氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 式も滞り無く進み、アシュリーは震える手で何とか結婚成約証にサインをし、誓いの口付けを交わすと、ジーンはアシュリーを抱き抱え、大聖堂の前に停車している馬車に乗り込み、披露宴会場となる王宮に向かう。

 高位貴族も王族と同様、王宮の広間を借りて披露宴をする。

 家で披露宴をするのは、財力も人脈も少ないと言ってるような物だからだ。

 エドワルドの場合、王族で有り王弟だった為、全貴族の当主に通達し、喪中や病で臥せっている等の理由が無い限り、参加する義務が発生する公務だった。

 ただ、エドワルドの結婚式の時、辺境伯で有ったゴート家は、アシュリーの義母で有りサラの実母で有る辺境伯夫人が三ヶ月程前に亡くなっていた為、喪中だったのだ。

 そうで無ければあのサラだ。

 父親が参加する事になれば、王族の結婚式に付いて行くと言い出していた事だろう。

 まぁそんな事になっていたら、王都で上には上が居る事を学べたかも知れないが、所詮中身があれなので、王都で騒ぎを巻き起こしていたに違いない。

 来ていたら来ていたで、王都の高位貴族に目を付け、田舎暮らしは嫌だと高位貴族相手に迷惑を掛けるか、愛人にされているかだろうが、アシュリーの元婚約者とどうにかなる事も無くなっていただろうから、不幸中の幸いと言えるだろう。

 披露宴の際に、ジーンは酒を早々切り上げる。

 酒にはある程度強くは有るものの、今夜は待ちに待った初夜なのだ。

 とても楽しみにしていたのだから、酔い潰されては困ると言い切り、アシュリーは全身を真っ赤に染めて、俯くと言う初々しさを晒し、他の男性貴族を大いに羨ましがらせた。

 そして披露宴も恙無つつがなく執り行われ、何事も無く終了した。

 さすがに、国の中枢を担う家と、王族を敵に回してまで、式を邪魔する無謀者等居なかったようだ。

 まぁ、嘆き悲しむ面々は居ただろうが。

 アシュリーはジーンと共にエヴァンス邸へと帰り、使用人達から熱烈歓迎な祝福を受ける。

(本当にここの皆様は優し過ぎます~!!)

 アシュリーが泣き笑いのような顔でお礼を言い、使用人達は、若奥様の幸せそうな笑顔をゲット~!と内心悶えてる。

 晩餐は、ジルギリスやリリーを含む、エヴァンス家の使用人達と一緒に楽しい食事時間を過ごした。

    そうして食事が終わると、浴室に連れ込まれ、侍女達に磨き上げられ上で寝間着を着せられ、今夜からはこのお部屋が若奥様と若旦那様のお部屋ですからねと、夫婦用の寝室へと連れて来られる。

 アシュリーはガチガチに緊張しながら、ステラの言葉通りにベッドの端へ腰掛け、真っ赤な顔でジーンの訪れを待っていた。
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