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本編
320 (レベッカ視点 2)
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レベッカはカミユに相談すると、カミユは快く次回のクルルフォーン家訪問に同行してくれると約束し、その夜、リラに会いに来たエドワルドに自ら名乗り、リラの前で次回のクルルフォーン家訪問の際に、同行させて頂きたいと願い出ると、エドワルドはあっさり了承してくれた。
そうして、クルルフォーン家の訪問日。
エドワルドに今回侍女頭が同行する本当の理由をリラと共に聞いて貰った。
それを聞いたリラも、ムッとした感情を隠しもしない。
「レベッカは、そんな事をする娘では有りません。わたくしの大切な自慢の侍女で、妹のような存在なのです。そんな事を思われているのなら、心外ですわ」
「今まで雇い入れた侍女が侍女だったから、ランドールの事情も解らない訳では無いが、選りにも選って……。了承した。エヴァンス家の侍女達がどれ程優秀で凄腕か、どれ程のプロ意識を持っているのか、きっちり確りと、その脳裏に叩き込んでやってくれ」
「公爵様にご理解頂けて何よりです」
カミユはそう言って、御者席に座る。
御者席は三人ぐらい余裕で座れるので、レベッカと双子の内のどっちかが御者席に座っているのだが、今回はカミユもいるので、四人となるとギュウギュウなので、レベッカは御者席では無く馬に乗る。すると、ルナがレベッカに声を掛けて来た。
「レベッカ、乗る。ルナも!」
「じゃあ、ちょっと待って。ダンさん!ルナを乗せるのーー」
「ーーこれで良いですか?」
エドワルドの御者がルナを抱え、ルナの足を鞍の足掛けに置いてくれる。
「ん。ありがと」
「どう致しまして。それにしても、この前も思ったのですが、エヴァンス家の侍女は凄いですね。乗馬の出来る侍女はあまりいないのに……」
彼はエドワルドと一緒にエヴァンス領に同行した為、レベッカが遠乗りに出掛けた事も知っているのだ。
「有難う御座います。ですが、エヴァンス家の侍女は、ほぼ全員が乗馬出来ますよ。緊急時の際、女性も乗馬出来れば、馬の負担も減るだろうし、逃げきれる確率も増えるとリラお嬢様が仰ったのです!その為、侍女でも教師を付けて貰えて、ちゃんとした馬の知識も学ぶ事が出来るのです!あたしだって、リラお嬢様を守る侍女ですもの。足手纏いだなんて言わせませんわ!」
レベッカは、グッと拳を握り締め、笑顔を見せる。
「貴女は、エヴァンス令嬢がお好きなのですね」
「勿論大好きですわ!リラお嬢様がいなければ、あたしがここにいる事は無いし、生きてたかどうかも分かりませんもの」
「?それはどういう……」
「言葉通りの意味ですよ。だから、あたしがリラお嬢様の大切な方に粉掛けるだなんて、有り得ない。そもそも、公爵様のような人はタイプじゃないです」
(あんな腹黒の執着溺愛、絶対に嫌です。リラお嬢様の場合は溺愛されて当然の人だから、あれで良いのかも知れないけど、あたしは絶対無理ですからね)
レベッカは心の中で、エドワルドを思いっ切り拒絶した。
そうして、クルルフォーン家の訪問日。
エドワルドに今回侍女頭が同行する本当の理由をリラと共に聞いて貰った。
それを聞いたリラも、ムッとした感情を隠しもしない。
「レベッカは、そんな事をする娘では有りません。わたくしの大切な自慢の侍女で、妹のような存在なのです。そんな事を思われているのなら、心外ですわ」
「今まで雇い入れた侍女が侍女だったから、ランドールの事情も解らない訳では無いが、選りにも選って……。了承した。エヴァンス家の侍女達がどれ程優秀で凄腕か、どれ程のプロ意識を持っているのか、きっちり確りと、その脳裏に叩き込んでやってくれ」
「公爵様にご理解頂けて何よりです」
カミユはそう言って、御者席に座る。
御者席は三人ぐらい余裕で座れるので、レベッカと双子の内のどっちかが御者席に座っているのだが、今回はカミユもいるので、四人となるとギュウギュウなので、レベッカは御者席では無く馬に乗る。すると、ルナがレベッカに声を掛けて来た。
「レベッカ、乗る。ルナも!」
「じゃあ、ちょっと待って。ダンさん!ルナを乗せるのーー」
「ーーこれで良いですか?」
エドワルドの御者がルナを抱え、ルナの足を鞍の足掛けに置いてくれる。
「ん。ありがと」
「どう致しまして。それにしても、この前も思ったのですが、エヴァンス家の侍女は凄いですね。乗馬の出来る侍女はあまりいないのに……」
彼はエドワルドと一緒にエヴァンス領に同行した為、レベッカが遠乗りに出掛けた事も知っているのだ。
「有難う御座います。ですが、エヴァンス家の侍女は、ほぼ全員が乗馬出来ますよ。緊急時の際、女性も乗馬出来れば、馬の負担も減るだろうし、逃げきれる確率も増えるとリラお嬢様が仰ったのです!その為、侍女でも教師を付けて貰えて、ちゃんとした馬の知識も学ぶ事が出来るのです!あたしだって、リラお嬢様を守る侍女ですもの。足手纏いだなんて言わせませんわ!」
レベッカは、グッと拳を握り締め、笑顔を見せる。
「貴女は、エヴァンス令嬢がお好きなのですね」
「勿論大好きですわ!リラお嬢様がいなければ、あたしがここにいる事は無いし、生きてたかどうかも分かりませんもの」
「?それはどういう……」
「言葉通りの意味ですよ。だから、あたしがリラお嬢様の大切な方に粉掛けるだなんて、有り得ない。そもそも、公爵様のような人はタイプじゃないです」
(あんな腹黒の執着溺愛、絶対に嫌です。リラお嬢様の場合は溺愛されて当然の人だから、あれで良いのかも知れないけど、あたしは絶対無理ですからね)
レベッカは心の中で、エドワルドを思いっ切り拒絶した。
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