氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 着ぐるみ動物園は今日も元気に開催中だ。

 本日はリスで、もふもふフワフワ度合いが半端無い。

 何と言ってもあの大きな尻尾がまた堪らないのだ。

 よちよちと歩く度に、お尻がフリフリ動くものだから、その度に大きな尻尾が揺れていて、思わず抱き締めたくなる可愛さである。


「いやん、もう、可愛過ぎるぅ~♥♥♥」


 休憩中に顔を出した時に、その光景を見て、マッドが声を潜めながらも悶えている。

 茶色にシマシマ、灰色のリスがワラワラと発生だ。

 次の日は鹿で、大きな子供達は角付きで、小さい子達はバンビだ。

 小さな子達の場合、角が有ると、寝返りし辛いからで、大きな子達の場合は大人と同様のカチューシャをしてる状態だからだ。

 角を持つ大きい子達の一人だけに、角の先には鈴が付いていて、その音で小さな妹達が追い掛けて来ると言った光景が見られるだろう。

 大きい子達は、ちゃんと小さい子達が付いて来てるか、時折振り返りながらも確認し、捕まらないように部屋の中を逃げて、捕まったら別の角付きの子に鈴を渡す、所謂いわゆる鬼ごっこに近い遊びで楽しんでいる。

 こうして動き回れば、お昼寝もぐっすりと眠ってくれるので、静かになる。

 まぁ、ヨルドが居るので、他の家庭と比べれば、断然静かでは有るが。


「最近では大きな子供達が、自ら、小さい子達の子守りを手伝ってくれるので、とっても助かっていますわ♪」


 子供達が増えれば、大人の負担が大きくなるが、上の子達は進んでお手伝いをしてくれているので、レベッカや他の侍女達は微笑ましく見守っている事が多い。

 泣き出したりしても、あやしてくれたりするので、大助かりだ。

 そして、レベッカの三男で有るルシードが、どうやらヨルドの特殊能力と言うか、特異体質を、諸に受け継いでるようだった。

 他の子供達も、普通の子供達よりかは動物に好かれ易いようだが、ルシードが居ると、ルシードの方に沢山の動物が集まったり、ヨルドが席を外して居る時に、ルシードの周囲を回る子達も居る程だ。

 庭に出れば、ヨルドとルシードの周囲に野鳥が近付いて来たりするので、多分、間違い無いだろう。

 ただし、大きい動物や、馬の傍にはまだ行かせた事は無い。

 小さい身体で、グルーミングなんてされたりしたら、大きい動物に恐怖感を持ったり、軽いトラウマになり兼ねないからだ。

 馬車に乗る時は、馬の傍にヨルドが居るから大丈夫だが、ヨルドが居ない時は絶対に、馬や大きな動物の近くには行かせないように気を付けてるレベッカだった。


「動物に懐かれる体質なのに、動物を怖がるようになってしまったら、後々大変ですからね」
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