氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 エヴァンス家の報告通り、不当解雇された元ゴート家の使用人達は、それなりの教育を確り受けた使用人達だった。

 アシュリーの幼少時代を知り、幼少の頃とは言え、好みもきちんと覚えている。

 ゴート姓の血を引く者達は、勤勉で誠実な人柄が多い。

 そんな主人を支え、慕う使用人が多かったのだろう。

 ネイルがアシュリーの嫁ぎ先と親しく、数年後にはなるだろうが、アシュリーをお客様として迎える事も有るだろうと聞き、再就職を強く熱望した使用人達なので、主人夫妻が多少変わり者でも問題無いだろう。

 因みに、エヴァンス家の潜入組は、一応軟禁状態の使用人達と一緒に居て、未だに他の使用人達にはバレずに紛れ込んでいる。

 彼等は邸に居る他の使用人達の動向を監視する為に居残っていたのだ。

 勿論ネイルの方にはジーンからの報告が入っており、誰がエヴァンス家の使用人か把握済みだったりするのだ。

 本来で有ればエヴァンス家の使用人達が潜入している事は、誰にもバラさないのが通常だが、今回はジーンからネイルにアシュリーの故郷の領主になる事を願い出た為、協力を惜しむ気は無いからだ。

 普通の神経ならば、エヴァンス家に恐怖する事だろうが、ネイルは全く気にしない。

 ジョシュアもエヴァンス領の学校に通っていた経験が有る為か、感嘆する事は有るものの、恐怖と言うよりも目指すべき目標に近い。

 当然レイニーは脳筋寄りなので、至れり尽くせりで凄いなぁとしか思ってないが、イグルスは長年侯爵家の使用人として過ごして来た事も有り、その凄さを時折垣間見せられ、その度に若干引いてる状態で、絶対に敵に回してはいけない家だと強く思っている、ある意味真面な神経の持ち主と言えるだろう。

 不当解雇された使用人達にも、彼等の事情、主人の花嫁に相応しい相手を探す為、他家の結婚適齢期で有る令嬢が居る家に、短期雇用で雇って貰っていた事、ゴート家で不審な動きが有った為に長居していた事、何の罪も無いアシュリーが家を出なければいけない状況になり主人の家に保護して貰った事、アシュリーが貴族位を剥奪されゴート家の後継者が居なくなった事、主人が植物学者でも有るネイルがこの地の新しい領主になるよう国王陛下に働き掛けてくれた事等を間違いの無いように確りと説明する。

 邸に居る使用人達と同じ扱いをしないように、呉々も注意して欲しいとイグルスが忠告したのだった。

 勿論、他の邸に居る使用人達には、再教育と言う名の調きょ……躾は必要だから、貴族の使用人として問題無く使えるように、仕事を継続すると言う者達には、思う存分厳しく鍛えてくれと命じたら、皆が皆、良い笑顔で了承した。
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