてるレオンは、ジェフに冷たい視線を向けられながらも、ジェフに助言を求める事にした。
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