氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 子供達が増えて、着ぐるみも増え、今日は猫の着ぐるみを着る子供達で溢れている。

 ハイハイを覚えたばかりのミゲール達が、尻尾の先に付いた、鈴付きリボンの音を追い掛け、ぐるぐる回り、シシルやキャリーはよちよち歩く。ルッグスの場合は、リカルドとゾーイ、クロードと一緒にいたり、ミゲール達と居たりで、リカルド達は走り回ったりと楽しそうだ。

 お昼を過ぎたらお昼寝で、マットの敷かれた子供達の遊び場で、子供達が皆、雑魚寝をするのだが、その光景がまた、可愛過ぎて何とも言えない状況だ。

 それこそ、何時間でも見ていられる程に。


「眼福ですわ~♥何時間でも毎日でも見ていられる程に、子供達が可愛過ぎます!」

「本当よねぇ~♥」


 アナスタシアとマッドが小声で話す。

 因みに、マッドはライラがルッグスを産む前に、クルルフォーン家へと転職したので、現在はこの家の警備を任されているが、今は丁度休憩時間だ。

 ここにはライラと子供達の様子を見に来ていて、子供達の姿に癒されている。

 最初の頃は、ルッグスや他の子供達の扱いに、タジタジだったライラも、今では手慣れた物だ。

 ライラは子供達の専属護衛として、子供達の扱い方を学びながら、ヨルドと言う特殊な存在と、エヴァンス家の男性使用人達のお陰で、子育てに、男も女も関係無く、子供達を構えば良いと教わる。

 ライラの父とは、全く違うやり方で育てても問題が無い事に、ライラもホッとする。

 貴族だったライラは、父親と遊んだりした記憶も無いので、どう扱えば良いのかすら、分からなかった事も有る。

 貴族達は政略婚も多いし、相手を好きになる事も有るが、子供達の子育ては乳母や侍女達が中心で、母親が子育てに参加しない事もまま有るぐらいだ。

 ライラの場合、母親はライラを産んだ後に、産後の肥立ちが悪く、そのまま亡くなった為、ライラは乳母や侍女達に育てられたが、父親はライラが男だったら家が継げたのにと言い続け、ライラとしては、心は男だと言うのに、見掛けだけで男と認められない歯痒さに、悔しさしか抱けなかった。

 そんな父親が、再婚するにはある程度の資産が無いとと、よく解りもしない事業に手を出し、借金を生み出し、今度こそはと更に他の事業に手を出すと言う悪循環。

 結局病を患い、借金が有るまま亡くなり、ライラは実家から領地から、何もかもを売り払い平民になったのだ。

 幸いと言うべきか、何もかもを売り払ったお金で、借金が全て無くなったのは、良い事だろう。

 そうで無ければ、身を売る羽目になっていた筈だ。

 その点で行くと、このクルルフォーン邸やエヴァンス家の方が特殊と言えるが、ライラもクルルフォーン家の使用人になったのだから、その特殊な環境に従えば良いと言われるのだ。

 ライラはマッドと出会えた事に感謝し、マッドを伴侶に出来た歓びを、毎日噛み締めるのだった。
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