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後日談

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「「ご迷惑をお掛けして、申し訳有りませんでした……」」


 その日、侯爵達は深々と頭を下げて誓約書にサインをし、アレクシスが両侯爵家に異議が無いかを最終確認してから、この会談を終了する。

 因みにここ数日、エヴァンス家に押し掛けていた事に対しての迷惑料や今後の接近禁止令も、きちんと追加されている。

 違反した場合は、勿論莫大な追加罰則金が発生する。

 過去に、当主不在のエヴァンス邸に押し掛け、幼いエヴァンス家の令嬢が、精神的被害を受ける事件が起き、それ以来アポ無しの客は受け付けて居ない事や、今回の押し掛けで、当時の使用人達に当時の事を思い起こさせて精神的苦痛を訴えられていた事、過去を思い出し不快だったとジーンに冷たく責められ、アレクシスからも叱責を受けたのは言うまでも無い。

 賠償金はかなりの額に膨れ上がったが、どれも自業自得だと一蹴されて、仮に侯爵達が異議を唱えても、正論で悉く言い負かされていた事だろう。

 そんな会談も無事終了し、ジーンはエドワルドにも事の顛末を教え、二人同時に帰路に発つ。

 目指すは最愛の妻達が居るクルルフォーン邸だ。

 エドワルドを先頭に、クルルフォーン邸の玄関を抜けてサロンに向かう。


「お帰りなさいませ、エド様、ジーンお兄様」

「お仕事お疲れ様でした。ジーン様、公爵様」


 二人の最愛の妻達は、今日もキラキラな笑顔で最愛の夫達を労う。

 今日はアナスタシアもクルルフォーン邸に来ていたが、アナスタシアはアレクシスから今日の会談の報告を早く聞きたかったので、会談が終わる頃には王宮に帰って行った。

 そして今は、一人目妊娠中のリラとアシュリーが仲良く並んで座って居る。


「ジーン様、先程リラ様のお腹の中で、お子様がポコンと挨拶をして下さいました。わたくし、とても嬉しかったです♪」

「そうか、もうお腹の中で動いているのか。出産予定日はまだ先だと聞いてはいたが、稀に早く産まれる時が有ると聞くから、産まれる前に帰って来れて良かった。私もお腹の子に挨拶をしたいが構わないか?」

「義兄上なら勿論構いません。きっと子供も喜びます。お二人共、是非晩餐もお付き合い下さい。私もお二人の休暇の話が聞きたいですから。それか、泊まられては如何ですか?リラも喜びますし、私も得る物が多く、嬉しいですから」


 そんな会話を交わし、のんびりまったりとした楽しい時間を過ごす。

 ジーンからすれば、愚者の相手をするよりも、最愛の妻と妹、義弟のエドワルドと過ごす時間の方が有意義だ。

 とは言え、この時間はご褒美とも言えるので、仕事の後は特に格別な癒やしとなる。

 こういった時こそジーンは、帰って来たんだなと、実感するのだった。
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