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後日談
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女店主に、そろそろ店を開けるよと言われて、娼婦達が各々返事をし、マッドもライラもバックヤードに引っ込む。
「先程の話ですが、ダンさんって人は、どうして騎士隊長や先代の騎士隊長を鍛える事が出来たんですか?」
「ああ、ダンちゃんはエヴァンス家の令嬢、今は結婚して、クルルフォーン公爵の奥方になってるんだけどぉ、その奥方で有るリラちゃんに仕えているのよぉ。リラちゃんがまだ小さい時に、先代国王陛下がリラちゃんのお父様に腕が良いって聞いたらしく、お忍びでダンちゃんに挑んで、ダンちゃんを気に入ったらしく、そこから騎士達を鍛えてくれって依頼が有ったらしいわぁ」
「リラ=エヴァンス侯爵令嬢……。あの?」
「ああ、言っとくけどねぇライちゃん。リラちゃんの噂の大半は、他の貴族が流したデマばっかだから。リラちゃんの正体は、単なるコミュ障の天然さんだからぁ♪あっ、でも、リラちゃんと会う機会がこの先有ったとしてもぉ、リラちゃんにはあんまり近付いちゃあ駄目よぉ?男と解れば恐~い番犬が、威嚇だけで済ましてなんかくれないからぁ」
ライラの顔に、ずずいと寄って、間近で真剣に訴えるマッド。
「ぼっ……ボクがそんな方に会える機会なんて、無いと思うのですが……」
「あたしとしてはぁ、リラちゃんに……と言うより、ダンちゃんに会わせてあげたいのよねぇ。ライちゃんももっと強くなれるし、何より、その人に一番合う適性武器を見極めるのも得意なのよぉ。それに、信頼出来る同性がいるのは良い事だし、ダンちゃんの場合は口は悪いけど、面倒見も良いし、器もでかいし、性別云々とは言わないし、まさに男の中の男って感じで、頼りになるわよぉ♪」
マッドは家族のようなダンの自慢をしているだけだが、ライラにとって、それは物凄くイライラする事だとは気付いてもいない。
「男の中の男ですか……。マッドさんも、そう言う人が好きなんですね……」
「理想の男性像って事ぉ?あー、あたしはダンちゃんよりも、もっと華奢な感じのあまり筋肉の付いてない人の方が好きだわぁ。腹黒いのも好みじゃないわぁ。どちらかって言うと、素直な人の方が好きだしぃ。ああ、それで言ったらライちゃんの方が好みよぉ♪まぁライちゃんからすれば、あんまり嬉しくないかも知れないけれどぉ」
「ほっ……本当に?でも、ボクは、マッドさんのような身体が良かったです……」
「あぁら、あたしにしたら、ライちゃんの身体の方が羨ましいわよぅ。触り心地とか良さそうなんだものぉ。あたしの身体なんて、ガッチガチよぉ?」
そんな事を言って、二人共が押し黙り、二人して、思わず吹き出した。
「先程の話ですが、ダンさんって人は、どうして騎士隊長や先代の騎士隊長を鍛える事が出来たんですか?」
「ああ、ダンちゃんはエヴァンス家の令嬢、今は結婚して、クルルフォーン公爵の奥方になってるんだけどぉ、その奥方で有るリラちゃんに仕えているのよぉ。リラちゃんがまだ小さい時に、先代国王陛下がリラちゃんのお父様に腕が良いって聞いたらしく、お忍びでダンちゃんに挑んで、ダンちゃんを気に入ったらしく、そこから騎士達を鍛えてくれって依頼が有ったらしいわぁ」
「リラ=エヴァンス侯爵令嬢……。あの?」
「ああ、言っとくけどねぇライちゃん。リラちゃんの噂の大半は、他の貴族が流したデマばっかだから。リラちゃんの正体は、単なるコミュ障の天然さんだからぁ♪あっ、でも、リラちゃんと会う機会がこの先有ったとしてもぉ、リラちゃんにはあんまり近付いちゃあ駄目よぉ?男と解れば恐~い番犬が、威嚇だけで済ましてなんかくれないからぁ」
ライラの顔に、ずずいと寄って、間近で真剣に訴えるマッド。
「ぼっ……ボクがそんな方に会える機会なんて、無いと思うのですが……」
「あたしとしてはぁ、リラちゃんに……と言うより、ダンちゃんに会わせてあげたいのよねぇ。ライちゃんももっと強くなれるし、何より、その人に一番合う適性武器を見極めるのも得意なのよぉ。それに、信頼出来る同性がいるのは良い事だし、ダンちゃんの場合は口は悪いけど、面倒見も良いし、器もでかいし、性別云々とは言わないし、まさに男の中の男って感じで、頼りになるわよぉ♪」
マッドは家族のようなダンの自慢をしているだけだが、ライラにとって、それは物凄くイライラする事だとは気付いてもいない。
「男の中の男ですか……。マッドさんも、そう言う人が好きなんですね……」
「理想の男性像って事ぉ?あー、あたしはダンちゃんよりも、もっと華奢な感じのあまり筋肉の付いてない人の方が好きだわぁ。腹黒いのも好みじゃないわぁ。どちらかって言うと、素直な人の方が好きだしぃ。ああ、それで言ったらライちゃんの方が好みよぉ♪まぁライちゃんからすれば、あんまり嬉しくないかも知れないけれどぉ」
「ほっ……本当に?でも、ボクは、マッドさんのような身体が良かったです……」
「あぁら、あたしにしたら、ライちゃんの身体の方が羨ましいわよぅ。触り心地とか良さそうなんだものぉ。あたしの身体なんて、ガッチガチよぉ?」
そんな事を言って、二人共が押し黙り、二人して、思わず吹き出した。
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