氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 取り敢えず、クルルフォーン邸の前で騒ぎ続けるのは、幾ら周辺に屋敷が無くてもヤバかろうと、屋敷に入るようマッドは促す。

 既に屋敷内ではサリサの存在をと言うか、女傭兵の姿を認識され、様子を窺われている事だろう。


「うわぁ~。マッドちゃん、本当にここで働いてるんだねぇ……」


 屋敷は見えているものの、門からは少し距離が有る。

 その道のりを歩いていると、横手から、元気な声が突如聴こえる。


「「マッド、知らない女連れてる!ライ、いるのに、浮気?成敗!」」

「してないしてない!!誤解だってばぁ~!何で双子ちゃんまであたしを疑ってるのぉ?!」


 マッドは必死に否定するも、双子からは、冷たい視線と手持ちの剣を向けられる。


「「マッド、嘘臭い。ライより近い!ルッグス悲しむ、許さない!!」」

「本当に違うってばぁ~!妹よ、妹!家族なのよぅ~!」

「「むっ、家族?いる、聞かない。嘘吐く、悪い!」」

「あはははは!マッドちゃん、若い子に信頼ない~!」

「嘘じゃないってばぁ~~~!!サリー!あんたも何とか言って頂戴!」


 そんなマッドを横目に、ライラが双子へと話し掛ける。


「どうやら本当みたいですよ。でも、ダンさんに聞く方が良いかも知れませんね」

「「んっ!ダンに聞く~!」」


 双子は踵を返してダンが居るのだろう、奥へと向かって行った。


「あたしの信頼はどこに……」


 ガックリと肩を落とすマッドにサリサは大笑い。


「あはははは!何ここ、面白~い!」


 双子のマッドに対する扱いに、サリサはお腹を抱えて笑ってる。


「笑い事じゃないわよ!来るなら来るって先に連絡寄越しなさい!他の二人はどこよ?!」


 マッドはサリサに、八つ当たりと言う名のお小言を言う。

「他の二人は宿屋だよ~♪今日の昼過ぎにこの街に着いたんだ~。お貴族様の家に、三人の傭兵が押し掛けるよりは、あたし一人の方が警戒され難いかなぁって!まぁ、お屋敷の規模のデカさにちょっとビビってたから、マッドちゃんと遭遇出来て助かっちゃった♪」

「どうせなら、どっちか一人も連れて来なさいよぉ!あたしが浮気者だって疑われたじゃない!!」

「ええぇ~?でもその場合、あたしじゃなくて、連れて来たどっちかがマッドちゃんの元彼って間違われるんじゃない?だって、ここの人達?マッドちゃんの中身知ってるんだよねぇ?」

「……そこそこ似てるんだから、さすがにそれは無い……と思いたいわぁ……」


 そんな事を喋っていたら、双子達の声が聴こえてきた。


「「ダン、早く!確認確認!マッド浮気なら、許さない!」」


 そして、双子に両サイド陣取られながらも、ひょっこり顔を出したダンが言う。


「マッド。お前信用無さ過ぎだろ、ウチの双子に」


 ダンがトドめをさしていた。
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