氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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 その後、ランドールはダンスの練習(勿論女性パート)をさせられ、次は夜会用のドレスにお着替えと、夜会用の髪型とメイクにお直し。

 朝の時間よりも髪型やメイクに時間を掛けて、念入りに準備される。

 そして、会場として提供された大広間に向かうと、昼間の侍女達や、マッド達が令嬢に扮し、非番の男性使用人達も、子息や爵位持ちに扮した本格的な夜会会場となっていた。


「あの……何でこんなにも本格的なんですか?と言うか、よくこれだけのドレスや装飾品アクセサリーを揃えましたね。経費の無駄では?」

「その方が現場の雰囲気が掴めるからね。装飾品はイミテーションだし、ドレスは既製品に侍女達がレースやフリル、装飾を追加した物だからそれ程の出費では無いよ。それに、執事を育てるだけで無く、エヴァンス家の令嬢や子息の幼少時に、練習場として再現する事も有るから、無駄にはならない。侍女達のドレスは本当の令嬢のドレスと違い、何度も着回せるからね。ああ、それと、男性使用人達が付けてる胸元のバッチは、色で爵位の位を表してるから。数にも意味が有り、一つは当主、二つは子息、三つはそれ以外の血縁者だから。それでは行きましょうか、ランお嬢様」


 そう言って、ランドールの手を取りエスコートをするサイナス。

 夜会では、サイナスもパートナーの子息として参加する。と言っても、近くにいても、手袋を片方外している場合は席を外していると言う設定で、近くに居ても、居ない物だと思えと言って有る。

 サイナスの参加は、ランドールに細かな説明をする為と、パートナーとしてちっとも役に立たないパートナーだと、どれだけ令嬢に負担が掛かるかと言う事を実感させる為の物なので、将来、主人に息子が産まれた場合、そんな男に育てるなと言う意味も入っているのだ。


「因みに、女性の手首にリボンが巻いて有る者達は令嬢、首の場合は夫人、腰は未亡人で男性同様色で爵位を示してるから。それと、両手首にリボンが巻かれてる場合は令嬢では無く関係者だから」


 因みに関係者と言うのは遠縁だったり当主の弟妹だったりと言った、五等爵から外れる者達の事だ。

 意味は追い追い教えるから、先ずは真剣にやれ。でないとやる気無しと見なして、首にするから覚悟しろ。と言う脅しも付けたので、ランドールは今までと違い、心を入れ換え必死になっている。

 そうして擬似夜会は始まり、ランドールが思っていた夜会のイメージと現実の違いを、目の当たりにされる事となった。
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