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後日談

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 一先ず用意していた水で顔を洗わせ、水も飲ませる。

 少しだけ症状が改善してきた所を見計らい、ダンが忠告する。


「次騒ぎやがったら、同じ効果の威力を上げた、痺れ薬入りのを投げるからな。それと、フランにジョセ。俺の女を口説きやがったら、お前等の大事な一物もん去勢するから覚悟しろや?」


 ダンが冷たい視線で容赦無く言い切ると、フランクとジョセフは真っ青な顔でガタガタ震え、顔を拭いていたタオルを持ったままの手で、股間を隠していた。


「うわぁ、ダン兄容赦無い~」

「当然だ。因みにここの公爵夫人に同じ事やったら、去勢だけじゃ済まねぇからな?10秒以上見詰めよう物なら、敵認定されるだろうから気ぃ付けろや?」


 脅しでは無く事実を淡々と口にするダン。

 ダンは昔から、有言実行の男だ。その気性を知ってる弟達は、単なる脅しと流さずに、その忠告を必死に頷き受け止めた。

 一応洗い流したとは言え、目も鼻も口も、ヒリヒリしたままだ。

 絶対にダンには逆らわないようにしようと、再会早々、心に深く刻み込んだフランクとジョセフだった。

 そして、公爵夫妻と顔を合わせるのだが、あまりの美貌に息をするのも忘れる程にガン見して、リラが戸惑い、エドワルドの機嫌が目に見えて急下降した所で、ダンが二人の頭に拳骨を落としたのは言うまでも無い。

 その後、ルッグスとの初対面となり、サリサがメロメロ状態になった。


「やぁ~ん♪可愛い~っ!瞳の色合いはマッドちゃんだけど、見た目と髪の色はライさんですよねぇ♪格好良い男の子に育ちそう~!ってか、他の子達も可愛い~!!あたしここに住みた~い!」


 周囲の子供達は、着ぐるみで溢れてる。

 この光景に喜ばない子供好きは居ないだろう。

 しかも人懐っこいとなれば尚更だ。


「世界のあちこちを旅するんじゃないの?ここに住んだら旅出来ないわよ?」


 ディーラン国内であれば、あちこち行けはするだろうが、サリサの夢は、他の共通言語領域にも足を運ぶ事だ。

 ディーランはサリサの住んでいた所と同じ共通語を使用している。

 その為ディーランは通過国の一つにしかならない。


「そうなんだよねぇ~。クルセイの方は少しだけ行ったんだけど、懐刀云々の発祥国の所までは行けなかった~。見たかったんだけどなぁ本場の懐刀~。そういや、ダン兄も持ってるんだってね?懐刀代わりの短剣」

「俺のは嫁さんが持ってんぞ」

「凄い!ロマンチック~!!」

「あたしのだって、ライちゃんにあげたんだから!」

「?!すすすすっ、すみません!その話、詳しく教えて下さい!!」


 同じ部屋で子供達を愛でながらも、サリサの存在を気に掛け、話を聴いていたシルビアが食い付く。


「えっと、誰?」

「俺の嫁。綺麗だろ」

「はははは、初めましてシルビアです!あの、あの、ロマンチックってなんですか?!そのお話、詳しく聞きたいです!!」

「えっ、ダン兄話して無いの?」

「プロポーズはシルビーからだし、俺の自己満足だからなぁ」


 サラッと言い切るダン。

 サリサは教えてあげた方が喜ぶだろうにと思いながらも、話に聴いてたダンらしい言葉に、これは確かにモテるだろうなぁと思った。
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