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後日談

待望の女の子 1

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 ミゲールが産まれて三年が経ち、クルルフォーン家にエドワルド念願の女の子が産まれた。

 しかも、誰がどう見ても、間違い無くリラ似の女の子だ。


「ああ、リラ、とても嬉しいよ。今回も、母子共に、無事に居てくれて有難う」


 髪の色はエドワルド似だが、エドワルドは嬉しくて仕方無い。

 エドワルドが、リラ似の女の子を抱いていると、扉がノックされ、返事をすると、ソッと子供が覗いてくる。

 一番上の、リカルドだ。


「父様、僕にも、その子と、会わせて下さい」


 リカルドが両手を広げて、抱きたいと催促するので、エドワルドはソッと赤子を抱かせてやる。


「落とすなよ?リカルドの妹だ」

「うん!初めまして、僕が君の兄上だよ~♪」

「あ~♪」

「返事した!可愛い~♥」


 リカルドはキラキラした笑顔で、妹を見詰めている。


「ねぇ、父様、この子の名前は決めた?」

「ああ、名はカレン。カレン=クルルフォーンだ」

「カレン。カレン、僕はリカルドだよ。これから宜しくね」


 まるで、小さなエドワルドとリラが、ここに居るかのような光景だ。


「リカルド、カレンの事も母様同様に守ってあげてね?」

「うん、勿論!」


 リカルドは、リラの言葉に笑顔で頷く。

 エドワルドの子供時代を彷彿とさせるリカルドに、リラは嬉しくて仕方無い。

 そんな事を思っていると、扉が再度ノックされ、返事をすると、ミゲールを抱えたジルギリスとリリーが顔を出す。


「リラ、おめでとう。今回は、どっちかな?」

「リラに似た、とても可愛い女の子ですよ。ほら、リカルド、お祖父様とお祖母様にも、カレンを見て頂こう」


 そう言ってエドワルドはリカルドからカレンを受け取り、リリーにカレンを手渡す。


「まぁ、本当。髪色はエドワルド様だけど、顔立ちはリラにそっくりね♪」

「うぅ~、わたくしに似て、平凡な娘になってしまいました……」


 しょんぼりとするリラを見て、どこが平凡だと皆が皆思うものの、そこはエドワルドに任せようとばかりに、カレンとリカルド、ミゲールを連れて、退出する。


「じゃあエドワルド君、リラは任せた」

「ゆっくり休むのよ、リラ。子供達は向こうで見ているから、心配しなくて大丈夫よ」

「いつも、有難う御座います」


 エドワルドは二人に声を掛ければ、このぐらい当然だと言うような笑顔が返って来た。

 ここで騒ぐと、お産を終えたばかりのリラが、休めないからだ。


「いつも言っているじゃないか。リラはとても綺麗で、自慢の妻だと」


 困った奥方だと、エドワルドはリラの額に優しく口付ける。


「ですが、それはやっぱり、惚れた弱味みたいな物ですよ?」


 拗ねてるリラは可愛いが、ここはリラの容姿の認識を、少しでも上へと引き上げて置かなければ、娘を巻き込みそうだと、毎度の事ながらも、エドワルドはリラに言い聞かせる事にした。
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