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後日談

14 (おまけ)

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 セイル領まで護送していた傭兵団が帰って来てからの女子会で、話題があの女傭兵の話に及んだ。

 因みにアナスタシアも参加している為、アナスタシアにも話が分かるように説明をした所だった。


「まぁ。昔のお知り合いとは言え、とんでもない女性と遭遇したのですね」


 話を聞いたアナスタシアが、気の毒そうにマッドを見返す。


「そうなのよぉ~。まさかこんな所で会うなんて、思ってもいなかったわぁ。だから本当は、ライちゃんとのラブラブイチャイチャっぷりを、見せ付けてやりたかったんだけどぉ、あの女があまりにもムカつくから、全身細切れに切り刻むイメージの殺気を放ったら、失神と失禁をされちゃってぇ、臭いが付くのも嫌だし、その場に居たく無くなっちゃってぇ、そのまま放置して来ちゃったのよねぇ。どうせなら、もっとあたしがライちゃんに惚れてる事が嫌でも解るぐらいに、イチャついてやりたかったわぁ~」


 マッドがそんな事を言えば、セイル領まで護送した傭兵団の一員の、マッドと同種のお姉様達が、その後の報告もする。


「それで結局、あたし達の団が護送する事になったんですけどぉ、あの女、ウチの団員達に手を出して、逃がして貰おうとしたのか、色んな男に声を掛けたりするもんだからぁ、あたしがあの女の世話係りにさせられたんで、腹いせに、散々貶しときましたぁ!本当、女の敵のような女でしたから、遠慮無くダメ出ししまくってあげましたよ!勿論、男になりきったままで♪」

「面白かったですよぉ♪何であたしの魅力が効かないのよ、みたいな事を言ってた時に、この子ったら、『年取りゃ落ちるような魅力に興味なんざねぇよ。中身が可愛いなら幾らでも助けてやるが、お前みたいな中身が最悪な女を助ける道理はねぇよ』とか『いつまで若いと思ってんだ?年考えろや。年増の尻軽女なんざお呼びじゃねぇよ』とか『ダンさんやマッドさんがお前みたいな女を相手にする訳ねぇだろ。自己評価をどんだけ上げるつもりだ?あの二人は趣味悪くねぇっての』とか、もう、言いたい放題言ってましたから♪」

「因みに、セイル領の当主様にお会いして、公爵夫人のお手紙をお渡ししたんですけど、あの女、当主様にまで粉掛けようとして、当主様直々に『私は女だからとて容赦しない。今直ぐ死にたくなければ、その悪臭を放つ口を閉じろ』って言われてましたよ」

「デュークお兄様は、奥方様を大切になさっておいでですから。腐った思考の持ち主ならば、その言葉も腐ってると言いたかったのでしょう。デュークお兄様は真面目な方なので、相当お怒りだと思われますわ。わたくしとて、シルビーが貶されたと聞いて、腹が立ちましたもの」


 そうしてセイル家当主で有るデュークの怒りも買い、あの女は、更なる罪状を付け加えられて、罪人として船に乗せられたらしい。

 その後彼女は、二度とディーランの国に来る事は出来なかったそうだ。
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