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後日談
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今年最後の王都の年越し夜会は、例年よりも多くの貴族達が参加する事になっていた。
エヴァンス侯爵家の嫡男で有るジーンの婚約話の真偽を確かめようとする者達と、そのエヴァンス家の親しい者達が挙って参加を申し出た為だ。
お陰で個室として貸し出される部屋は全て埋まり、共同の休憩スペースとなる場所も、ごった返している状況だ。
当然、あの三人の為に個室なんて物は無いし、ジーンが態々部屋を取ってやる義理も無い。
アシュリーはエヴァンス邸で夜会の準備を終え、今夜の催しに付いてジーンと話し合っていた。
「王都の年越しは、とても賑やかな日なのですね。わたくしの地方では、家族だけでゆっくり過ごし、新年が明けた日の午後に親しい親戚との挨拶、その翌日に婚約者の家や友人宅への挨拶、その翌日に今後親しくなりたい相手の家に挨拶に行く決まりでしたわ」
「王都では、貴族達が王宮に集まり、家族や親しい相手と一緒に陛下の挨拶で年を越し、そのまま夜を明かす。挨拶は、今夜と陛下の挨拶が終わった後に出来るから、夜が明けて家に帰ると、後はのんびり過ごす事になってるんだよ」
「親しい相手と共に過ごせるなんて、とても嬉しく楽しい年越しになりそうですね。わたくし、リラ様やシア様と過ごせるのが物凄く楽しみです!」
キラキラとした笑顔でアシュリーが喋り、ジーンもそんなアシュリーを優しく見守っている。
今回のアシュリーの装いも、アシュリーの良さを存分に引き出し、前回よりも内面的な艶っぽさが出てきて、綺麗さも増しているようだ。
きっと、王都の貴族連中達も、アシュリーと言う存在を羨ましく思う事だろう。
そうしてジーン達は、セイル邸とクルルフォーン邸に寄り、セイル家とクルルフォーン家の家族を誘い王宮に着くと、大勢の見ている前で、ジーンはアシュリーを気遣いながらエスコートし、その姿を見た者達は、大方予想通りの反応を示した。
そうは言っても、誰一人アシュリーに近付ける者は居ない。
エヴァンス家の当主で有るジルギリスは勿論の事、次期当主で有るジーンにセイル家の先代当主と現当主、そして、王弟公爵で有るエドワルドと言った大物男性陣がアシュリーを囲い、その中の現当主、ジルギリスの横には年を経ても未だに若々しく、社交界の華と呼ばれるリリーが、デュークの横には人形姫と渾名が付けられていたエレーナが、そしてエドワルドの横には結婚式でその本質を晒け出し、数多の貴族を後悔のドン底に叩き落としたリラがいる。
どの当主も愛妻家として知られ、当主にしろ奥方にしろ、手を出そうとすればこの世の地獄を見る羽目になると噂される面々だ。
その噂が脳裏に焼き付く程には浸透している王都で、その大物達に認められた令嬢を、その大物達の前でどうにかしようとするなんて、命知らずにも程が有るだろう。
そしてエヴァンス家の使用人達含む親しい者達が、アシュリーと元の家族に関する正確な情報を密かに流し、その家族がジーンの怒りを買ったにも拘わらず、今年最後の王都の年越し夜会に押し掛けて、ジーンが処理したその者達への正当な処分に異議を申し立てに、陛下に直談判する気だとの情報まで流されている。
高が地方の一貴族に、王都の魑魅魍魎すら敵わない相手の不興を買うだなんてと、王都に着く前から嘲笑と憐れみを向けられていた事に、あの家族は知る事すら無いだろう。
エヴァンス侯爵家の嫡男で有るジーンの婚約話の真偽を確かめようとする者達と、そのエヴァンス家の親しい者達が挙って参加を申し出た為だ。
お陰で個室として貸し出される部屋は全て埋まり、共同の休憩スペースとなる場所も、ごった返している状況だ。
当然、あの三人の為に個室なんて物は無いし、ジーンが態々部屋を取ってやる義理も無い。
アシュリーはエヴァンス邸で夜会の準備を終え、今夜の催しに付いてジーンと話し合っていた。
「王都の年越しは、とても賑やかな日なのですね。わたくしの地方では、家族だけでゆっくり過ごし、新年が明けた日の午後に親しい親戚との挨拶、その翌日に婚約者の家や友人宅への挨拶、その翌日に今後親しくなりたい相手の家に挨拶に行く決まりでしたわ」
「王都では、貴族達が王宮に集まり、家族や親しい相手と一緒に陛下の挨拶で年を越し、そのまま夜を明かす。挨拶は、今夜と陛下の挨拶が終わった後に出来るから、夜が明けて家に帰ると、後はのんびり過ごす事になってるんだよ」
「親しい相手と共に過ごせるなんて、とても嬉しく楽しい年越しになりそうですね。わたくし、リラ様やシア様と過ごせるのが物凄く楽しみです!」
キラキラとした笑顔でアシュリーが喋り、ジーンもそんなアシュリーを優しく見守っている。
今回のアシュリーの装いも、アシュリーの良さを存分に引き出し、前回よりも内面的な艶っぽさが出てきて、綺麗さも増しているようだ。
きっと、王都の貴族連中達も、アシュリーと言う存在を羨ましく思う事だろう。
そうしてジーン達は、セイル邸とクルルフォーン邸に寄り、セイル家とクルルフォーン家の家族を誘い王宮に着くと、大勢の見ている前で、ジーンはアシュリーを気遣いながらエスコートし、その姿を見た者達は、大方予想通りの反応を示した。
そうは言っても、誰一人アシュリーに近付ける者は居ない。
エヴァンス家の当主で有るジルギリスは勿論の事、次期当主で有るジーンにセイル家の先代当主と現当主、そして、王弟公爵で有るエドワルドと言った大物男性陣がアシュリーを囲い、その中の現当主、ジルギリスの横には年を経ても未だに若々しく、社交界の華と呼ばれるリリーが、デュークの横には人形姫と渾名が付けられていたエレーナが、そしてエドワルドの横には結婚式でその本質を晒け出し、数多の貴族を後悔のドン底に叩き落としたリラがいる。
どの当主も愛妻家として知られ、当主にしろ奥方にしろ、手を出そうとすればこの世の地獄を見る羽目になると噂される面々だ。
その噂が脳裏に焼き付く程には浸透している王都で、その大物達に認められた令嬢を、その大物達の前でどうにかしようとするなんて、命知らずにも程が有るだろう。
そしてエヴァンス家の使用人達含む親しい者達が、アシュリーと元の家族に関する正確な情報を密かに流し、その家族がジーンの怒りを買ったにも拘わらず、今年最後の王都の年越し夜会に押し掛けて、ジーンが処理したその者達への正当な処分に異議を申し立てに、陛下に直談判する気だとの情報まで流されている。
高が地方の一貴族に、王都の魑魅魍魎すら敵わない相手の不興を買うだなんてと、王都に着く前から嘲笑と憐れみを向けられていた事に、あの家族は知る事すら無いだろう。
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