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後日談

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(芸術家や物を作り出す人達とかは、心が広い人が多いと聞くけど、本当よねぇ)

 マッドはコランと別れて、クルルフォーン邸に向かってる際に、そう思っていた。

 普通はマッドのような者達を忌避するのが当然と言った物だが、あのコランと言う青年は、マッドが女言葉を使おうと、全く気にせず、普通に接してくれている。

(ああいった子は、将来大物になるんじゃないかしらぁ、きっと♪)

 マッドは、そうなってくれたら知り合いなのよと言って、絶対自慢しちゃうんだから!と思った。

 そして、そんな事を考えてる内に、クルルフォーン邸へと到着し、ドレスに着替える。

 いつも、何が起きても良いように、道中で30分程の余裕を持って出てくるので、問題は無い。

 勿論、遅れた所でリラ達は、お茶会と言っても単なる女子会なのだから、開催中に来てくれれば嬉しいと言うだけだ。急遽仕事が入ると言う事も、考慮してくれてる為である。

 だが、マッドとしては何よりも優先したいプライベートだ。邪魔されてなるものかと、上得意からの先約が有ると言って、日付をずらして貰うか、他の傭兵を紹介するかだ。

 嘘は言ってない。リラはマッドに仕事をくれる上得意だからだ。

 ドレスは締める段階で侍女に少し手伝って貰い、レベッカから教わったようにメイクを施す。

 ご機嫌でクルルフォーン家のサロンに案内されると、そこにはリラとレベッカがいる。


「マッドさん、メイクの腕が上がりましたね」


 レベッカにそう言われると、嬉しさが増す。


「いやぁん♪有難う、レベッカちゃん!これもレベッカちゃんのお陰よぉ~♪」

「いえいえ、マッドさんの努力の賜物ですよ。王妃様がいらっしゃる時間もまだなので、もう少しだけお待ち下さいね」

「当然よぉ、シアちゃんが来る前に来れて良かったわぁ♪ああ、そうだわ。ちょっとダンちゃん、相談に乗ってくれない?」

「相談だぁ?お前がか?」

「あたしと言うより、あたしの連れかしらぁ?この前、あたしと真逆の、男性の心を持つ女の子を拾ってねぇ。今あたしが働いてる職場で面倒を見て貰ってるんだけどぉ、周囲は女性ばかりだから、男性の相談役も欲しいのよぉ。下町の傭兵だと、その子に手を出し兼ねないでしょぉ?それだと困るから、相手がいて信頼出来る男って言ったら、ダンちゃんやサイナスちゃんとかのエヴァンス家の関係者しか、思い当たらなくってぇ。リラちゃんの旦那様や若様は、さすがに大物過ぎるだろうから、ライちゃん自体が緊張するだろうしぃ。ダンちゃんはあたしの幼馴染みだし、男女差別を持たないから、丁度良いかなぁって」

「まぁ、そりゃあ構わんが、相談の内容にもよるぞ?」


 ダンの返答に、マッドは笑顔で喜んだ。
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