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後日談

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「ったく。折角のデートだってのに、とんだ邪魔が入ったな」

「いえ。私はダンに庇って貰えて、とても嬉しかったです!」


 シルビアは笑顔で言い返す。


「でも、良かったんですか?女性は兎も角、男性の方は、ダンと親しそうでしたが、結局私は自己紹介所か、一言も喋っていないのですが……」

「良いんだよ。喩え向こうに用が出来たとしても、あの女が近くにいる時点で、俺ぁ相手の交渉に乗る気はねぇからな。仮にあいつ等が、俺を探そうと動いた時点で、エヴァンス家の奴等が知らせに来るだろうからな。それより、行きたい場所が有るんだろ。行くぞ」

「はい♪」


 そうしてダンはシルビアの買い物に付き合い、荷物を持ってクルルフォーン邸に戻ってくると、そのままマッドの居る所にシルビアを連れたまま、顔を出す。


「マッド、ちょっといいか?」

「ダンちゃん?なぁにぃ?何か有ったのぉ?」

「お前、確か明日非番で、下町に顔を出すっつってたよな?」

「ええ、そのつもりよぉ?」


 いつもは聞き流すだけで、予定の確認等、して来ないダンが聞いて来るので、ちょっと訝しんでいると、ダンが今日の出来事をマッドに話して聞かせる。

 実は、マッドも今日話し掛けて来た傭兵団とは接点を持っていて、時期は違うが、同じ傭兵団と仕事を共にした事が有る。

 再会した後で、どこの傭兵団と関わっていたのか話した事が有り、その時偶然同じ傭兵団と仕事をしていた事が発覚していたのだった。


「ああ、シルビーちゃん災難ねぇ。あの女、昔あたしにも粉掛けて来てたわよぉ。あたしは女だから同性に興味無いのにぃ、しつっこいったら無かったわぁ。まぁ、あたしは男を演じてたし、あの女は強い男が特に好きだったからみたいだけど、皆が皆、あの女を好きになる訳無いじゃない。一度で懲りればいいのに、ダンちゃんに喧嘩を売る辺りなんて、馬鹿としか言いようがないわよねぇ」


 マッドはダンの父親に基礎を教えて貰っていた為、マッドからすればダンは兄弟子だ。

 まさか、兄弟……兄妹?弟子揃って粉掛けて、どちらにも振られていたとは、さすが尻軽と呼ばれるだけは有るようだ。

「直ぐに出歩く事はねぇと思うが、もし他の団員達に連れられて会う事が有ったら、トドめ刺しとけや」

「解ったわぁ。兄弟子で有るダンちゃんの、可愛い可愛いお嫁シルビーちゃんに、ちょっかい出したんだものぉ。もし会う事が有ったら、あたしもライちゃん自慢、してやろぉ~っと♪」


 そしてダンは、エヴァンス家の使用人達と、クルルフォーン夫妻にも一報を入れるのだった。
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