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後日談

10 (おまけ)

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 翌朝、ジーンの腕の中で目覚めたアシュリーは、現状に驚くも、眠りに落ちる前の事を思い出し、あまりの恥ずかしさに逃げ出そうとするが、ジーンの腕がガッチリとアシュリーを捕らえているので身動きも碌に出来ずに抜け出せない。

 そもそもジーンから逃げ出せれる筈も無く、隠れられないのならと、そのまま引っ付いてくるアシュリーに、起きていたジーンは内心悶える。

 そのまま寝惚けた振りをして、アシュリーに愛を囁き悪戯し、アシュリーがあまりにも可愛い反応を見せるから、ジーンは本格的にアシュリーを貪り、アシュリーと朝から甘く濃厚な時間を過ごす。


「おっ……お義母様とお義父様に、ご挨拶がぁっ……」

「大丈夫だよ。両親には三日はアーシュと仲良く部屋に籠ると言って有るし、恋愛婚だと三日間は籠って、その後も傍から離れないのが普通らしいからね」


 ジーンがニッコリとした笑顔でアシュリーに言う。

 リラがエドワルドに教えられた事が、こんな所にまで廻ってきたのだが、リラが信じているのだから、リラに聞いても同じ事を言われてしまう為、信憑性が増すだけだろう。

 そうしてジーンは、アシュリーとの嬉しくも愉しい甘い新婚生活の日々を手に入れる。

 ジーン達が結婚式を挙げて半月程が経った頃、ジルギリスはもう少しだけドレファンで最終的な国王教育を施して来ると言って、リリーと共にドレファンへと向かった。

 その後、麗しの三義姉妹として、物凄く羨ましがった王都の貴族連中の話題に度々上がるも、アシュリーは自身も含めた自分達の事だと気付かぬまま、王都にはそんな風に話題になる美人な三姉妹がいるのねと、微かに聴こえた話し声に、ですが、と心の中で反論をした。

(わたくしの義妹であるリラ様や、その義姉であるシア様の方が、わたくし自慢の、最高の麗しい義姉妹ですわ♪他にそのような方々が居らっしゃろうと、わたくしの一番はリラ様とシア様以外に居らっしゃいません!)

 と、鼻高々気分で思っていたのだった。

 そんなアシュリーを横目で見て、相変わらず可愛い勘違いをしているのだろうなと思いながらも、ジーンは訂正をせずに、アシュリーに甘く優しい笑顔を向けている。

 そして、エヴァンス家の真の恐ろしさを知らない若輩者やバレなければ大丈夫だと思い込んでる激甘思考のお馬鹿達は、アシュリーとの一夜だけでもと夢を見て、想像を絶する恐怖の悪夢を実体験した後、貴族社会から抹消される憂き目に合うのだが、他人の大切な伴侶に手を出そうとした時点で自業自得な為、文句も言えずに消えていくのだ。

 裏でそんな事が起きていたとは知らない、真っ当な貴族達やアシュリーは、この先も、そんな裏事情は知らずに平穏に暮らす事だろう。

 そして日々アシュリーは、甘く幸せな結婚生活を過ごすのだった。
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