507 / 803
後日談
41
しおりを挟む
そんなコランを見て、マッドは本当にお仕事大好きよねぇと感心している。
「ああ、コランさんの作った服なら、あたしが今着てる、これがそうよぉ?」
クレアはその言葉で、マッドの服をじっくりと見る。
「コランさん、彼女はクレアちゃんよぉ♪クルルフォーン公爵様の奥方が着た、花嫁衣装の製作者は、彼女なのよぉ♪」
「えっ、あのウエディングドレスの製作者ですか?!」
「そうよぉ♪因みに、小物も全部、クレアちゃん作なのよぉ♪」
「しっ……新作ドレス、私にも見せて頂けませんか?!」
マッドのシャツを見ていたクレアに迫るコラン。
「駄目よ」
「そんなぁ~!」
「その代わり、マッドさんのドレスを作りたいのなら、エヴァンス邸に有るドレスを見せても良いか、エヴァンス家の若様と、クルルフォーン公爵夫人に許可を貰ってあげるわ。マッドさんのウエディングドレスを手伝いたいなら、休日か、仕事終わりにエヴァンス邸を訪ねれば良いわ」
「ほっ、本当ですか?!さっ、早速今日の仕事終わりに行かせて頂きます!」
クレアの言葉に、コランは目を輝かせるのだが、クレアは忠告する事を忘れない。
「ただし、勝手にエヴァンス家や、クルルフォーン家の名を出したり、使ったりしたら、店が潰される可能性もお忘れ無く。たまにいるのよ。使用人の一人と仲良くなったからって、店や店の者達が勝手に、この家の御用達とか、コネが有る、とか言い出したりする事が。そんな店は迷惑以外の何物でも無いから、エヴァンス家もクルルフォーン家も、当然否定するんだけど、そうなると、店に対する貴族の信用度ががた落ちして、結果、潰れる店が多いのよ。だから、迂闊な事はしないでね」
「はっ……はい!」
「……所で、仕事中ならこんな所でサボってて良いのかしら?」
「貴族の方に、服を届けて帰る所なんです。とは言え、もうそろそろ戻らないと、怒られてしまいますね。私はここで失礼します。あのっ、本当の本当に、今日の仕事終わりに、行かせて頂きますからね!」
「ああ、はいはい。話は通して置くわ」
コランはクレアからマッドに向き合い、頭を下げる。
「本当に、おめでとう御座います。ウエディングドレス、私も手伝わせて頂きますので、楽しみにしていて下さいね」
コランは少し、泣きそうな笑顔でマッドに言うと、その場を去って行った。
「「マッドさんの罪作り……」」
コランのその後ろ姿を見ていたクレアとライラが、思わず声をハモらせる。
「えっ?!何が?!」
未だに気付かないマッドに対して、クレアは肩を竦め、ライラは片手で顔を押さえて首を振り、深い溜め息を吐いた。
「ああ、コランさんの作った服なら、あたしが今着てる、これがそうよぉ?」
クレアはその言葉で、マッドの服をじっくりと見る。
「コランさん、彼女はクレアちゃんよぉ♪クルルフォーン公爵様の奥方が着た、花嫁衣装の製作者は、彼女なのよぉ♪」
「えっ、あのウエディングドレスの製作者ですか?!」
「そうよぉ♪因みに、小物も全部、クレアちゃん作なのよぉ♪」
「しっ……新作ドレス、私にも見せて頂けませんか?!」
マッドのシャツを見ていたクレアに迫るコラン。
「駄目よ」
「そんなぁ~!」
「その代わり、マッドさんのドレスを作りたいのなら、エヴァンス邸に有るドレスを見せても良いか、エヴァンス家の若様と、クルルフォーン公爵夫人に許可を貰ってあげるわ。マッドさんのウエディングドレスを手伝いたいなら、休日か、仕事終わりにエヴァンス邸を訪ねれば良いわ」
「ほっ、本当ですか?!さっ、早速今日の仕事終わりに行かせて頂きます!」
クレアの言葉に、コランは目を輝かせるのだが、クレアは忠告する事を忘れない。
「ただし、勝手にエヴァンス家や、クルルフォーン家の名を出したり、使ったりしたら、店が潰される可能性もお忘れ無く。たまにいるのよ。使用人の一人と仲良くなったからって、店や店の者達が勝手に、この家の御用達とか、コネが有る、とか言い出したりする事が。そんな店は迷惑以外の何物でも無いから、エヴァンス家もクルルフォーン家も、当然否定するんだけど、そうなると、店に対する貴族の信用度ががた落ちして、結果、潰れる店が多いのよ。だから、迂闊な事はしないでね」
「はっ……はい!」
「……所で、仕事中ならこんな所でサボってて良いのかしら?」
「貴族の方に、服を届けて帰る所なんです。とは言え、もうそろそろ戻らないと、怒られてしまいますね。私はここで失礼します。あのっ、本当の本当に、今日の仕事終わりに、行かせて頂きますからね!」
「ああ、はいはい。話は通して置くわ」
コランはクレアからマッドに向き合い、頭を下げる。
「本当に、おめでとう御座います。ウエディングドレス、私も手伝わせて頂きますので、楽しみにしていて下さいね」
コランは少し、泣きそうな笑顔でマッドに言うと、その場を去って行った。
「「マッドさんの罪作り……」」
コランのその後ろ姿を見ていたクレアとライラが、思わず声をハモらせる。
「えっ?!何が?!」
未だに気付かないマッドに対して、クレアは肩を竦め、ライラは片手で顔を押さえて首を振り、深い溜め息を吐いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
9,205
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる