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本編

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 リリーの準備も整い、時間まで、のんびりとお茶をした後に王宮へと向かう。

 双子達もダンもちょっとした余所行きの格好で、ダンは王宮に行くので今回も一応髭は剃っている。

 そもそもダンは童顔なので、髭を剃ると年よりも若く見られる上、そこそこの美丈夫だ。

 異国の人間ではあるが、普段から身嗜みを整えていれば、かなりモテていたに違いない。

 ただ、残念な事に、普段は無精髭を生やしているし、言葉遣いも粗野なので、寄り付く女性はあまりいないが。

 王宮に到着後、エヴァンス家に宛がわれた部屋へと向かう。勿論、エドワルドも一緒にだ。

 アレクシスとアナスタシアに会えるのは、日付の変わる一時間程前になる。それまでは、各々で親交のある相手に挨拶をしたり、挨拶されたりと思い思いの時間を過ごす。

 上位貴族の部屋の前には、士官している騎士が二人以上、必ず配置されているのだ。

 因みに騎士と兵士の違いは、貴族の位が有るか無いかの違いだ。

 貴族出身の次男、三男は親の爵位を継ぐ事は出来ないが、学院内の騎士科を卒業していれば、五等爵とは別の位、准男爵を貰う事が出来るのだ。

 これは政務科を選んだ者も貰える位であり、五等爵の下の地位になり、一応貴族と見なされるが、一代限りの物で、継承は出来ない物だ。

 そして、ある程度の手柄や数をこなし、顔が売れれば男爵になれる。

 平民は、王立学院に通っていない為、殆どが兵士止まりだが、国王の目に留まるような功績を残せば爵位も夢ではない。

 そんな騎士が部屋の前を守り、訪問者の名前を確認してから部屋の主に伝え、入れていいか了承を取る。

 勿論、部屋の主に前以って聞いている相手は、そのまま通すようにしているが、中にはそれ程親しくも無いのに訪ねてくる者も居たりする所為だ。

 部屋を空ける時は、部屋の前にいる騎士に、どこに向かうか言っておけば、不在時の訪問者にも伝えて貰える事が出来るので、途中で会う事も可能になる。

 上位の相手や、会いたい相手が来ているかどうかは、王宮の入り口で確認出来る為、到着した時点で確認するのが通常で、相手がまだ到着してない場合は、時間を置いて確認する事も出来るのだ。

 バルトはまだ到着していない様なので、部屋で時間を潰していると、どうでもいい相手がエドワルド目当てで訪ねて来た為、ジルギリスが部屋の外に出て用件を聞き、悉く追い払っていた。


「大して親しくも無いのに面識が有るからって、エドワルド君と取り次いで貰えるなんて、思っているのかな?そんなのを一々取り次いでられる訳が無いのにね~」

「すみません、お手数をお掛けしてしまい、申し訳ない」

「エドワルド君の所為じゃないから気にしないでいいよ。悪いのはそんな事も分からない相手だからね」


 ジルギリスはにっこり笑って、相手へのお仕置きを頭の中で考えるのだった。



*****

 ※明けましておめでとう御座います!今年も宜しくお願い致します~‼
 皆様にとって良いお年になりますように♪
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