氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 双子達はそのままリラに保護され、エヴァンス領へと一緒に行くのだが、その時の護衛をしていたダンの強さに惚れ込み、弟子にしてと頼み込んで、大恩有るリラに忠誠を誓う形になったのだ。

 そして双子達がエヴァンス家に来て二年目のある日、リラとエドワルドが婚約し、王宮でアナスタシアの護衛や、ローズウッド公爵のバルトと会える事になる。

 エドワルドがリラと婚姻後に、ローズウッド領へと連れて行って貰い、帰って来て少し経った頃。

 クルルフォーン家に、初めて会うお客が現れた。


「ああ。君達がルナさんとルネ君だね?父から君達の事は話に聞いているよ」

「「……だあれ?」」

『初めまして。私は君達の知っているローズウッド公爵、バルト=ローズウッドの次男で、ルークス=ローズウッドと言います。今日はクルルフォーン公爵で有るエドワルド様の許可を得て、夫人と君達に会いに来ました。父だけで無く、私達とも仲良くしてくれるかな?』


 ルークスがアイザーク語で話し掛けてくれたので、ルナとルネは目を輝かせる。


『『公爵様の会えてなかったご子息様!初めまして、ルナとルネです!……えっと、後ろの子は誰ですか???』』


 ルナとルネの視線の先、ルークスの後ろには可愛らしい令嬢が一人、ルークスの服の裾をキュッと握り締めて佇んで居る。

 年は十五才前後と言った所だろう。

 次男に婚約者や恋人、伴侶は居ないと聞いていたし、敵意は感じないので、誰だろうと思ったのだ。


「こちらは従妹のミリアムだよ。ミリー、ご挨拶を」

「初めまして、従妹のミリアム=ローレンと申します!バルト伯父様から『女の子で武芸に秀でた方が居る』と聞いて、お会いしてみたくて、ルーク兄様に連れて来て頂きましたの。わたくしも、多少なりとも武芸を嗜んでいるので、仲良くして頂けたらと思っております!ルナ様ルネ様、宜しくお願い致します」


 ミリアムの言葉に、双子は顔を見合わせた後、ミリアムに声を掛ける。


「様、要らない。二人共、ルナで良い!仲良くする、嬉しい!」

「ルネも、ルネで良い。ルークス様、ミリアム様、武芸、好き?」

「私もルーク、もしくはルーで良いよ。私は元々身体を動かすのが好きで、アレクシス国王陛下の近衛として働く程、武芸は好きだよ」

「わたくしも、ミリーとお呼び下さいませ。わたくしは……わたくしも、武芸は好きです」


 武芸は好きだと言うが、ミリアムは困ったような、落ち込んでいるような様子を見せる。


「「???」」


 双子が首を傾げると、ルークスがアイザーク語で説明してくれる。


『ミリーも身体を動かすのが好きで、令嬢にしてはかなり腕が立つんだけど、それを最近知った婚約者が、自分より強い女の子なんて嫌だと、大勢の人が集まる夜会で、ミリーに婚約破棄を独断で言い付け、相手の家と押し問答の最中なんだよ。当然、大勢の目撃者が居るから婚約は破棄になるだろうけど、好奇の目が多くてね。可愛らしい顔をして男よりも強いなんて、と陰口を叩く連中が多いんだよ』


 因みにローレン家は侯爵家で、セシル=ローズウッド夫人の実家に当たり、セイル家やローズウッド家程有名では無いものの、騎士を多く排出している家で有る。
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