氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 アシュリーの居る寝室にジーンが入ると、アシュリーがジーンに気付き、真っ赤な顔のままで勢い良く直立する。

 そんなアシュリーを見て、ジーンは思わず笑みが溢れる。


「待たせてしまったかな?アーシュ」


 そんな事を言いながら、アシュリーに近付くジーン。


「わわわわっ、わたくしも、先程来たばかりです!ふふふふっ、不束者ですが、この先、末長く宜しくお願い致します!」

「こちらこそ。私は昔から、両親のような夫婦が理想だと思っていたから、アーシュともそうなれたら良いなと思っている。私達はこの先、初めての事だらけになるだろうけど、二人一緒に学んでいこう」


 ソッとアシュリーを抱き寄せ、額に口付けを落とすジーン。


「はい。ジーン様」

「ああ、そうだ。暫くはアーシュを独り占めしたいから、避妊はして置こうか。そうだな、取り敢えず半年ぐらいは、かな?」


 あまりに子供が早く出来てしまうと、僻んだ者達が婚前交渉していたのだろうと、根も葉も無い事を言い出し、アシュリーを蔑む可能性が無いとは言い切れない。

 それなら、そんな戯れ言を、口に出来る口実を与えなければ良いだけだ。

 それに、アシュリーを暫く独り占めしたいと言うのも事実なのだから、問題は無い。


「ジーン様を独り占め……。嬉しいです」


 腕の中で、幸せそうに呟くアシュリーの可愛さに悶えながら、持ち込んだ二つの小瓶の内の一つ、避妊薬を自ら煽り、口移しで飲ませるジーン。

 そのままアシュリーの咥内をゆっくりと、いつものように堪能する。

 勿論性欲を高めるように、アシュリーが反応する場所ばかりを攻め立てるのだ。

 アシュリーの力が入らないような状態になると、ジーンはアシュリーを抱えてベッドに横たわらせ、その上に覆い被さり、キスの雨を顔中に降らせる。


「やっと、アーシュと一つになれる」


 壮絶な色気を漂わせ、耳元で囁くジーンに、アシュリーは全身がゾクゾクする。

 これ程までの美貌を持ち、望めば何だろうと手に入る、多くの資産と輝かしい後継者としての未来も持っているのに、そんなジーンが、幼馴染みの元婚約者にすら婚約中は一度も女として見られた事の無かった自分を保護しただけで無く、お金も地位も何一つ与える事の出来ない自分を選び、色々と与え、更には女として求めてくれる事が、アシュリーにとっては心底嬉しくて仕方が無い。


「大好きです、ジーン様……」

「私もだよ、アーシュ。今夜は私がどれ程アーシュを愛しているのか、この身にたっぷりと教えてあげよう」


 ジーンの手が、アシュリーの頭から頬、首から肩へと、輪郭を辿るように撫でる。

 じわり、じわりと、性感を高めるように。


「んっ……」


 好きで好きで堪らない。

 アシュリーは自ら手を伸ばし、潤んだ瞳でキスとその先をねだった。
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