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本編

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 クルルフォーン邸での晩餐を終え、プライベート空間にある方のサロンで休憩すれば、そろそろ帰る時間になる。

 リラはエドワルドに馬車で送られ、エヴァンス家に帰って来た。

 そのままエドワルドは再度リリーに挨拶を交わし、ジーンにも声を掛けてから帰宅する。

 その後、ダンは出来るだけ毎日クルルフォーン邸に顔を出し、クルルフォーン邸の庭師と共に庭を弄り、その間のリラの護衛はマッドに任せる。

 リラを連れてクルルフォーン邸に行けば、絶対に喜ぶだろうが、リラを連れて来るのはエドワルドがいる休日の時だけだと、エドワルドが決めていたのだ。

 なのでリラは、エドワルドが仕事の時はエヴァンス邸で会い、エドワルドが休暇の時はリラがクルルフォーン邸を訪れ、その都度庭の進行状態を確認し、エドワルドと屋敷内でゆっくり過ごす事になっている。

 そんな日が続いていたある日、エヴァンス領に行く日取りが決まり、二月に入れば直ぐに行く事となった。

 三月の末には二人の結婚式が有るので、三月の初めには帰って来れるように調整したのだ。


「わたくし、エドワルド様とも一緒にエヴァンス領に行けるのが、今からとっても楽しみです!」

「私もリラが育った場所を、前から見たいと思っていたんだ。前回は余計な邪魔が入り、エヴァンス領に行く計画自体を潰されてしまったけれど、さすがにもう喧嘩を売るような相手は居ないだろうし、ジーン殿と一緒に申請書を提出して、許可も貰ったから、今度は大丈夫だよ」

「わたくし、エドワルド様に領内を色々と案内しますわ♪」

「ああ、楽しみにしているよ」


 リラはエドワルドの言葉に嬉しそうに微笑み、エドワルドを悶えさせる。

 マッド達は、マッドは来るのが確定しているが、他の傭兵達は所属先がバラバラで、王都を中心に活動している者もいる為、所属先に相談するそうだ。

 マッドは傭兵にしては珍しく、傭兵団に所属しておらず、一人で活動するフリーの傭兵だ。

 元々は傭兵団に所属していたが、故郷から遠いこのディーランでダンと再会し、ダンが貴族に雇われている事に驚き、ダンのような見た目の異国民に対し、冷遇するこの国で、上手くやっていけるのかを見届ける為に、暫くこの国に居着く事を決め、フリーになったのだ。

 今ではリラとも仲良くなり、暫く所か骨を埋めても良いとすら思う程だ。

 ディーランは、傭兵と貴族が繋がりを持つ事は稀だが、平民は傭兵達を何でも屋と認識している事が多く、護衛や用心棒、力仕事等の依頼が気軽に入る。

 その為、貴族相手の仕事は殆ど入らないが、平民相手の仕事が多く入るのでそれ程困る事も無く、ダンのような見た目でさえ無ければ、フリーでも充分やっていけるのだ。
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