氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

322 (レベッカ視点 4)

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「ランドールさん、貴方が今まで出会って来た女性がどんなだったのか、概ね予想は付きますが、レベッカにとって、リラお嬢様は自分の命より大事な、とても大切な存在なのです。何せリラお嬢様は、レベッカを拾って来た時、栄養失調で、骨と皮のガリガリ状態な中、懸命に食事を与え、教養を与え、どこに出しても恥ずかしくない娘に育て上げたのですから」


 ああ、あれってそう言う状態だったんだと、他人事のように自分の過去を振り返るレベッカ。


「そもそも、エヴァンス家の姓を持つ方は、美男美女だらけです。一々その顔に反応する使用人なんて雇っていたら、仕事になんてなりませんし、要りません。レベッカ、貴女、貴族になりたいと思った事は有って?」

「一度も無いです。そんな奇特な侍女は、エヴァンス家に存在しないと思いますよ?例えば貴族の妾?その内端金はしたがねで捨てられるのに、どこに魅力が?奇跡的に正妻?責任重大な立場に立たされた上、貴族じゃないと陰口叩かれ、陰湿な虐めを受けるだろうに、本気で惚れ込んでなきゃ、面倒過ぎて無理では?大金が手に入る?エヴァンス家で雇われてたら、生活に充分過ぎるお金と、趣味や特技、好きな事や興味のある事をやらせて貰えると言うのに、それを捨ててまでの魅力や誘惑がどこに有ると?あたしは、リラお嬢様を思う存分着飾って、リラお嬢様をとことん愛でて、リラお嬢様の傍で暮らす事に、生き甲斐を感じてるんです。リラお嬢様が好きにならなければ、公爵様なんてお呼びじゃないのよ。ただ、屑で馬鹿な貴族男性や、リラお嬢様の良さが解らない阿呆、気の多いゲスじゃない分、公爵様なら、腹黒執着溺愛者で済むし、リラお嬢様を裏切る事無く幸せにして下さる方だからこそ、協力は惜しまないだけです。リラお嬢様を幸せに出来ないような方なら、暗殺でも抹消でもして見せますわ」


 レベッカの、リラ愛溢れる本音に、ランドールは頭を抱えたくなった。


「そもそも、公爵様のお部屋に呼ばれてるのだって、乱されたリラお嬢様の身形を、完璧に整える為です。それを、どうして貴方みたいな人に譲らなきゃならないんです?もしかして、公爵様はリラお嬢様に全く手出しせずに聖人君子で手を繋ぐだけだったとでも思ってるんですか?あんな綺麗で可愛いリラお嬢様に何もせずにいられるようなら、それこそ結婚を急ぐ必要がどこにあるんですか。リラお嬢様は純潔のままですが、それだってエヴァンス家の若様が結婚までは挿入不可と言われたからです。そんな状況下のリラお嬢様の身形を、あの方が男性にさせる訳が無いでしょうに。ってか、ここまで女に言わせなきゃ解らないなんて、どれだけ鈍いんですか?最悪ですね」


 レベッカは、ランドールに冷たく言い捨て、カミユからも無言の冷たい視線に晒された。



*****

 ※済みません!!これの一つ前、ランドールの事をレンドールと間違って書いてましたので訂正させて頂きました(汗)
 ジェフに付きっ切りで教わってた彼と同一です。一ヶ所だけが正しかったので、ご指摘頂いて、過去の部分を見返し発覚しました!
 智秋さん有難う御座いました~!!名乗りの方が正解だったのですよ(汗)
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