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後日談
27 (サラ視点)
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わたしには、アシュリーと言う名の腹違いの姉がいた。
わたしが義姉のアシュリーを初めて見たのは、父に馬車でこれから過ごす家だと連れて来られた十二の時。
それまで暮らしていた小さな家とは大違いの、大きくて立派な家の広い部屋で、とても綺麗な服を着ていた、三歳上の女の子と対面させられたのだった。
「この子はサラの姉になるアシュリーだ」
その時、わたしはズルいと心底思った。
父親が同じだと言うのに、アシュリーには大勢の世話係りと、こんなにも大きな家で不自由無い暮らしをし、一方のわたしは容姿に恵まれ父に溺愛されるも、小さな家で母と世話係りが一人いただけの生活だった。
父は母と結婚したかったけど、母の身分が低かったから結婚に反対されて、アシュリーの母親と仕方無く結婚したけど、父を蔑ろにして、家で大きな顔をしている嫌な女だったらしい。
それでも母を忘れられず、小さなあの家を母に与えて会いに来てたけど、反対する祖父も亡くなり、生意気なアシュリーの母親も病で亡くなった為に迎えに来る事が出来たそうだ。
わたしの母も死んだが、生前の母は、アシュリーに遠慮していた様で、わたしはそれがいつも不満だった。
父はこの家の後継ぎなのだ。後妻とは言え妻になったのだから、アシュリーなんて気にせず、堂々とすれば良いのにと思っていたのだ。
わたしの容姿は自分で言うのも何だが、とても愛くるしく可愛かったので、アシュリーに懐いた振りをして、アシュリーの物を自分の物にしていこうと企んだ。
だって、アシュリーが居なければ、本来全部わたしの物なんだから、それならわたしが貰っても良いじゃない。
父の子として三歳早く産まれただけで、父の物を全部受け継ぐなんて、不公平にも程が有る。
そう思ってアシュリーの部屋へと行き、綺麗なドレスを見付けた時は、心底アシュリーが憎らしく思えた。
わたしはこんなに可愛いのに、わたしは今までこんなに綺麗な服は着た事が無いと。
お義姉さまと同じような綺麗な服が欲しいと言うと、アシュリーは困った顔をしたが、新しく仕立てた方が良いと言うので、確かにその方が良いと思い、父に頼めばあっさりと了承されて、後日仕立て屋が呼ばれる事になった。
そして、再度アシュリーの部屋に行き物色すれば、とても綺麗でキラキラ輝く、大きな宝石を見付けたのだ。
だからアシュリーにそれが欲しいと言ったのに、アシュリーは駄目だと言った。
それならばと父に言えば、父はアシュリーにサラの方が似合うのだからとアシュリーに言ったが、アシュリーはこれはお母様の形見だと言い、父もわたしに諦めさせようとしたから大泣きしてやった。
だって、アシュリーが母親の物だと言っても、元は父の物に違いないもの。
アシュリーは、ゴート家に伝わる家宝だとも言ったわ。なら、それは父様のじゃない。
そして父はアシュリーからその宝石を取り上げ、父の娘であるわたしにくれた。
それから後日、アシュリーの婚約者と言う男の子を見た。
とっても綺麗で格好良い男の子は、ゴート家の婿養子になると父が教えてくれた。
『ゴート家の婿養子』
なら、アシュリーじゃなくても良いじゃない。容姿だって、わたしの方が遥かにアシュリーよりもお似合いなんだから。
わたしはアシュリーから、あの綺麗で格好良い婚約者を奪う為に、父に協力をお願いをして、口裏を合わせて貰いながら、アシュリーと仲の良い妹として近付いた。
わたしは『アシュリーが大好きな妹』を装い、アシュリーの前でも『アシュリーに懐く妹』を装ってた。
そして、マディソンの手紙も花束も、全てわたしが受け取って、どうしてもアシュリーに渡さなければいけない物だけを厳選し、わたしが開封した事がバレないように、新しい封筒に入れて封をしたのだ。
そしてマディソンと仲良くなり、折を見て、マディソンには嘘を吐く。
誰かまでは教えて貰えなかったが、アシュリーには他に好きな男性が居て、相手が嫡男だった為に、泣く泣く諦めたと言っていたと。
そして、マディソンからの花束は、届いたその日に捨てていたのだと。
アシュリーもマディソンも好きだから、本当は二人に幸せになって貰いたかったけど、わたしはマディソンの事を男性として好きになってしまっていたから、これ以上本当の事を隠して置けなくなったのだと。
そうして家もマディソンもわたしが手に入れたと言うのに、家出をした筈のアシュリーが別人のような姿で、マディソンよりも遥かに極上の、地位も美貌も段違いに高い男性と一緒にいるのだから、驚きと憎悪を抱かない訳が無い。
(何でアシュリーばっかりっっ!!!ズルいズルいズルいぃ~~~っっ!!こうなったら、何が何でも接触して、アシュリーよりも可愛い妹のわたしが、あの方の妻になってやるんだからっ!!)
