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後日談

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 二人の会話にマッドが割り込み、他に人がいた事に驚く二人。


「何だ?!お前!」

うるせぇ小僧。てめぇはいらねぇんだよ。ここには男だろうが女だろうが、必死で生きてる連中が沢山いるんだ。それを何だ?女には暮らせない?んな事言ってるてめぇにゃ無理でも、こいつなら生き抜けらぁ。この界隈で顔が利く、この俺が世話してやるんだからなぁ」


 男がマッドの姿を確認した瞬間、青ざめて後ずさり、女性の方は警戒感を高める。

 そんな二人の反応を無視して、マッドは女性に話し掛ける。


「おい、お前。男だっつったな?なら俺は、お前を男扱いしてやる。取り敢えずその服は直ぐに売れ。こんな所でそんな高そうな服を着てりゃあ、絡んで下さいっつってるようなもんだ。野郎共が買う古着屋に連れてってやる。話はそれからだ」


「えっ……ほっ、本当に?」


 驚く女性に男が震えながらも喚く。


「うっ、嘘に決まってるだろ?!絶対身ぐるみ剥ぐ気だよ!逃げるぞ、ライラ!!」

「その馬鹿の愛人になるか、身ぐるみ剥がされたけりゃあ行けや。言っとくが、俺から離れる方が危ねぇぞ?」


 マッド的には親切心で言っている。

 マッド以外の輩も騒ぎを聞き付けたのだろう、気配がちらほらと感じられるからだ。

 ライラと呼ばれた女性は、マッドをジッと見返し、幼馴染みの男をチラ見し、その場に留まる事を選択したようだ。

 全然動かないライラに焦れたのだろう、男が後ずさり続けて突如その身を翻す。


「こっ……後悔しても、知らないからなっっ!!」


 男はそう言い残し、ダッシュでその場を走り去る。


「あー……。俺から離れる方が危ねぇって言ったのに、行きやがったよ。まぁ、仕方ねぇか。身ぐるみ剥がされても、自業自得だしな。じゃあ古着屋行くか。離れんなよ?」


 一応マッドは自然な感じでゆったりと歩き、ライラはそれに付いてくる。

 そうして着いた古着屋に入れば、ライラも後を追って中に入る。

 ライラは貴族の出だ。古着屋なんて入った事すら無い。


「おぉ~い、親父おやっさんいるかぁ?」

「おお、マッドか。久し振りだな。何か欲しい物でもあんのか?」

「ああ、こいつに似合う男物くれや。そんで、こいつが今着てる物を買い取ってくれや」

「んん~?どれどれ。あー、こりゃあ良い生地だなぁ。しかし、男物で良いのかい?こんな別嬪さんなのに」

「良いんだよ。こいつは武芸を使うから、女物だと身動きが取れなくなるからな。一応、着替え分も見繕ってくれや。出来れば負けてやってくれねぇか?これからこの界隈に住むかも知れねぇからさ」

「そうかい、それなら負けてやらんとなぁ」


 そうして古着屋の男店主に服を見繕って貰い、一着はそれに着替え、着ていた服を高く買い取って貰い、もう一着とお釣りを受け取り店を出た。
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