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本編

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 それでもリラは、迷っている様なので、エドワルドは、リラが身を隠す大樹の傍らまで近付き、リラにだけ聞こえる音量で甘い声を出す。


「それに、私としては、綺麗に着飾ってくれているリラも大好きだけれど、一糸纏わぬ、生まれたままのすがーー」

「なななななっっ?!?何を仰る気ですか?!!エドワルド様ぁ~!!!」


 真っ赤な顔で飛び出し、エドワルドの口を両手で塞ぐリラ。


「ここここっ、子供の前ですよ?!少しは自重をして下さい~!!!」


 声を出そうにも、リラの手で口を塞がれている為、くぐもった音にしかならない。

 その為、エドワルドはリラの掌を舌で舐める。


「ぅひゃあぁあ~っっ!!?」


 リラが飛び退くのを阻止して、腕の中に閉じ込める。


「捕まえた。私は声を抑えていたから、声は届いていないよ。寧ろ、双子達はリラの声に吃驚しているようだけど?」

「~~~っっ!!エドワルド様の意地悪~っ!」


 エドワルドの腕の中でジタバタするが、エドワルドは離さない。


「リラが隠れて出てきてくれないのが悪いんだよ。おいでと言っているのに」

「だってっ、でもっ、だってぇ~!」

「私から離れるなんて出来ないのだから、諦めなさい。その姿も充分可愛いよ」


 エドワルドにニッコリと微笑まれて、悔しくて堪らない。


「ほぉ~ら双子ぉ、あっちは放っとけ。新しい技教えるぞ~」

「「技?新しい?教えて~!」」


 ダンは早々に切り替えて、双子達に新しい技を教え出し、双子達もダンの言う、新しい技に夢中になって覚えようとし、リラ達の事を忘れてしまう。

 そんなダンと双子達のやり取りを目で追い、エドワルドは笑う。


「ははっ、双子達は私達の事を完全に忘れて、新しい技とやらに夢中だな。さて、私は汗で濡れているから、着替えに行くけれど、リラはどうする?」


 漸くエドワルドに解放されるが、リラは恥ずかしくて堪らない。


「わわっ、わたくしも着替えに戻ります!」

「では、着替え終わったらまたここに」

「はい、急いで来ます!」

「急がなくても大丈夫だよ。リラがまだでもちゃんと待っているし、汗を流したいから、私も少し時間が掛かるだろうしね」


 エドワルドはリラのこの姿も可愛いと言ってくれたが、リラとしては、エドワルドの前では少しでも可愛く、綺麗に見られたい。

 その想いを、エドワルドは察してくれたのかも知れないと気付き、リラは嬉しくて仕方ない。


「あっ……有難う御座います、エドワルド様……」

「私はお礼を言われるような事をした覚えは無いけれど?」


 リラに優しく微笑み、何の事だかと、しらばっくれるエドワルドに、リラは胸の奥が、キュッと締め付けられる気がした。
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