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後日談

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 そんなコランを見て、マッドは本当にお仕事大好きよねぇと感心している。


「ああ、コランさんの作った服なら、あたしが今着てる、これがそうよぉ?」


 クレアはその言葉で、マッドの服をじっくりと見る。


「コランさん、彼女はクレアちゃんよぉ♪クルルフォーン公爵様の奥方が着た、花嫁衣装の製作者は、彼女なのよぉ♪」

「えっ、あのウエディングドレスの製作者ですか?!」

「そうよぉ♪因みに、小物も全部、クレアちゃん作なのよぉ♪」

「しっ……新作ドレス、私にも見せて頂けませんか?!」


 マッドのシャツを見ていたクレアに迫るコラン。


「駄目よ」

「そんなぁ~!」

「その代わり、マッドさんのドレスを作りたいのなら、エヴァンス邸に有るドレスを見せても良いか、エヴァンス家の若様と、クルルフォーン公爵夫人に許可を貰ってあげるわ。マッドさんのウエディングドレスを手伝いたいなら、休日か、仕事終わりにエヴァンス邸を訪ねれば良いわ」

「ほっ、本当ですか?!さっ、早速今日の仕事終わりに行かせて頂きます!」


 クレアの言葉に、コランは目を輝かせるのだが、クレアは忠告する事を忘れない。


「ただし、勝手にエヴァンス家や、クルルフォーン家の名を出したり、使ったりしたら、店が潰される可能性もお忘れ無く。たまにいるのよ。使用人の一人と仲良くなったからって、店や店の者達が勝手に、この家の御用達とか、コネが有る、とか言い出したりする事が。そんな店は迷惑以外の何物でも無いから、エヴァンス家もクルルフォーン家も、当然否定するんだけど、そうなると、店に対する貴族の信用度ががた落ちして、結果、潰れる店が多いのよ。だから、迂闊な事はしないでね」

「はっ……はい!」

「……所で、仕事中ならこんな所でサボってて良いのかしら?」

「貴族の方に、服を届けて帰る所なんです。とは言え、もうそろそろ戻らないと、怒られてしまいますね。私はここで失礼します。あのっ、本当の本当に、今日の仕事終わりに、行かせて頂きますからね!」

「ああ、はいはい。話は通して置くわ」


 コランはクレアからマッドに向き合い、頭を下げる。


「本当に、おめでとう御座います。ウエディングドレス、私も手伝わせて頂きますので、楽しみにしていて下さいね」


 コランは少し、泣きそうな笑顔でマッドに言うと、その場を去って行った。


「「マッドさんの罪作り……」」


 コランのその後ろ姿を見ていたクレアとライラが、思わず声をハモらせる。


「えっ?!何が?!」


 未だに気付かないマッドに対して、クレアは肩を竦め、ライラは片手で顔を押さえて首を振り、深い溜め息を吐いた。
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