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本編
321 (レベッカ視点 3)
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クルルフォーン家に到着すると、出迎えのランドールと目が合う。
明らかに呆れた顔をしているのだ。理由は多分、乗馬にあるのだろう。
レベッカは前にルナを乗せている為、パッと見どちらが馬を操っているのか判り難い。その為、もしかしたらレベッカでは無く、ルナが操っているのだと、思ってるのかも知れない。
それとも侍女服で乗馬をしている事が気に食わないのか?考えても埒が明かないので、考える事を止めたレベッカは、ルナに降りるように促す。ルナもルネも、年の割りに小柄な為、乗る事は一人で出来ないが、降りる事はちゃんと一人で出来るのだ。
レベッカが馬から降りると、馬車の御者席で様子を見ていたカミユが、ランドールの傍に行き、挨拶をする。
「初めまして、わたしはエヴァンス家の侍女頭をしております、カミユと申します。以後お見知り置きを」
「初めまして、私はクルルフォーン家の執事をしているランドールと言います。今後、何かとあるかも知れませんが、宜しくお願いします」
「所でランドールさん、質問が有るのですが宜しいでしょうか?」
「ええ、どうぞ。ここでは何ですし、一先ず屋敷内にどうぞ」
「そうさせて頂きますわ。レベッカ、付いていらっしゃい」
カミユに言われてレベッカは馬をダンに預け、そのままカミユに付いて行くと、執務室に近い応接間へと通される。
カミユとレベッカが勧められたソファーに座るとランドールが切り出す。
「それで、質問とは何でしょうか?」
「貴方のレベッカに対する態度ですわ、ランドールさん。何故、あのような険しい態度を取るのか、ちゃんと説明して頂けますか?それと、彼女から聞いた話ですが、貴方はこの娘に度々絡んで来るようですね、それもおかしな言い掛かりを付けて」
「おかしな言い掛かり、ですか?その娘は、貴女にも上手く取り入ってるようですね。私は主人に必要以上に近付こうとするその女性に、忠告しているだけです」
ランドールのその言葉に、カミユは冷たく笑い、言い放つ。
「ジェフさんが聞けば、もう一度人を見る目を養って来いと言うでしょうね。レベッカ、はっきり言っておやりなさい!貴女が公爵様をどう思っているのかを」
(え?本当に言っても良いんですか?この人、一応公爵様の使用人ですよ?)
レベッカはカミユにそんな思いを籠めて見返すが、カミユは行けと言わんばかりにガッツリ頷く。
「リラお嬢様のお相手で無ければ、絶対に近付きたく有りません。見てる分には良いかも知れませんが、自分の身に置き換えたらドン引き以外の何物でも無いですよ。ってか、何であたしが公爵様に粉を掛けなきゃなんないんですか。あたしにとっての公爵様は、リラお嬢様の付属品ですよ」
レベッカの言葉にカミユはウンウン頷き、ランドールはドン引きした。
明らかに呆れた顔をしているのだ。理由は多分、乗馬にあるのだろう。
レベッカは前にルナを乗せている為、パッと見どちらが馬を操っているのか判り難い。その為、もしかしたらレベッカでは無く、ルナが操っているのだと、思ってるのかも知れない。
それとも侍女服で乗馬をしている事が気に食わないのか?考えても埒が明かないので、考える事を止めたレベッカは、ルナに降りるように促す。ルナもルネも、年の割りに小柄な為、乗る事は一人で出来ないが、降りる事はちゃんと一人で出来るのだ。
レベッカが馬から降りると、馬車の御者席で様子を見ていたカミユが、ランドールの傍に行き、挨拶をする。
「初めまして、わたしはエヴァンス家の侍女頭をしております、カミユと申します。以後お見知り置きを」
「初めまして、私はクルルフォーン家の執事をしているランドールと言います。今後、何かとあるかも知れませんが、宜しくお願いします」
「所でランドールさん、質問が有るのですが宜しいでしょうか?」
「ええ、どうぞ。ここでは何ですし、一先ず屋敷内にどうぞ」
「そうさせて頂きますわ。レベッカ、付いていらっしゃい」
カミユに言われてレベッカは馬をダンに預け、そのままカミユに付いて行くと、執務室に近い応接間へと通される。
カミユとレベッカが勧められたソファーに座るとランドールが切り出す。
「それで、質問とは何でしょうか?」
「貴方のレベッカに対する態度ですわ、ランドールさん。何故、あのような険しい態度を取るのか、ちゃんと説明して頂けますか?それと、彼女から聞いた話ですが、貴方はこの娘に度々絡んで来るようですね、それもおかしな言い掛かりを付けて」
「おかしな言い掛かり、ですか?その娘は、貴女にも上手く取り入ってるようですね。私は主人に必要以上に近付こうとするその女性に、忠告しているだけです」
ランドールのその言葉に、カミユは冷たく笑い、言い放つ。
「ジェフさんが聞けば、もう一度人を見る目を養って来いと言うでしょうね。レベッカ、はっきり言っておやりなさい!貴女が公爵様をどう思っているのかを」
(え?本当に言っても良いんですか?この人、一応公爵様の使用人ですよ?)
レベッカはカミユにそんな思いを籠めて見返すが、カミユは行けと言わんばかりにガッツリ頷く。
「リラお嬢様のお相手で無ければ、絶対に近付きたく有りません。見てる分には良いかも知れませんが、自分の身に置き換えたらドン引き以外の何物でも無いですよ。ってか、何であたしが公爵様に粉を掛けなきゃなんないんですか。あたしにとっての公爵様は、リラお嬢様の付属品ですよ」
レベッカの言葉にカミユはウンウン頷き、ランドールはドン引きした。
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