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後日談

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「ルナ、ルネ。種に土を被せた後、いつも通り水撒いたら、マッドが二人の相手になってくれるそうだぞ?どれだけ腕を上げたか、見せ付けてやれや」


 ダンの言葉に双子は目をキラリと輝かせ、とても良い返事を返す。


「「やる~!!見せ付け、ダン、渡さない~!!」」

「ちょっとダンちゃん?!話が違うくなってないぃ?!」

「最近王妃様の護衛にくっついて来る、騎士隊長やら騎士達に、手合わせを請われる事が多くてなぁ。その間、双子達は見てるだけで、つまんなさそうにしてたから、双子的には鬱憤が溜まってんだろ。ちっとは付き合ってやれや」

「「やれや~!」」

「いや、あのっ、付き合うのは良いんだけどねぇ、一人一人でしないかなぁ~ってぇ!」

「「しない!する、二人!」」

「えぇ~、双子ちゃん達の連携凄過ぎて、あたし的にキツいんだけどぉ~」


 尚もダンを見て訴えるマッドだが、ダンはそれに頷かない。


「諦めて、双子の相手しろや。ってかお前、最近身体なまってるだろ」

「そっ、そんな事無いわよぅ?ダンちゃんの気の所為よぉ!」

「嘘臭い。ならシルビーが帰って来たら、手合わせするか?本気で勝ちに行けっつっとくぞ?」

「むむむむっ、無理だからぁ!!シーちゃん、半端無く強いからぁ!」

「当然だろ、俺の女だ。守られてるだけの女じゃねぇ事ぐらい、お前も知ってんだろが。で?双子達の相手するか、シルビーと手合わせするか、どっちだ?」

「「逃げる、ズルい!しろ、勝負~!」」

「因みに、双子達との手合わせ断ると、双子に嫌われるっつう特典付きだ」

「い~やぁ~っ!それだけは嫌よぉ!!するするっ!するから!!双子ちゃん達ぃ、手合わせするわよぉ!」

「「やったぁ~!許す!今回♪」」

「えっ?こっ、今回、だけなのぉ?」

「「お客、いらない!連れてきた、悪い!」」

「そう言うこった。ああ、お前さんは気にすんな。傭兵が身体を鈍らすってのは、生死に関わる。最近サボり気味のあいつが悪い。双子とマッドは後から来い。あっちに手合わせ出来るスペースが有る。そこで見てやるよ」


 ダンはそう言って、ライラだけを連れて、何も植えてない場所へとやって来る。


「得物は持ってんのか?」

「ええ、一応」

「じゃあ、いつでも掛かって来い。俺を殺すつもりでな」


 余裕なダンを見て、ライラは思わずダンに一矢を報いてやる!と、心の中で思ったのだが、手合わせして、ダンが全く手の届かない強者だと言う事を、まざまざと実感させられるだけになるのだった。
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