氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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「詰まり、お前は彼女に嵌められたって事。これが本当の夜会なら、お前はヒステリー女って渾名か、陰口叩かれてるぞ」


 サイナスの言葉に唖然とするしかないランドール。

 因みに、ランドールを嵌めた侍女は、大声を上げた。


「やったわ!1ポイント獲得~♪♪♪」


 その声に、吃驚するランドール。


「?!?」

「ああ、この夜会って、使用人達の言葉や行動によってお前が失態した場合に限り、使用人達にポイントが入り、ポイントを奪った者に、ちょっとしたご褒美が与えられる仕組みになってるんだよ」

「そして、時間内に使用人達が10ポイント取った場合、使用人側の参加者全員に、侯爵家の専属料理人による一週間分のデザート券を貰える事になっているのよ♪因みにこれは、経費では無くキーツさんの自腹だから。キーツさんから、全日連勝する気で頑張りなさいって言われてるから、容赦無くポイントを稼がせて貰うわよ!」


 ランドールを嵌めた侍女は、ランドールに宣戦布告をする。


「えっ、あの、これって私の勉強ですよね?!自腹って、相当キツいんじゃないですか?!」

「まぁ、そうだなぁ~。今回はポイント取った使用人達にも、お茶会参加の演技派にも、ちょっとした褒美を与えるって言ってたから、普通の執事なら痛い出費だろうな~。しかも、今日一日なら未だしも、お前が合格しない限りはずっとだからなぁ」

「ずっ……ずっと?!」

「当然だろ。最初だけだったら、最初に参加出来なかった奴が不満に思う。普っ通の執事だったら、破産するかも知れないな。ウチは高給取りだからそうはならないが、そう毎日続けられるとねぇ。せめて最低でも、10ポイントは取られないようにしてくれるかな?」

「はっ、はいっ!!」


 サイナスは笑顔で言うが、ランドールは、普通の執事なら破産するかもと言う言葉に、脂汗が背中を伝う。


「お~い。そんなガッチガチですると、即足元掬われるぞ?言葉通り、足引っ掛けられて転んでも、夜会では足元も碌に見ないのかって、笑われるだけだから。気を付けろよ?」

「言っちゃ駄目ですよ~、サイナスさん。取り敢えず、サイナスさんは片手袋になって、あたしは一旦退散します!再度参戦するから待ってなさい!」


 そんな言葉を残して、侍女はそそくさと去って行った。

 因みに、ポイントを獲得した者は、一旦退場して、十分後に参戦出来る。その間に別人に変装するも良し、そのまま行くも良しとなっているのだ。

 因みにこの擬似夜会、裏では使用人達が好きな物を賭けると言う、賭けの対象になっていたのだが、ランドールは全く知らないまま、体験学習を受けていたのだった。
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