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後日談
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ネイルの護衛の方は、昔から侯爵家に居た者で、名をイグルスと言う。
イグルスは元々、侯爵家の遠縁に当たる貴族の息子で、後継ぎでは無い為、ネイルの父が学院卒業後はウチで働かないかと声を掛けてくれたのだ。
その為、ネイルの事は幼い頃から知っていたし、オカン気し……面倒見の良いイグルスは、ネイルを弟のように可愛がり、ネイルの面倒をよく見ていた。
勿論、レイニーを新種の植物と同様な扱いをしていた事や、エヴァンス領の学校に植物学者が居るとどこからか聞き付け、貴族位を捨てるからエヴァンス領の学校に通わせて欲しい!と、エヴァンス家の当主に直談判しに行った事も知っている。
どちらも頭を抱えた事だし、ネイルにお小言を言っていた覚えも有るからだ。
そんなネイルが、レイニーを駆け落ちの如く家に連れ帰って来た時は、心の中で、それは新種の植物じゃないっ!!と叫んだりもしたが、レイニーの親が彼女を金持ちの老貴族に売り飛ばそうとしてたらしいから引き取って来たと言うネイルと、彼女の親が金持ちの老貴族に売り飛ばそうとした金額を手切れ金として渡し、軽く脅して念書も貰って来たので大丈夫ですと言うジョシュアに対し、縁切りまでしなくてもとぼやいたのだが、続くジョシュアの言葉に前言撤回した。
曰く、侯爵子息で顔が良いとは言え、嫡男では無いから、爵位も金も無いに等しいし、あの性格なら伝は親族だけで役に立たないだの、逆に負債を抱えそうだ等と好き勝手言っていたそうだ。
そのネイルが植物学者として誰もが名を知るようになり、財を築き、国王陛下から直々に爵位を賜る事になるとは思ってもいなかっただろう。
ネイルがレイニーに求婚していた時は、既に学者として稼ぎ始めていたのに、それすらも知らずに邪険に扱ったのだから、自業自得と言えよう。
イグルスの面倒見は物凄く良い方だが、それは懐に入った者、身内や家族、仲間と認識された者に限る。
この邸に居る使用人達の事は、エヴァンス子息で有るジーンからの手紙をネイルが直接イグルスとジョシュアに見せた為、詳細を知っている。
本来他者の評価を鵜呑みにするイグルスでは無いが、エヴァンス家の情報収集能力や、凄さの片鱗を、度々見せ付けられているので信用度も高く、疑うだけ無駄だと思っている。
そして、同僚と言った類いの仲間と見做す基準の高いイグルスが、その手紙で本来継ぐべき後継者だったアシュリーにやらかした使用人達を同僚と認める理由も無く、手紙の最後に『そちらの領民だから、処分は好きにして構わない。だが、奥方が被害に合う可能性や、ネイルの客に迷惑を掛ける可能性も考慮した方が良い事を助言する』との文面を確りと胸の奥に刻んだ。
「ジョシュア、貴族の使用人として相応しく有るよう、徹底的に再教育しろ。無能は切り捨ても良いが、二度と我々や他の貴族と接する事が無いようにしろよ?」
「勿論ですよ。任せて下さい」
ネイルが元ゴート家の使用人達に自己紹介している後ろで、最終確認と云わんばかりにこんな会話がなされていた事を、その場に居た元ゴート家の使用人達は全く気付きもしなかったのだった。
イグルスは元々、侯爵家の遠縁に当たる貴族の息子で、後継ぎでは無い為、ネイルの父が学院卒業後はウチで働かないかと声を掛けてくれたのだ。
その為、ネイルの事は幼い頃から知っていたし、オカン気し……面倒見の良いイグルスは、ネイルを弟のように可愛がり、ネイルの面倒をよく見ていた。
勿論、レイニーを新種の植物と同様な扱いをしていた事や、エヴァンス領の学校に植物学者が居るとどこからか聞き付け、貴族位を捨てるからエヴァンス領の学校に通わせて欲しい!と、エヴァンス家の当主に直談判しに行った事も知っている。
どちらも頭を抱えた事だし、ネイルにお小言を言っていた覚えも有るからだ。
そんなネイルが、レイニーを駆け落ちの如く家に連れ帰って来た時は、心の中で、それは新種の植物じゃないっ!!と叫んだりもしたが、レイニーの親が彼女を金持ちの老貴族に売り飛ばそうとしてたらしいから引き取って来たと言うネイルと、彼女の親が金持ちの老貴族に売り飛ばそうとした金額を手切れ金として渡し、軽く脅して念書も貰って来たので大丈夫ですと言うジョシュアに対し、縁切りまでしなくてもとぼやいたのだが、続くジョシュアの言葉に前言撤回した。
曰く、侯爵子息で顔が良いとは言え、嫡男では無いから、爵位も金も無いに等しいし、あの性格なら伝は親族だけで役に立たないだの、逆に負債を抱えそうだ等と好き勝手言っていたそうだ。
そのネイルが植物学者として誰もが名を知るようになり、財を築き、国王陛下から直々に爵位を賜る事になるとは思ってもいなかっただろう。
ネイルがレイニーに求婚していた時は、既に学者として稼ぎ始めていたのに、それすらも知らずに邪険に扱ったのだから、自業自得と言えよう。
イグルスの面倒見は物凄く良い方だが、それは懐に入った者、身内や家族、仲間と認識された者に限る。
この邸に居る使用人達の事は、エヴァンス子息で有るジーンからの手紙をネイルが直接イグルスとジョシュアに見せた為、詳細を知っている。
本来他者の評価を鵜呑みにするイグルスでは無いが、エヴァンス家の情報収集能力や、凄さの片鱗を、度々見せ付けられているので信用度も高く、疑うだけ無駄だと思っている。
そして、同僚と言った類いの仲間と見做す基準の高いイグルスが、その手紙で本来継ぐべき後継者だったアシュリーにやらかした使用人達を同僚と認める理由も無く、手紙の最後に『そちらの領民だから、処分は好きにして構わない。だが、奥方が被害に合う可能性や、ネイルの客に迷惑を掛ける可能性も考慮した方が良い事を助言する』との文面を確りと胸の奥に刻んだ。
「ジョシュア、貴族の使用人として相応しく有るよう、徹底的に再教育しろ。無能は切り捨ても良いが、二度と我々や他の貴族と接する事が無いようにしろよ?」
「勿論ですよ。任せて下さい」
ネイルが元ゴート家の使用人達に自己紹介している後ろで、最終確認と云わんばかりにこんな会話がなされていた事を、その場に居た元ゴート家の使用人達は全く気付きもしなかったのだった。
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