氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 レベッカは風呂から上がると、新しい、貰った下着を身に付ける。

 実は、玄関先での話やサロンでの話で、事情を知った侍女仲間に祝福され、未使用品の勝負下着を渡されたのだった。

 と言っても透け透けな物ではなく、上質な手触りの、可愛らしい寝間着と下着のセット物だ。


「どうしたんですか?これ……」


 そしてそれは、どう見てもリラや他の侍女達ではなく、レベッカに似合いそうな物だった。


「ヨルドさんがレベッカを好きだって気付いてたから、レベッカにもその内必要になるんじゃないかって思ってたのよ♪まさかこんなに早く渡す事になるなんて、思ってなかったけどね~」

「ヨルドさんなら、わたし達も賛成よ。真面目だし、動物に好かれる人だし、レベッカの本性を知っても笑ってる懐の広い人だもの。どこぞの見習いとは真逆よね~♪」

「そうそう。しかも気が利いて、サラッと手伝ってくれるのよ。重い物とか持ってたら、然り気無く、下心無く、自然にヒョイっと持ってくれて。公爵様に言い寄ってた女達が、ヨルドさん含むここの使用人達を足掛かりにしようとしてたらしいから、ここの使用人達は相手にしなかったみたいだけど、その女達も見る目が無いのねって思ったわよ。公爵様の足掛かりだなんて勿体無いぐらい、ヨルドさんは良い人だもの」

「あれはお買い得だから、逃がしちゃ駄目よ?」


 そんな会話を思い出し、思わずモヤッとする。


「知ってますよ、そんな事。寧ろ、他の人達と同じ扱いにしか感じなかったから、好意だなんて気付かなかったんです」


 ヨルドが他の人にも優しかったから、特別だなんて感じなかったのだ。

 レベッカはヨルドに対して恋心を抱いていた訳では無いが、ヨルドの事に好感を持っていたので、恋愛感情を抱かれてると理解した時も、嫌な気はしなかった。

 抱き締められて、陽向ひなたのような匂いを感じ取り、嫌悪感無く、温かいなぁと思ったのだ。


「嫌悪感無く、温かくて気持ち良いって思ったんだもの。だから、逃がさないわ」


 レベッカは、浴室を出て、ヨルドのいるベッドへと向かう。


「お待たせしました、ヨルドさん。今夜から、宜しくお願いしますね?」

「レベッカさん……」


 レベッカの姿を見て、ゴクリと喉を鳴らすヨルド。

 そんなヨルドの足を跨いで膝立ちし、ヨルドの顔を胸に抱え込むように自ら抱き付き、レベッカは嫌悪感が全く無いのを内心で確認しながら、ヨルドに囁く。


「あたしにヨルドさんを下さい。ヨルドさんが子作りに励んで下さるなら、ヨルドさんの要望も聞きますよ?ヨルドさんが望むなら、した事は無いですけど、フェラ……ですか?とか、一緒に入浴とか、子作りから外れる事だって、聞き入れますからね?……だから、あたしだけで我慢して下さいね?」
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