アシュリーの物は自分の物だと、信じて疑わなかったサラは知らなかった。
ジーンがサラ達を貶める為に、手薬練引いて待っている事に。
そしてその日がサラにとって、最悪な人生を歩む始まりの日に過ぎない事に。
サラはこの後、人生で一番最悪な日を経験する事になるのだった。
わたしが義姉のアシュリーを初めて見たのは、父に馬車でこれから過ごす家だと連れて来られた十二の時。
それまで暮らしていた小さな家とは大違いの、大きくて立派な家の広い部屋で、とても綺麗な服を着ていた、三歳上の女の子と対面させられたのだった。
「この子はサラの姉になるアシュリーだ」
その時、わたしはズルいと心底思った。
父親が同じだと言うのに、アシュリーには大勢の世話係りと、こんなにも大きな家で不自由無い暮らしをし、一方のわたしは容姿に恵まれ父に溺愛されるも、小さな家で母と世話係りが一人いただけの生活だった。
父は母と結婚したかったけど、母の身分が低かったから結婚に反対されて、アシュリーの母親と仕方無く結婚したけど、父を蔑ろにして、家で大きな顔をしている嫌な女だったらしい。
それでも母を忘れられず、小さなあの家を母に与えて会いに来てたけど、反対する祖父も亡くなり、生意気なアシュリーの母親も病で亡くなった為に迎えに来る事が出来たそうだ。
わたしの母も死んだが、生前の母は、アシュリーに遠慮していた様で、わたしはそれがいつも不満だった。
父はこの家の後継ぎなのだ。後妻とは言え妻になったのだから、アシュリーなんて気にせず、堂々とすれば良いのにと思っていたのだ。
わたしの容姿は自分で言うのも何だが、とても愛くるしく可愛かったので、アシュリーに懐いた振りをして、アシュリーの物を自分の物にしていこうと企んだ。
だって、アシュリーが居なければ、本来全部わたしの物なんだから、それならわたしが貰っても良いじゃない。
父の子として三歳早く産まれただけで、父の物を全部受け継ぐなんて、不公平にも程が有る。
そう思ってアシュリーの部屋へと行き、綺麗なドレスを見付けた時は、心底アシュリーが憎らしく思えた。
わたしはこんなに可愛いのに、わたしは今までこんなに綺麗な服は着た事が無いと。
お義姉さまと同じような綺麗な服が欲しいと言うと、アシュリーは困った顔をしたが、新しく仕立てた方が良いと言うので、確かにその方が良いと思い、父に頼めばあっさりと了承されて、後日仕立て屋が呼ばれる事になった。
そして、再度アシュリーの部屋に行き物色すれば、とても綺麗でキラキラ輝く、大きな宝石を見付けたのだ。
だからアシュリーにそれが欲しいと言ったのに、アシュリーは駄目だと言った。
それならばと父に言えば、父はアシュリーにサラの方が似合うのだからとアシュリーに言ったが、アシュリーはこれはお母様の形見だと言い、父もわたしに諦めさせようとしたから大泣きしてやった。
だって、アシュリーが母親の物だと言っても、元は父の物に違いないもの。
アシュリーは、ゴート家に伝わる家宝だとも言ったわ。なら、それは父様のじゃない。
そして父はアシュリーからその宝石を取り上げ、父の娘であるわたしにくれた。
それから後日、アシュリーの婚約者と言う男の子を見た。
とっても綺麗で格好良い男の子は、ゴート家の婿養子になると父が教えてくれた。
『ゴート家の婿養子』
なら、アシュリーじゃなくても良いじゃない。容姿だって、わたしの方が遥かにアシュリーよりもお似合いなんだから。
わたしはアシュリーから、あの綺麗で格好良い婚約者を奪う為に、父に協力をお願いをして、口裏を合わせて貰いながら、アシュリーと仲の良い妹として近付いた。
わたしは『アシュリーが大好きな妹』を装い、アシュリーの前でも『アシュリーに懐く妹』を装ってた。
そして、マディソンの手紙も花束も、全てわたしが受け取って、どうしてもアシュリーに渡さなければいけない物だけを厳選し、わたしが開封した事がバレないように、新しい封筒に入れて封をしたのだ。
そしてマディソンと仲良くなり、折を見て、マディソンには嘘を吐く。
誰かまでは教えて貰えなかったが、アシュリーには他に好きな男性が居て、相手が嫡男だった為に、泣く泣く諦めたと言っていたと。
そして、マディソンからの花束は、届いたその日に捨てていたのだと。
アシュリーもマディソンも好きだから、本当は二人に幸せになって貰いたかったけど、わたしはマディソンの事を男性として好きになってしまっていたから、これ以上本当の事を隠して置けなくなったのだと。
そうして家もマディソンもわたしが手に入れたと言うのに、家出をした筈のアシュリーが別人のような姿で、マディソンよりも遥かに極上の、地位も美貌も段違いに高い男性と一緒にいるのだから、驚きと憎悪を抱かない訳が無い。
(何でアシュリーばっかりっっ!!!ズルいズルいズルいぃ~~~っっ!!こうなったら、何が何でも接触して、アシュリーよりも可愛い妹のわたしが、あの方の妻になってやるんだからっ!!)
アシュリーの物は自分の物だと、信じて疑わなかったサラは知らなかった。
ジーンがサラ達を貶める為に、手薬練引いて待っている事に。
そしてその日がサラにとって、最悪な人生を歩む始まりの日に過ぎない事に。
サラはこの後、人生で一番最悪な日を経験する事になるのだった。
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